<秘密とガラスと本心>

pressココロ上




イカさんタコさんシリーズ
イカ: この前テレビで宣伝してた映画面白そうだったんだ。
タコ: どんなの?
イカ: 秘密を持たないことをルールにしてる家族が実は父も娘も息子も妻もみんなそれぞれが秘密を持ってるって映画なんだ。
タコ: ああ、キョンキョンが出てる映画だ。
イカ: 知ってるの?
タコ: 原作は角田光代さんの小説なんだ。
イカ: へぇ~。
タコ: 僕、キョンキョンを見たことあるんだ。2年くらい前に公園でドラマの撮影してた。
イカ: いいなぁ。実物ってどう?
タコ: すっごいちっちゃいかった。でもすっごかわいかった。
イカ: 「かわいい」って言ってももう若くはないよね。
タコ: でも 「かわいい」 って表現がピッタリだったんだよね。
イカ: ふーん。…ねぇねぇ、やっぱり家族の間では秘密なんかないほうがいいよねぇ。
タコ: そうかなぁ。少しくらいあったほうがいいんじゃない?
イカ: でもさ、信頼してる相手に秘密があったら嫌じゃない。
タコ: その気持ちもわかるけど秘密を全然持ってないっていうのは、つまり心の中を全てガラス張りにするってことでしょ。それは人間として無理だと思うな。
イカ: すご~い! タコくんはタコなのに人間の気持ちがわかるんだ。
タコ: なんか嫌味な言い方だな…。
イカ: まぁ、それはともかく…そんな「無理」って言っても秘密があるってことは相手に対する裏切りだよ。
タコ: 人間が心をガラス張りにして生きていけるかなぁ…。
イカ: この前、カネボウの粉飾決算が報道されてたけどあれだって秘密があったってことじゃない。
タコ: あれ? 今日のイカくん、難しいこと言うね。
イカ: 最近、新聞の一面見出しだけは読むようにしてるんだ。
タコ: 偉いじゃん。
イカ: へへへ…。それでね、やっぱり秘密があったらいけないってことだよね。やっぱり秘密を作らないようにガラス張りにしないと駄目だよ。
タコ: ガラス張り…か。僕は部屋中鏡張りのほうが好きだな。
イカ: ねぇねぇ、なんかエッチなほうへ話を持っていこうとしてない?
タコ: ごめんごめん。…確かに企業はガラス張りじゃないといけないよね。特にカネボウなんかは上場してるんだから社会的責任としても当然だよね。でも企業と人間は違うよ。
イカ: 人間はガラス張りじゃないほうがいいの?
タコ: そうだよ。もし人間の心をガラス張りにしたら社会が崩壊するね。
イカ: そうかなぁ。でも心の中が見えなかったら相手の人を信頼していいかどうかわからないじゃない。ガラス張りのほうがいいと思うな。
タコ: 僕もガラス張りのほうがいいとは思うよ。ただ全部透明じゃ駄目だって言ってるんだ。
イカ: じゃぁ、見えないところが少しだけあればいいんだ。
タコ: うん。
イカ: どれくらい見えないところがあればいいの?
タコ: そうだなぁ…。ガラスに二箇所くらい濁ってる点があればいいかな。
イカ: 濁ってる点が二箇所だけでいいの?
タコ: 逆に言うとガラスは濁点が二箇所は必要なんだ。
イカ: どうして?
タコ: だって濁点を二つとると真っ黒になっちゃうから。
じゃ、また。
追伸:
イカ: 今日のオチ、わかりづらかったんじゃないかな。
タコ: ちょっとわかりづらかったかも…。
イカ: ガラスの「ガ」の濁点をとると「カ」になってそうすると「ガラス」が「カラス」になって「カラス」は真っ黒だから、つまり真っ黒で中が全く見えないってことだよね。
タコ: そうだけど、説明するとなんかシラケる…。
じゃ、じゃ、また。




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