<疑惑>

pressココロ上




 実は、昨年はじめからずっと疑っていることがあります。疑ってはいるのですが、証拠がないので確定はできていません。僕の思い過ごしの可能性もあります。でも先々週の放送内容をみて確信に近いものは感じました。うん…。
 毎週金曜深夜にTBSでは「R30」という番組を放映しています。この「ココロ」でも幾度か紹介していますが、僕が気に入っている番組の一つです。僕がずっと疑惑を思っていたのはこの番組に出演するゲストや番組内のコーナーで取り上げられる人選についてでした。
 僕は、自HPで本を紹介するコーナーを作っていますが、そこで紹介する本は「ビジネスに関連する本」か「個人の自伝のような本」、と偏っています。小説やベストセラーといった本はほとんど紹介していません。よく売れている本やまたは売れそうな本はいくらでも一般の人の目に触れる機会がある、と思っているからです。僕が紹介したい本はあまり一般の人に知られそうもなく、そして魅力的な本です。
 ビジネス本では「昔も似たような本があったよなぁ」とか「二匹目のドジョウを狙っているなぁ」とか「売れた本の焼き直し」と感じた本は避けるようにしています。個人の自伝本においては「ブームになっている人物」や「宣伝」と思われる本も避けています。基本的に僕のHPは「敗者」をキーワードにしていますので成功者よりは失敗者を、そしてブームでない人たちの自伝本を紹介するように努めています。
 今回僕が疑惑を感じたのは、僕が紹介した人たちについてでした。R30に出演するゲストまたは取り上げられる人たちが、僕が以前に紹介した自伝本の人たちと重なることでした。まるで僕が紹介したあとを追うように…。
 世の中には同じようなことに関心を持ち同じようなことを考える人間がいても不思議ではありません。しかしあまりに人選が重なると疑いたくもなります。一人や二人なら偶然ということもあるでしょうが、こう何人もつづくと…。
 僕は先々週取り上げられた「元ヤクザの牧師」を見て妻に言いました。
「R30の関係者、絶対オレのHP見てるよ」
 お店をやっていますと、お客様とトラブルになることもあります。
 お店と言ってもテイクアウトの店ですので広さは屋台をちょっと大きくした程度です。このようなちっぽけな店ですので、お客様から申し出がない限りレシートは発行していません。
 ある日のことです。
 その数分前までお客様が続きやっと一段落して妻と立っていました。すると二十前後の男性が二人勢いよく店頭に来ました。そしてやおらに強い口調で文句を言いました。
「さっき買ったのに○○が足りなかったよ!」
 私と妻は顔を見合わせました。その数分前に買いに来たお客様であることは記憶にありました。直接対応したのは妻ですが、妻も記憶しているのは顔の表情でわかりました。私はすぐに謝罪し足りなかった品物を渡しました。男性は帰り際に最初に文句を言ったとき以上に声を荒げ怒鳴りました。
「こっちは寒いんだよ!気をつけろ!」
 私たちが落ち込んだのは言うまでもありません。
 男性が帰ったあとしばらくすると妻が思い出したように話し出しました。
「あの人、○○は注文しなかった」
 その男性は注文時、○○とは言ったものの途中で変更して違うものを注文した、と妻は言いました。妻は男性の勢いに圧倒されそのときは思い出せなかったそうです。つまり○○の分のお金はもらっていなかったのです。妻は言いました。
「ああ、損した…」
 また違うある日。
 40才くらいのお母さんが中学生くらいの女の子と一緒にやってきました。お母さんの手には当店で買った袋が見えました。女の子はその数分前に買いにきていました。「たくさん買っていた」ことと「メモを見ながら注文していた」ので印象に残っていたのです。
 お母さんは申し訳なさそうに袋の中身を見せながら話し始めました。
「すみません。先ほど娘が買いにきたんですけど△△が入ってないみたいなんですよ」
 お母さんは娘さんが持ち帰ったお釣りの金額と品物の数を確認してほしい、と言いました。妻は袋の中身を計算しお釣りを算出してお母さんに示しました。お母さんは娘に言いました。
「あなた、お釣りはいくらだったの?」
 娘さんは口をモゴモゴ動かせていました。
 この時点で私はお母さんにやんわりと言いました。
「申し訳ありません。レシートを発行していないこちらのミスですので△△をお渡しすることでご容赦いただけますか?」
 どんな業種であれ、少額商品の場合、販売したものが正しい数量もしくは正しく商品が入っていたかを証明することは困難です。購入者の思い違いである可能性もあります。もしそのときに販売者側が「間違いなく渡した」と主張した場合、言い争いになってしまいます。そしてもしかしたら言い争いに勝てるかもしれません。しかし販売者側は言い争いに勝ってもなんの意味もありません。このとき販売者側にとって最も大切なことは「勝つ」ことではなく「丸く収める」ことだからです。決して疑惑を感じても表に出してはいけないのです。
 僕は思うんですよね…。僕たち夫婦が数量や種類を間違ったにも関わらずなにも言いに来ないお客様も必ずいるって…。
 もし僕の疑惑どおりにR30の関係者の方が僕のHPを参考にしているなら…。参考にしているあなた是非ご一報ください。
 あっ、疑惑は表に出しちゃいけないんだ…。
 じゃ、また。

紙.gifジャーック!




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