<100-99=100>

pressココロ上




 私は喫煙者です。一日に20本ほど吸います。今までに禁煙したことは幾度もありますが同じ数だけ失敗しています。現代では喫煙は周りの人に迷惑をかけることになりますので心苦しく思っています。
 喫煙をやめられない私としてはせめて「ポイ捨て」だけはしないように心がけています。携帯灰皿は持ち歩いていますし街中で灰皿を置いてある場所は把握しています。よく利用するのはコンビニの入り口に置いてある灰皿です。
 先週、いつも捨てさせてもらっていたコンビニの灰皿が撤去されていました。「あれっ?」と店内を見ますと店そのものが撤去していました。そこの灰皿は二日前にも利用しましたのでわずか一日で撤退を完了したことになります。店内は什器や設備なども全くありませんでしたので撤去作業の早さに感心しました。本部にとっては撤退することなど朝飯前なようです。
 今までにもコンビニが撤退した場面に何度か出くわしていますが、いつも不思議に思うことがあります。利用者や通行人としてそのコンビニを見る限りはお客は結構入っているように思えることです。つまり売上げはある程度確保できていると考えられます。また、私はラーメン店の出店経験もありますので立地についても全くの素人ではないつもりです。そんな私の目から見てもそれほど悪い立地環境ではない、と思える場所のコンビニでも撤退しています。外から見るのと実状は全く一致しないようです。
 同じ意味で最近驚かされた経済記事がありました。記事によりますと「マクドナルドはFC加盟店のロイヤリティがなければ赤字に転落していた」そうです。これでは本末転倒です。本来、FC制度は「儲かるシステム」を加盟店に販売することが本部の役割のはずです。ところがマックの現状は「儲かるシステム」ではなく「儲からないシステム」を販売して利益を得ていたことになります。FCの影の部分が表面化したと言わざるを得ません。
 マックの場合は加盟店のほとんどが元社員ということですのでまだ救われる部分もあります。社員としての経験がありますから加盟店になるかどうかを判断する基礎ができているからです。基礎があるかどうかはFC加盟後に成功するか失敗するかを判断する要因となりますので大きな意味を持っています。
 また、マックの直営店割合は7割と書いてありましたが、直営店割合が高いことはFC本部の正確な実体を表すことに寄与します。この点においてマックは健全と言えます。仮に直営店が一店舗の場合、本部のやり方が正しいかどうか判断できません。例え繁盛しているとしてももしかすると偶然にすぎない可能性もあります。その証拠としてファーストフード店にしろコンビニ店にしろ利益を上げている店と赤字の店が混在しています。直営店が、たまたま利益を上げられる要素が強い条件で営業していたとも考えられるのです。FC本部の実体を知るには直営店割合は欠かせない要素です。
 今週紹介しています「フランチャイズ・バイブル」はアメリカのフランチャイズシステムについて書いてあります。日本とアメリカの一番の違いは加盟店保護ではないかと思います。日本のFC制度はあまりにも本部寄りであるという印象を持ちます。日本でFC制度ができて20年以上過ぎますが加盟店の弱い立場は改まっていないように感じられます。やはりFC協会会長が官僚の天下り先になっていることが影響しているのでしょうか。
 サービス業においてはお客様にたった一度でも不愉快な思いをさせたならその会社の評価は「0」になると言われています。
「100-1=0」とは有名な言葉です。
 禁煙に挑戦し失敗することは100回挑戦して100回失敗することですから
「100-100=0」
となります。しかし失敗が一度でも少なければ禁煙は成功したことになります。
「100-99=100」
なのです。わかってはいるのですが、これがなかなか難しい…。
 話は少し逸れます。
 元東京電力会長の平岩外四氏は経団連会長も務めた方ですが、氏は勝負に勝つときは「8勝7敗がよろしい」と話していました。勝ちすぎはその後にあまりよい影響を与えない、ということでしょうか。ホリエモン氏は逮捕されましたし先週は村上ファンドの村上氏もインサイダー取引で騒がれています。勝ちすぎはよくないことなのかもしれません。
 人は「失敗する」と落ち込みます。これは禁煙に限らず受験や脱サラなど挑戦したときは誰でも同じです。失敗は嫌ですよね。したくないですよね。どうしても失敗したくないとき方法は一つしかありません。それは「挑戦しない」ことです。これしかありません。
 もうすぐ煙草が値上げをしますが、僕は値上げを期に禁煙しようと思っています。
 じゃ、また。




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