<デジタルトランスフォーメーション>

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一時期「デジタルトランスフォーメーション」という言葉を頻繁に耳にしていましたが、最近は大分落ち着いてきた感があります。この言葉が出始めた頃、元スマップの稲垣吾郎さんが出演する、「DX」を「デラックス」と言いながら知ったかぶりを発揮するCMが流れていました。意識高い系のビジネスマンを揶揄するとても面白いCMでしたが、見方を変えるなら「IT業界を知ったかぶりする」のは、いつの時代においても揶揄の対象となることを示しているとも言えそうです。

ちなみに、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を辞書で調べますと『進化したデジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革すること』と説明してあります。

僕は基本的に金曜日をお休みにしているのですが、朝はNHKの「あさイチ」という情報番組を見ています。この番組には毎回いろいろなゲストを招いてお話を聞く「プレミアトーク」というコーナーがあります。先週は86才という高齢でありながらプログラマーとして活動している若宮正子さんという女性が出演していました。

若宮さんはIT業界最大級のイベント「世界開発者会議」に特別招待されたことで一躍有名になった方ですが、アップル社CEOティム・クック氏と言葉を交わしている映像が流れていました。特別招待された理由は、「86才と高齢でありながら『ひなだん』というアプリを開発したのが、クック氏の目に留まったから」という触れ込みでした。

しかし、その映像の中でクック氏が「アプリは幾つ作ったのですか?」と質問していたのですが、その会話から実はクック氏は若宮さんについてあまり知らないことが見て取れました。それにもかかわらず「クック氏の目に留まった」と公表していたことから想像しますと、おそらくアップル社のマーケッティング担当部署の人たちが、広告のために若宮さんを利用したように想像します。

クック氏の質問に対して、「一つ」という若宮さんの答えを聞いたときのクック氏の驚いたような表情がそれを物語っていました。それはともかく「一つ」であろうが86才にしてプログラムを書けることは尊敬に値することです。なにしろ、僕はこれまでプログラムを作ってみたいと思いながら幾度も挫折してきています。

思い起こせば、最初に「プログラムを作ってみたい」と思ったのは今から8~9年前です。若宮さんからしますと子供の年齢くらいの57才~58才くらいでしたが、それからずっと挫折を繰り返していることになります。僕はいろいろな挫折を経験していますが、その中で最も多い挫折は、、、そうです。「禁煙」です。

「禁煙」は30才過ぎあたりから頭の中をよぎるようになったのですが、挑戦しては失敗を繰り返していました。何度挫折したかは忘れてしまいましたが、少なくとも10回以上は挑戦していると思います。僕が禁煙に成功したのは2010年ですが、それ以来非喫煙者になっています。

「禁煙」した年を正確に書けるのはコラムに書いていたからですが、これもコラムの効用かもしれません。「禁煙する前に」というコラムを「する前にシリーズ」に書いていますが、僕が禁煙できたのは、なんと言っても精神的な要因が大きいのです。というよりは「精神的要因のみ」と言っても過言ではありません。病院に通ったわけでも、なにかしらの器具・道具を使ったわけでも、禁煙指南本を読んだからありません。ただ「自分が吸いたいと思っているのではなく、タバコ(ニコチン)に思わされている」と理解・納得したことに尽きます。

たったそれだけのことで禁煙に成功したのですが、人間がいかに精神的なものに影響を受けているかを身をもって証明したことになります。禁煙は成功することができたのですが、プログラミングは現在も挫折したままになっています。

僕は文科系の人間ですので、プログラミングの「プ」の字も知りませんでした。ですから、基本的な知識がありません。プログラミングに挑戦するにあたって、素人が最初にぶち当たる壁は「どの言語を学べばよいのか?」です。基本的知識が皆無なのですから当然です。そこでいろいろと調べながら、最初に挑戦したのが「C言語」でした。ですが、恥ずかしながら出だしのところで、つっかえてしまい、挫折することとなりました。

このようにして、最初のプログラミング勉強に挫折したのですが、不思議としばらくすると「また、やってみたい」と思うようになります。「禁煙」もそうでしたが、僕はあきらめが悪いところがあるようです。それから、なにかのきっかけがある度にプログラミングに挑戦する気持ちになっていくのですが、まだ成功していないままの状況です。

そんな僕ですが、いろいろな失敗を繰り返しながら現在は「Kotlin」というandroid用の言語に挑んでいる最中です。「最中」とは言いながら半分挫折しかけていますが、この言語を選んだのはスマホで作りたいアプリがあるからです。ですが、実際に作れるのはいつになるのやら、自分でもわかりません。しかし、若宮さんは86才で作ったのですから、あきらめずに頑張りたいと思っています。

僕が性懲りもなく、プログラミングに挑戦したいと思っているのは、いろいろな状況・場面で「もっと効率を上げたい」「改善したい」と思うことが多いからです。それを可能にするのが「DX」だと思っています。実は、プログラミングを作りたいと思うような状況に遭遇し、ネットで調べますと、ほとんどのアプリが既に作られていることが多々あります。しかも、ほとんどが広告があるとはいえ無料です。その意味で言いますと、本当に便利な時代になっていることを実感します。

「DX」関連で、最近僕が感動したのはインターネットテレビです。僕はパソコンでアマゾンプライムとかYouTubeを見ることが多いのですが、妻にも見せたいと思うことが多々ありました。しかし、パソコンでは画面が小さいので二人で見るには狭苦しく感じます。そこで「テレビでも見れないものか」と調べたところ、wifi機能を使いテレビで見られることがわかりました。

そうしたことを調べていく中で、大発見をしました。それはなんと、パソコンと接続しなくともテレビで直接アマゾンプライムとかYouTubeインターネットなどが見られることでした。現在のテレビは昨年の12月に買ったものですが、それまでのテレビが壊れたことが理由でした。壊れた日にすぐに近くの家電量販店に行き、広告の品になっていたテレビです。

基本的に、僕はテレビをあまり見ませんので、機能などあまり興味がなく、ただ「普通に映ればいい」程度の気持ちでテレビを選んでいました。ところが、機能を調べていきますと、なんとほとんどのネットが見られることがわかったのです。そのときの感動はすごいものがありました。

確か、最初にセッティングするときに、「android」という文字が出てきたことをうっすらと覚えていますが、要はスマホと同じOSで動いていることになります。以来、毎週1回妻とのアマゾンプライム鑑賞大会を開催しています。

そして、今取り組んでいるのが、無料で使える「libreoffice」というソフトを使って住所録を作り宛名の印刷をすることです。「libreoffice」にはcalcという表計算ソフトとwriterというワープロソフトが入っているのですが、この2つを連携して住所録を作成しています。

「パソコンあるある」でよく言われることですが、ネットで情報を調べようとしても根本的な状況が少しばかり違っていて的確な解答にたどり着けないことがあります。

的確な解答にたどり着くのに困難なことが、つまづいたり挫折するきっかけになることはよくあることです。僕が「プログラミング言語」で挫折するのもそれが原因です。ネットや市販されている書籍の説明どおりにやろうとしても、そもそもの状況が違っていることが多々あるのです。言い訳がましいですが、それが障害となり挫折してしまいます。

うまく解答にたどり着けないときは、ついイライラして袋小路にはまり込むことがありますが、そうした精神状態では、さらに解答から離れることになります。そうしたことを避けるために、ときには一旦引き下がる意図で時間を置くことがよい結果を生むことがあります。実際、そうすることでパソコンの問題を解決したことがあります。

このように「時間を置く」ことが解決への道筋になることがあるのですが、それを教えてくれたのは妻との結婚生活でした。なので、妻に感謝。

じゃ、また。




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