<春になって思うこと>

pressココロ上




春だというのに寒い日が続いている東京です。先週の金曜日は毎年恒例のお花見に行ってきました。お正月のボーリング大会と今の時期のお花見は毎年欠かさず行っています。お花見は夫婦だけで行うのが通例ですが、今年も二人だけでお花見をしてきました。

しかし、寒さのせいで今年はお花見をしている人たちはほとんどいませんでした。本当に数える程度しかおらず、自分たちの好きな場所に座って心置きなく桜を眺めながらお弁当を食べることができました。とは言いつつも、お花もまだ五分咲きくらいで満開とは言えず、おそらく来週の半ばくらいが最高潮ではないでしょうか。

僕が夫として完璧でないのと同じように、奥さんも妻として完璧ではありません。そんな妻ですが、なぜかお花見に出かけるときのお弁当は完璧です。妻は掃除が苦手なようで部屋の中をきれいにするのには無頓着ですが、料理に関してだけはこだわりを持っています。「こだわる」と言うよりは「やりたい」気持ちが強いのだと思います。

例えば、3月3日のひな祭りの日は必ず“ ちらし寿司 ”が豪華に彩られます。娘はもう三十半ばですが、それでもひな祭りの日は毎年“ ちらし寿司 ”です。食べるのは僕と三十半ばの息子しかいませんが、それでも本格的な“ ちらし寿司 ”を作ります。結婚して三十数年経ちますが、一度も欠かしたことがありません。人間が生まれつき持っている性格は一生ついて回るようです。

車をコインパーキングに停め、お花見の場所へ歩いていますときにたまたますれ違った中年の男性がタバコを吸っていました。その姿を見て「懐かしさ」と「珍しさ」を感じたのですが、最近は街中でタバコを吸っている人をほとんど見かけなくなりました。都心のビジネス街はわかりませんが、僕が仕事も含めて生活している範囲内では喫煙する姿をほとんど見なくなっています。

そう言えば、先日なにかの記事で「喫煙率が3割を切っている」と書いてありました。僕も現在は非喫煙者ですが、喫煙者の割合は今後ますます低くなっていくのは間違いありません。なにしろタバコパッケージに「健康に害がある」と書いてあるほどですから、喫煙はやめるに越したことはありません。

現在のタバコを取り巻く状況を思うとき、自分がタバコをやめられて本当によかったと実感しています。それまでに幾度も禁煙に失敗していましたので、自分が禁煙できるとは思ってもみませんでした。毎回禁煙をしても最高で1週間、早いときは2日もすれば喫煙者に戻るのが常でした。ニコチンの誘惑に負けていたからです。

そんな僕が禁煙に成功したのはほんの些細な発想の転換でした。それは「喫煙願望は自分の願望ではない」ということです。それまで毎回禁煙に失敗していたのですが、心のどこかに「嗜好品の選択くらい自分で決めたい」という思いがあったように思います。堅い表見をするなら「自分をコントロールするのは自分でなければならない」という信念です。もしかしたなら、いい訳を探していたのかもしれませんが、とにかく失敗していました。

それがある日、なにかの拍子に「あれ?、タバコを吸いたい気持ちって自分の気持ちではないんじゃないか」と思ったのです。ニコチンが僕に「思わせている」と考えたのです。そうなりますと、「自分をコントロールしているのは、僕ではなくニコチン」になってしまいます。ニコチンに管理されている「自分が許せない」感じたのです。

その瞬間に、タバコをやめられました。…不思議です。それ以来タバコとは完全に縁を切っています。現在、喫煙者の皆さんが「自分の喫煙願望はあなたの気持ちではない」と気づくことを願っています。

春と言いますとお花見とともに花粉症の季節でもあります。数年前、僕は検査の結果「スギ花粉症」と診断されています。ですが、なぜか対応策を取る気持ちになれませんでした。花粉症が辛いのは鼻水と目のかゆみです。僕の場合は重症ではないようで、サラサラした鼻水は出ますが、目のかゆみはあまり感じません。ですので、花をなんどもかむことでやり過ごしてきましたが、鼻づまりがひどくなったときに花粉症についても真剣に考えるようになりました。

以前書いたことがありますが、5~6年前に鼻づまりがあまりに苦しくて病院めぐりをしたことがあります。ちょうど心臓の不整脈と同時期なのですが、心臓の手術をして落ち着いた頃から鼻づまりに真剣に取り組むことにしました。このときに病院めぐりをしたことで病院のレベルというものを知ることにもなりました。

最初に行った耳鼻咽喉科は3か所に開院している病院の1つでした。2人~4人の医師が交代で診察をしているようでしたが、院長先生以外はすべて女医の方でした。僕を診察した医師も女医の方だったのですが、僕からしますと「素人くささ」が残っている印象を受けました。今にして思いますと、このときの医師に大病院への推薦状を書かれたことが治療が長引き混迷する要因だったような気がします。

この女医さんは鼻の中にポリープを見つけただけで大騒ぎをしていました。まるで初めてポリープを見たかのように驚いていたのです。そして、大病院では最初の診察で慢性副鼻腔炎の手術を勧められることになったのです。治療費はなんと30万円と言われてしまいました。僕はすぐに返答はせずに、のらりくらりと返答をかわしながら担当医師が変わったところで一度治療を中断することにしました。

その後ネットなどで調べながら自分なりに対応策を探していたのですが、車で30分ほど離れた病院ではありましたが、僕の「大掛かりな手術をせずに治療したい」という要望を理解してくれた医師と出会うことができました。現在は、その病院に定期的に通院しながら納得できる治療に取り組んでいます。

最後になりますが、先週のニュースで最も印象に残ったのは萩原健一さん、通称ショーケンさんが亡くなったことです。僕の年代の方々で知らない人はいないと思いますが、それほど印象が強い俳優さんでした。元々はバンドのボーカルでしたが、ブームが去ったあとに俳優になっています。現在でもバンドなどでボーカルを務めていた人が俳優になる例がありますが。その草分け的な方でした。

「太陽にほえろ!」では新米刑事の役を好演し、最終回に衝撃的な死に方をするのですが、その後の新人刑事の殉職シーンの方向性を決めた名シーンでした。それを引き継いだのが松田優作さんです。松田さんの最終回の演技はショーケンさんに劣らぬ衝撃を当時の若者に与えました。ショーケンさんが生み出して松田さんが決定づけた最終回の終わり方でした。

明日は新元号が発表されますが、平成が終わろうとする今の時期に昭和を代表する芸能人の方々の訃報が続いています。平成が終わってしまうことで、「昭和が遠くになりにけり」と感じてしまう僕です。

じゃ、また。




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