自己責任の自己責任の自己責任

pressココロ上




 いつも行くスーパーでチョコレートの棚を見ていたところ「ガシャーン!」という音がしました。驚い て音のした方を見ますと、赤ちゃんをベビーカーに乗せた夫婦が割れたガラスコップの前に立って いました。様子から察すると両親が他のことに気を取られている隙にベビーカーの赤ちゃんが展示 されているコップを引き落として割ったようです。申し訳なさそうにしている夫婦に従業員が駆け寄 り「お怪我はありませんか?」と尋ねていました。結局その両親は弁償を求められることもなくその 場を立ち去り従業員があと片付けをしていました。
 夜、寝るときにこの一連のできごとを考えていました。いったい責任は誰にあるのか?
 コップを割ったのは赤ちゃんですが責任能力はありませんからその両親ということになります。し かし赤ちゃんでも引っ張れるような展示をしていた店側に責任があるともいえます。しかししかし、 赤ちゃんが他の人などに迷惑をかけないように監督する責任が親にはありますのでやはり親に責 任があるともいえます。でもでもでも、元々を言えば赤ちゃん連れでも入店することを許可している 店側にこそ責任があるとも言えます。ウーン…。
 因みにこのような場合、店側から賠償を求められたなら、一度自分の加入している損害保険を調 べてみましょう。もし賠償責任保険に入っているならそれを利用することができます。ここで注意し なければならないのは賠償責任保険は傷害保険などにセットになっていることが多いということで す。自分の契約の内容を詳しく知らずせっかく保険でまかなうことでできるのを知らないままにやり 過ごしている人は意外と多いのです。せっかく保険料を支払っているのですから利用しない手はあ りません。
 話を戻しますと…
 どちらに責任があるか突き詰めて考えていましたら頭の中がこんがらがってしまい寝られなくなっ てしまいました。私は仕方なくイカさんタコさんに意見を求めました。
イカさん「円山君も大変だね。君自身には全く関係ないのに悩んで。それはともかくこういうケース は単純に考えていいんじゃない?」
タコさん「えっ、じゃぁ赤ちゃんの責任?」
イカさん「違うよ。さっき円山君が言ってたように親だよ」
タコさん「そうかなぁ。店には全く責任がないのかなぁ」
イカさん「じゃぁさ、銀行のATMについてはどう思う?」
タコさん「あれは預金者の自己責任だよ。自分のお金を盗まれたのを銀行のせいにするのはおか しいよ」
イカさん「それは逆だよ。銀行こそ預金者のお金を保管する責任があるじゃないか!」
タコさん「それは違うね。銀行に預けてても自分のお金だろ。自分で責任持たないと…。そういうイ カ君みたいな考えは甘っちょろいよ」
イカさん「なんか嫌な言い方するな。ちょっと頭にきた」
タコさん「だって仕方ないじゃん。ホントのことなんだから」
イカさん「あ、嫌なこと思い出した。この前さ、飲みに行ったとき知らないオジさんと口論になったん だ。そしたらそのオジさんよっぽど頭にきたみたいでさ、僕のこと『このタコヤロー!』言ったんだよ」
タコさん「ハハハ…。君はイカなのにね」
イカさん「そうだよ。僕、頭にきたから足を全部テーブルの上に乗せて数えさせてやったよ」
タコさん「アッハハハ…」
イカさん「あれ? なんの話だったけ?」
タコさん「ちょっとぉ、ボケちゃったの? 自己責任の話でしょ」
イカさん「そうだそうだ。思い出した」
タコさん「ちゃんと頼むよ」
イカさん「さっきから気になってたんだけどタコ君の考えはいつも『自分には責任がない』っていう感 じだよね」
タコさん「もちろん、そうだよ」
イカさん「でもね、アメリカみたいになんでも相手のせいにばっかりする世の中は嫌だよ。日本人の 謙虚さっていうかさ、『自分にも責任があります』ってほうが潔くない?」
タコさん「でも僕はそうはいかないんだよね」
イカさん「あのね。『そうはいかない』んじゃなくて自分で考えを変えればいいだけじゃない」
タコさん「それは無理」
イカさん「ああ、なんかイライラするな! タコ君みたいな奴が多くなったから日本がギスギスした嫌 な社会になったんだぞ! なんで無理なんだよ!?」
タコさん「なんて言うか…。血筋なんだ」
イカさん「血筋?」
タコさん「そう。僕…、生まれながらに…“ 他己 ”なんだよね」
イカさん「…他己責任か…」
                                          じゃ、また。







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