<仕切り直し>

pressココロ上




僕はかれこれ15年以上週1回のペースでコラムを書いていますが、毎回書きはじめるときに悩むというか、困るというか、注意というか、意識をしていることがあります。それは内容の重複です。先月アイデアをメモする方法を書きましたが、コラムのテーマについても同様です。不思議と身体を動かしていますと、突然頭の中にコラムで書きたいテーマが浮かんでくることがあります。それもかなりの頻度で。そうしたときは忘れないようにすぐにスマホにメモをとります。

メモアプリにコラム専用のカテゴリーを作っていますので、そこに書き留めているのですが、このようにしていきますと、自ずとある程度の数が溜まっていきます。コラムを書く際はその中から選び、書き終えたテーマには「済」の文字を記して区別をしています。ですが、ときたま「済」を書くのを忘れることがあります。

「済」を書くのを忘れたとしても、記憶に残っているときは問題はありません。しかし、困るのは「書いたかどうか」が曖昧なときです。しかし、今のPCは本当に便利になっており、一瞬にして調べることができます。例えば、「目玉焼き」について過去に書いたことがあるかを調べるのも一瞬です。コラムのサイトの「検索の窓」に「目玉焼き」と書いてクリックするだけです。たったこれだけで膨大な数のコラムの中から「目玉焼き」という単語が含まれているコラムを探してくれます。

実は、今週のテーマもこのようにして調べました。そうしますと、悲しいことに少し前に書いていたことがわかりましたので、却下することにしました。つまり、今週のコラムは書き直していることになるのですが、要するに、手間暇かけて今週のコラムを書いていることを訴えたくて、ここまでの文章を書きました。(~_~;)

やはり、伝えること、訴えることはとても大切で、とにかく自分の状況なり心の中なりを周りに知ってもらわなくては自分の評価を高くしてもらうことはできません。評価が正しいかどうかは別にして、評価の種になるものを周りに訴えることは自分の評価を高めるためにはとても重要です。

先に「評価が正しいかどうかを別にして」と書きましたが、実際は大問題です。米国を見ていますと、それがよくわかります。あれだけ国内と世界を分断・混乱させたトランプ氏ですが、そのトランプ氏の支持率がまだ高いそうです。フェイクニュースを堂々と垂れ流し支持者を煽るような人物が大統領にまで上りつめられたのは、米国民の「評価の仕方」が正しくなかったからです。現在でもトランプ氏を支持する人たちがそれなりの割合でいる状況を見ていますと、米国の民主主義の難しさが伝わってきます。

近年で、米国でのアジア人差別に接したのは、昨年ニューヨークで日本人ジャズピアニストが暴行を受けたニュースでした。ラジオで当人が直接答えているインタビューを聴きましたが、衆人環視の中で若者に集団で暴行されたそうですから、恐怖以外のなにものでもありません。

そうかと思うと、先日見たYouTubeで流れていた米国のドッキリ番組は米国の正義を印象づける内容でした。ドッキリの仕掛けは、レストランで白人の子供が黒人の子供に対してあからさまに差別的いじめ・嫌がらせをしていたときに、周りの大人たちはどのような対応をとるか、という内容でした。

ドッキリを仕掛けているケースが幾つかありましたが、どのケースにおいても白人の子供を諫め、黒人の子供をフォローしている大人(白人です)の方がいました。米国民主主義の底力・力強さを感じさせる結果になっていました。

同じドッキリ番組で、貧しさのせいで子供におもちゃを買ってあげられない母子に遭遇したときに、その光景を見た大人はどうするか、という仕掛けも放映されていました。このときもたまたま近くにいた大人(白人の男性)が代わりに支払っていたのですが、やはり米国民主主義の素晴らしさを感じました。

また、ドッキリではありませんが、あるレストランで食事をしている中国人の家族に対して差別的な言動をする白人男性に対して、怒りを露わにし退店を求める女性従業員の映像も流れていました。差別を受けていた中国人家族のひとりがスマホの動画で撮影していたようですが、弱者の側に立つ女性従業員の姿勢には感動以外のなにものもありません。

このように僕は動画を見て感動したのですが、このあとにちょっと引っかかる動画にも出会ってしまいました。それは、中国人家族が差別された動画ですが、この動画に少し手を加え、趣も少し変更されている動画を見たからです。簡単に言ってしまいますと、動画が複製されていたことになりますが、おそらく感動動画の人気にあやかって真似をした動画だと思います。他人の動画を勝手に真似して作ったのですから、あきらかに違反でしょう。

先日、「ファスト映画」の違法性について報じるニュースがありましたが、実は僕もときたま見ていました。「ファスト映画」とは「映画本編を15分くらいに短くまとめた映画」のことですが、ニュースを見るまでは「違法性」を意識したことがありませんでした。

ニュースによりますとそうしたサイトは50サイト以上あるそうです。一般的に映画には予告編がありますが、僕は「ファスト映画」を「予告編の延長」と思っていました。しかし、言われてみますと、勝手にまとめてネタバレまでするのですから映画本編の売上げを妨害していることになります。これだけ大きく報じられますと、おそらく今後は「ファスト映画」のサイトはなくなるのではないでしょうか。

ちなみに、書籍においても「ファスト映画」と似たような「要約サイト」があるのですが、「要約サイト」の場合は、きちんと出版社の許可をとっているそうです。

僕が「ファスト映画」を違法と感じなかったのは、「予告編の延長」と思い違いしたからですが、予告編の目的は映画の周知、つまり宣伝・広告です。どんなに素晴らしい映画であろうとも映画の存在を世間に知ってもらわなければ評価云々の話ではありません。

このように、世の中に自分の状況なり心の中を知ってもらうことはとても重要なことです。だからこそ告知された内容について、受けての側は慎重に吟味する必要があります。トランプ氏が当選したのも、フェイクニュースを堂々と報じることができたのも、告知された内容を慎重に吟味していないからです。

翻って日本の政治はどうでしょうか。上辺だけの主義主張に操られていることはないでしょうか。お涙頂戴の感情に訴えるやり方は、大衆を動かす際の常套手段です。政治は感情で左右されてはいけないものです。政治家の本当の姿を想像して一票を投じましょう。

本日、東京では「都議会議員選挙」の投票日です。

じゃ、また。




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