<ウンコな~り、シッコな~り>

pressココロ上




僕は鹿児島県から南に400キロ超下った離島出身です。幼稚園の頃に神奈川県に引っ越して来ましたので、生まれ故郷の記憶はほとんどありません。ですが、昨年他界したお母ちゃんは大人になるまで故郷で暮らしていましたので、お母ちゃんの頭の中には故郷の暮らしが刷り込まれていました。

その故郷の暮らしの中には「方言」とか「風習」、または「言い伝え」といった、その地域独特のものがありますが、僕がお母ちゃんから聞かされていたのは「おまじない」です。「おまじない」を辞書で引きますと「神仏その他不可思議なものの威力を借りて、災いや病気などを起こしたり、また除いたりする術」と書いてありますが、お母ちゃんの「おまじない」は病気を治すために口から出るセリフでした。

お母ちゃんは僕たち子供が「お腹が痛い」と言うと、上を向いて寝かせてお腹をさすりながら、こう言うのです。

「ウンコな~り、シッコな~り。ウンコな~り、シッコな~り」。

このセリフをなんどもなんども繰り返しました。すると、あ~ら不思議、お腹の痛みは治まっていきました。こうした幼少体験がありましたので、僕も自分の子供たちが小さい頃に「ウンコな~り、シッコな~り」と「おまじない」をかけていましたが、成功率は半々くらい…。

やはり、個人差があるようです。

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新型コロナウイルスの脅威はますます増しており、収束する気配が全く見えません。テレビではニュースからワイドショーまで一日中コロナウイルスについて報じていますが、それぞれの番組には必ず専門家と言われる方々が出演しています。

中には専門家ではなくコメンテーターという肩書きの方が「専門家ふう」に意見を述べることがあります。しかしここで注意が必要なことは、「コメンテーターの方々は専門家ではない」ことです。あくまでコメントを述べる人ですので、一般の人が自説を述べるのとさほど違いはありません。

コメンテーターの中には「炎上商法」ではありませんが、意図的に過激な意見を述べて視聴率を稼ごうとしているように感じる人もいます。そして、だいたいにおいてそのような人の意見はポピュリズムのように大衆の不満に迎合するような内容になっています。

今はSNSの時代ですので、ちょっと過激な意見を言いますと瞬く間に拡散します。その拡散がさらに番組を注目させることになり、視聴率が上がることになります。そこには過激な意見が番組制作側に好まれる構図があります。

コメンテーターの場合はあくまで一個人の意見ですので、拡散されることはあっても信頼性という点においては間引かれて聞かれています。視聴者も「専門家ではない」と理解しているからですが、肩書きが「専門家」となりますと、話は変わってきます。

「専門家」という肩書きの難しさは、「専門家」の中にもいろいろなカテゴリーがあることです。例えば、医師という括りの中にも内科とか外科、耳鼻咽喉科など様々な診療科があります。内科の医師は耳鼻咽喉の疾病に関しては詳しくないのが普通です。

実際、僕は心臓の手術を受けてから定期的に内科のかかりつけ医に通っていますが、その医師に「鼻づまり」について尋ねたところ「耳鼻咽喉科」に行くことを勧められました。

新型コロナウイルスに関する専門家は「感染症」というカテゴリーのようですが、僕が夜に見るニュース番組では出演する専門家はある程度決まっています。先日、偶然知ったのですが、テレビ朝日の「報道ステーション」に出演している感染症の専門家はそのあとに日本テレビの「ニュースゼロ」に出演していました。つまり、同じ人が番組をはしごしているわけですが、感染症の専門家が不足していることを示しています。

先日、ネット記事を読んでいましたらある女性の感染症専門家が批判されていました。この女性専門家がいくつかの番組で解説している姿を見ましたが、ネット上で批判されている専門家を出演させる制作側に疑問に感じました。

コロナウイルスに注意を喚起しはじめた当初は、政府の専門家会議に出席している専門家がマスコミに出演して解説していました。ですが、最近はマスコミで見かけることはほとんどなくなっています。その代わりに先ほど紹介したような専門家の方々がマスコミで解説しています。細かい点では意見が異なることがあっても共通しているのは「3つの密を避ける」ことです。

現在、最も関心が高いのは「緊急事態宣言を出すタイミング」です。自治体や日本医師会などは「もう出すべき」と声を上げていますが、安倍首相は「ギリギリ大丈夫」と出さない意向のようです。安倍首相近辺の意見を聞いていますと「専門家の意見を聞いて判断している」と強調していますが、その言い回しには「決断の責任を専門家に押しつける」意図があるようで不快な印象を受けます。

コロナウイルスは感染を拡大させないことが必須要件ですが、それに伴う経済的サポートも重要な政策です。現在、外出自粛要請が行われていますが、外出自粛によって売上げや収入が減り、雇用が失われる業界もあります。最もわかりやすいのが外食産業やサービス業です。お客様が来なくなるのですから売上げがなくなって当然です。

そうした業界をサポートするためにいろいろな方法が考えられていますが、すべてを満足させる方法はないようです。元々経済において絶対はあり得ません。いつもあとから結果を評価することだけです。経済学が本当に意義があるのなら、これまで不況など起きなかったはずです。経済学は常に実験の途中というのが僕の意見です。

今回も外出自粛要請によって立ち行かなくなる業界や働く人が出て来ますが、その対処法に完璧なやり方はありません。会社に勤めている人はある程度企業に守られていますが、自営業者は収入すべてを失うケースさえあります。まさに生活がかかっていますので、そのような人が路頭に迷わないような方策を考えてほしいものです。

僕も先月肺炎を患ってしまい、仕事を休まざるを得ない状況になりました。自営業者は仕事を休みますと、収入が減ってしまいます。今月の請負料はかなり減っているはずですので、通帳の口座を見るのが不安です。

たぶん効果はないと思いますが、試しに通帳にやってみたいと思います。

「ウンコな~り、シッコな~り。ウンコな~り、シッコな~り」

じゃ、また。




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