<しがみつく>

pressココロ上




 先週の日曜日はお天気もよかったので妻とサイクリングに出かけました。「サイクリング」という言い方はちょっと古いですね。今風に言うと「ツーリング」ですかね。まぁ、とにかくいつもなら車で行く距離の繁華街に自転車で出かけたというわけです。暑い日ざしの中、汗をかきながら妻と二人のツーリングは青春でした(笑)。
 帰る途中、なにか飛行物体が僕の腕に当たり「なんだろう」と見ますとジーパンにバッタさんが止まっていました。僕はある程度スピードを出しておりバッタさんも早いスピードで飛んでいました。普通に考えるならスピードを出している2つの物体がぶつかったときはお互いに弾き飛ばされると思うのですがバッタさんが僕のジーパンにしがみついていたのには驚かされました。僕はバッタさんの根性に敬意を表し払い落とすことはせずに一緒にツーリングに参加させることにしました。
 しばらく走っていると、ふと不安がよぎりました。このままバッタさんを僕に家の近くまで連れていってしまうとバッタさんは困るのではないか、と思ったのです。たぶんバッタさんは振り落とされまいと目を瞑ってジーパンに必死にしがみついているはずです。そんなバッタさんが僕の家に着いて周りを見渡したとき全く知らない景色にショックを受けるのは想像できます。もしバッタさんがまだ子供で親バッタさんたちがいるとしたら僕は誘拐犯になってしまいます。
 どうしよう…。
 僕の子供が小さかった頃、子供たちは恐いものを見たときなど僕にしがみついてきました。人間は誰でも恐怖を感じたときなにかにしがみつきたくなるものです。このとき大切なことはしがみつく対象が適切であるかどうかです。虐待をする親を除いて全ての親は子供を愛していますから子供が親にしがみつくのは最も適切な対象にしがみついていることになります。
 恐怖を感じたときしがみつくのは子供に限ったことではありません。大人になってもしがみつきたくことはあります。会社でリストラにあいそうになったとき生活の不安を感じたなら会社にしがみつきたくなるでしょう。また資金繰りに窮している企業は銀行にしがみつきたくなります。しかししがみついていた会社が倒産することみあります。またしがみついていた銀行が倒産することもあります。しがみつく相手をよく見極めることが大切です。そしてしがみつくときは目を瞑っていてはどこに連れて行かれるかわかりません。必ず目を開けていましょう。
 もし誤った選択をしてしがみついた会社が倒産したならそのときの「しがみつく」は「死神つく」と言います。せっかく「しがみつく」のですからくれぐれも「死神つく」にならないように気をつけましょう。
 
 ところで僕にしがみついていたバッタさんは途中でいなくなっていました。僕にしがみついていることに疑問を感じたのだと思います。昆虫的勘で…。とてもよい判断だと思います。
 その日の夜、バッタさんについて気になっていたので調べてみました。するとバッタさんが人間に害を加えることについて書かれていました。
 トノサマバッタやサバクバッタは「飛こう」と呼ばれる集団大移動により地上の緑の植物を食べてしまうこともあるそうです。そのときの集団は何億という数で大群となるということですから恐怖です。アフリカのサバクバッタの猛威はテレビなどでも放映されたそうで日本でも江戸時代や明治時代に被害にあっているということでした。
 バッタは育つ環境により「孤独相」と「群集相」に分かれるそうで「飛こう」を行うのは「群集相」になったバッタだけです。「群集相」のバッタは活動が活発で大群で移動する特徴があるのですが、群集になると性格まで変わるそうです。う~んと…なんか人間に似てません?
 
 もしかした選挙があるかもしれません。しがみつく相手をよ~く考えましょう。
                                            じゃ、また。




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