<角を曲がると…>

pressココロ上




 最近目立つのが飲酒運転による事故の報道です。本来は取り締まる側である警察関係の人や飲酒運転撲滅を呼びかけている公務員の人などが逮捕されているのをみますと飲酒運転を完全になくすのはかなり難しいような気がします。お酒が好きな人たちは軽い気持ちでやっているのでしょうが、お酒が入るとやはり運動能力が落ちますので絶対にお酒を飲んだら運転しないようにしてほしいものです。
 飲酒運転は絶対やってはいけませんが、もし飲酒運転で事故起こした場合自動車保険が使えるかどうかは気なるところです。詳しくは調べていただくとして大まかに言いますと、被害者保護の観点から対人・対物賠償責任保険については、飲酒による事故であっても被害者に対する保険金が支払われることになっています。
 数年前、ベテラン俳優が自動車事故で老人を死亡させたことがありました。そのときの憔悴ぶりは尋常ではありませんでした。どんな理由であれ人を殺めて正常でいられるはずがありません。いくら対人賠償保険金がおりると言っても人生を狂わせるのは間違いありません。皆さん、「飲んだら乗るな」を徹底させましょう。
 飲酒運転をしてしまう人は「少しくらいの量なら普通に運転できる」と思っているようです。つまり先を予想していることになります。まっすぐな道ならば先を見通せますから先を予想する確立は高くなります。しかし角を曲がらなければいけないときは予想することは困難です。
 ある日、大きなマンションの塀づたいを歩いていました。塀は左に曲がっていたのですが、その曲がり角1メートルくらい手前で「あることを思い出しメモをしよう」と立ち止まりました。手帳を取り出し書き始めるとなにかが臭ってきました。決して「よい臭い」ではなく「汚い臭い」といった感じです。私は周りを見渡しました。清掃車が発する臭いに似ていたからです。しかし周りには清掃車どころかそうした臭いを発しそうなものは見当たりませんでした。
 そこで私は思いました。もしかしたら「自分の肉体から出たガス」ではないかと…。自分でも気がつかないうちに出している可能性もあります。立派な中年ですのでその可能性は充分あります。
「なんか自分が情けないなぁ」
と思いながら歩き始め角を曲がると臭いの原因がわかりました。飼い主に連れられた小さな犬が大を用足していたのです。角を曲がった先は曲がってみなければ予想することもできません。
 飲酒運転の凶悪さが指摘されるに従い、飲酒運転者の周りの人たちへの影響も広がりつつあります。運転者がお酒を飲んでいることを知りながら同乗していたなら同乗者の責任も問われるようになってきています。また、お酒を提供した飲食店も同様です。
 前に「駐車禁止の強化取締りで廃業に追い込まれた店」の新聞投稿を紹介しましたが、今回の影響も大きいでしょう。大きなチェーン店はバスをチャーターしたり運転代行をサービスしたりしているようですが、個人店ではコスト的に不可能です。私としてはこうした小さなお店の将来に思いを馳せてしまいます。
 飲酒運転に対して厳しくなっている現在の流れは数年前には予想できませんでした。その数年前以前に脱サラし飲食店を開業した人たちにとっては急に曲がり角を曲がらざるを得なくなったことを意味します。それまでは先を見据え将来の売上げを上げるべくいろいろな方策を考えていたはずです。しかしその先に進むことができず曲がらざるを得ないのですから不安はつきないでしょう。
 普通に考えて、曲がる頻度が少ないならしばらくはまっすぐに進めるのですから渦巻状にでも前に進むことはできます。しかし曲がる頻度が多いなら壁に突き当たってしまい先に進めないどころか袋小路に陥ってしまいます。
「小さなお店は大変だよなぁ…」
 そんなことを考えていたところ「なるほど」と思わせる文章を読みました。
「人生は2次元でなく3次元で考えるのだ」
 確かに3次元で考えるならいくら曲がる頻度が多かろうが上に進むのですから壁に突き当たることはありません。やはり賢人はいいことを言います。
 そうは言いましても角を曲がるということは先を見通せないことですから不安があることに変わりはありません。
 そういうときせめてヒントがあれば助かります。私はマンションの塀の角で立ち止まったときに「汚い臭い」を感じたわけですが、もし私のような感性の鈍い人間でなく感性の鋭い人だったなら曲がった先を予想できたかもしれません。「汚い臭い」は大きなヒントになりうるのです。
 この例を教訓にするなら、曲がり角のような先の見通せない場所ではその先にはできるだけ「汚い臭い」がするものがあったほうがよいことになります。皆さん、曲がり角に差し掛かったなら曲がった先にはできるだけ「汚い臭い」がするものがあることを願っていましょう。
 僕の言ってることって間違ってないですよね!
「ウン」
 じゃ、また。

紙.gifジャーック!




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