<ITとタイミング>

pressココロ上




昨日が最終回だったのですが、僕はNHKで放送されていた「17才の帝国」(全5回)というドラマを楽しみにしていました。毎週土曜の午後10時からの放送だったのですが、この枠は結構面白いドラマが多く、タイミングが合うときは見ていました。「タイミング」とはたまたまなにかのきっかけで“面白そう”と感じるドラマと出会うことです。どんなに面白く内容的にも魅力があったとしても、出会わなければ「タイミング」は生まれません。また、出会ったときにその魅力を感じることができる感性になっている“僕”であることも必要です。この両方が重なって初めて「タイミングが合う」状況となります。これはまさに運としか言いようがありません。

すぐに思い出せるのは2014年に放送された浅野忠信さん主演の「探偵ドラマ」、最近ですと、江口洋介さん主演の「老人のお話」などです。今回記事を書くにあたってネットで確認したのですが、江口さん主演のドラマは2020年放送と、もう2年も経っているのには驚きました。つい先日のように思っていましたので昨年の終わりくらいかと思っていました。

そのドラマには志尊淳さんという若い俳優さんが出ていたのですが、当時は「売れっ子」の一人としていろいろな番組に出演していたように思います。しかし、なにかの病気でしばらく活動を控えなければいけなくなったのですが、ちょうど、「これから頑張るぞ」という重要な時期での病気でしたので、本人は悔しい思いをしたのではないでしょうか。しかし、最近はまたCMなどで見かけるようになっていますので安心しています。志尊さんは幼少期にかなり苦労したような記事を読んだことがありましたので、特に気になっていた若手俳優さんでした。

同じように「これから売れそう」というタイミングでの発病という点で、気になっている俳優さんがあと一人います。広瀬すずさん主演の朝ドラ「夏空」に出演していた清原翔さんです。このドラマで存在を知り、以来いろいろなところで見かけるようになり、「これからブレイクするんだろうな」と思っていた矢先に病に倒られてしまいました。

「絶対に、売れてやるぞ!」というようなガツガツとしたところがなく、鷹揚とした雰囲気のある俳優さんでしたので、不運も受け入れていけそうな感じを持っています。ですが、それでもやはりタイミングがタイミングなときだっただけに「悔しいだろうな」と勝手に想像しています。しかし、芸能界で生き残っているレジェンドと言われる人たちのインタビュー記事などを読んでいますと、「若い頃に運が悪かったことが今の自分の糧になっている」などと振り返っている人も多いので、清原さんも腐らずに頑張ってほしいと思います。

さて、昨日終わってしまった「17才の帝国」ですが、たまたま第2話のはじまりを見るタイミングがあり、そのまま引き込まれたのがはじまりです。タイトルから受けた印象は「漫画が原作かな」でしたが、調べたところオリジナル脚本でした。しかし、脚本を書いている方はこれまでに有名なアニメを手がけてきた吉田玲子さんという方だそうですので、僕が感じた印象もあながち間違いではないようです。

主演は神尾楓珠さんという目力のある若手イケメン俳優さんですが、見事にはまっていました。もちろん演技力もありますが、それ以前にキャスティングをしたプロデューサーの眼力に感嘆しています。神尾さんはボートレースのCMに坊主頭で出演していましたのでご存じの方も多いでしょう。先日は鶴瓶さんの「A-studio」にも出演していましたが、その受け答えを聞いていますと、とても好感でブレイク必至と予想します。若手の方がブレイクするには容姿も大切ですが、人間味がそれにも増して重要です。芸能界にはイケメンが腐るほどいるのですから、その中から抜け出るにはつまるところ人間性といっても過言ではないでしょう。

先ほど紹介しました朝ドラ「夏空」には主人公の幼なじみとして吉沢亮さんが出演していました。吉沢さんはこの役をきっかけに大河の主演も務めていますが、先日その吉沢さんがブレイクする前に主演した「AWAKE」という映画を観ました。この映画は将棋の世界を描いた作品ですが、将棋の世界も芸能界と同様、「地元で天才」と言われていた神童たちが集まりさらに競争に明け暮れる世界です。

将棋界を芸能界同様と書きますと、少しばかり違和感があるかもしれませんが、芸能界に入る若い男女は全員、素人の世界では「並外れた容姿の持ち主」として知られているケースがほとんどです。そうした若い子たちの中でさらに活躍できた人だけがタレントや俳優として生き残っていくことができます。

将棋の世界では「棋士になるのは、東大に入るより難しい」と言われているそうです。先月「地元じゃ負け知らず」というコラムを書きましたが、将棋の世界はまさに「地元じゃ負け知らず」の天才少年たちが集まる世界です。

以前「聖の青春」という本を読んだことがあり、後年松山ケンイチさん主演で映画化もされていますが、破天荒な生き方をするくらい才能に満ち溢れている人が棋士を目指すのだと思ったものです。それを思うとき、今大活躍している藤井聡太さんの凄さを思わずにはいられません。いったい、どのような脳の構造になっているのでしょう。

実は、「17才の帝国」の第2話を見たあと、第3話を見るのを忘れていました。思い出したのは翌々日の月曜日だったのですが、今の時代は本当に便利な世の中になっています。見逃したテレビをなんの苦も無く見ることができます。

僕は「NHKプラス」というNHKのサービスを利用しているのですが、これは本当に役に立ちます。簡単に説明しますと「NHKで放送された番組をPCやスマホで1週間以内なら、いつでも見ることができる」サービスです。登録するだけで追加費用もなく利用できますので、ご存じでない方は是非ご利用することをおすすめします。

昔ですと、見逃したテレビ番組をあとから見ることはできませんでした。再放送がある場合もありましたが、それも時間が決まっていましたので限界があります。そうした状況で見たい番組を見るには録画をするしかなく、最初にビデオレコーダーができ、Blu-ray DiscやDVDができ、ハードディスクができ、と進化してきました。しかし、僕に関して言いますと、わざわざ「録画する」という行為が面倒で、ついつい「見逃し」をそのままにすることが多々ありました。そうやってタイミングを失うのが普通でした。

ですので「NHKプラス」のように、あとから見ることができるサービスほどうれしいことはありません。しかし、僕が実感している一番のメリットは複数台の端末(1契約で5台まで)で見られることです。僕はデスクトップとノートPC、そしてスマホ、さらに購入してから大分後に知ったのですが、我が家のテレビは、なんとインターネットが使えるのでした。

我が家のテレビでインターネットが見られることを知るに至った過程については、昨年コラムで書きましたので省略しますが、実は今年の3月まではインターネットテレビでは「NHKプラス」を見ることができませんでした。ですので、3月までは「NHKプラス」をテレビ画面で見るには、スマホからテレビに飛ばすための一手間をかける必要がありました。ですが、一つ問題がありまして、それは声が遅延することです。人によっては微妙くらいな遅さかもしれませんが、僕は気になって仕方ありませんでした。ですので、スマホからテレビに飛ばす方法はとっていなかったのですが、4月からは気にすることなくNHKプラスを見ることができています。

ITの発達によって、世の中はどんどん便利になっていますが、その恩恵を受けるに至るにはタイミングが関係してきます。例えば便利なツールを使う状況になったり、使いたい気持ちになる出来事があって初めてITの便利さを受け入れるようになります。

「17才の帝国」はITと人間の関係性がテーマだったのですが、どんなに便利なものでも、それを実際に使う状況になり、実感することができなければ社会に普及することはありません。昔から「食わず嫌い」という言葉がありますが、まさにそれです。また「時代が早かった」などという言葉もありますが、サービスを提供する側、受ける側の両方のタイミングが合うことが最も大切です。

ちなみに、僕は妻と出会うタイミングはピッタシでした。
ジャンジャン。(^_-)-☆

じゃ、また。




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