<お~い、正社員>

pressココロ上




 あけましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願い申し上げます。
 今年、最初の<私のココロ>です。今年も生きて行く中で日々感じた自分の思いを徒然なるままに綴って参りたいと思います。どうかおつきあいください。
 皆さんの年末年始の連休はなん日くらいだったのでしょうか? 暦の関係で6連休の方が多いのではないでしょうか? 僕は31日まで営業していましたので1日~3日の3連休でした。個人商店としては休業は即収入減を意味しますので気楽に連休するわけにもいきません。特に昨年は売上げ減が顕著でしたので営業せざるを得なかったというのが真相です。
 コロッケを販売している身としては「景気は右肩下がり」という実感ですが、皆さんのお仕事の調子はいかかでしょう…。
 当店に関して言いますとお客様、特に主婦の方の来店頻度が減少しました。当店で買うよりは冷凍品を買ったほうが家計的に安上がりであることは間違いありません。最近ではどこのスーパーでも冷凍食品の3~4割引は当たり前になっていますし、中には5割引のスーパーもあります。そういうお店でコロッケを買うなら1個18円~40円で買えるわけです。当店で買うなら揚げてあるとは言え1個60円~150円しますから家計を預かる主婦の皆さんが当店で買う回数を減らしても不思議ではありません。このような状況ですので僕の感覚では景気は落ちていると感じています。
 新聞などマスコミでは昨年末のボーナスは「昨年よりアップ」と報じられていましたが、それも大企業に限られているのではないでしょうか。企業間の格差、それが個人間の格差につながり格差社会は確実に進行しているように思います。果たしてこの傾向は今年も続くのか、それとも方向転換されるのか。政治をしっかりと見守っていきたいと思います。
 年末のある夜、仕事を終え帰宅途中のことです。駅から自転車で走っていますと交差点でたまたま赤信号になりました。仕方なく車の流れを見ていましたが、既に年末休みに入っている会社も多いようで道路を走る車の台数もまばらでした。
 今までにもこの交差点の赤信号で止まることは何度も経験していましたが、この赤信号は時間が長いのが特徴です。しばらくは車の流れを見ていましたが、それにも飽きなにげなく後ろを振り返りました。
 うしろにはガソリンスタンドがあるのですが、今流行のセルフ方式ではなくスタンドの従業員が給油をするスタイルのスタンドです。スタンドでは男性従業員が二人立っていました。二人とも寒そうに身体を小刻みに動かしながら雑談をしているふうでした。
 僕が道路に視線を戻してしばらくすると2トンくらいのトラックがスピードを緩めながら走ってくるのが見えました。トラックは僕の目の前にくると一段とスピードを緩め左折の方向指示器を点滅させました。ガソリンスタンドに入るようでした。 ガラス越しに中を見ますと運転席助手席ともに20才代の男性がいました。どちらもツバのついた帽子を被りグレーに黒のストライプが入った制服を着ています。運転席の男性は少し疲れた表情をしており、助手席の男性も疲れモード全開のようでお尻を前にずらし頭を背もたれに沈め片足の膝を窓ガラスに立てかけていました。通り過ぎるトラックの車体側面を見ますと「レンタカー」の文字が読めました。想像するに、レンタカーを使った引越業者のようでした。
 トラックがゆっくりとスタンド内に入ると、スタンド従業員の一人がトラックのほうに小走りで近寄りました。そしてトラックを誘導し始めたのですが、その様がどうもギコチナイのです。たぶん日の浅いアルバイトの人なのでしょう。明らかに「慣れてない」雰囲気がしました。もう一人の従業員を見ますとやはり不安げな感じで誘導を見守っていました。こちらもアルバイトの雰囲気を漂わせていました。
 乗り入れたトラックの二人もアルバイトのような感じです。そしてそれを迎え入れるスタンド従業員の二人もアルバイトのような感じです…。
 大晦日、いつもより早めに店を閉め妻とお正月の買出しにスーパーに出かけました。スーパーに着く前の予想では、多くの買い物客で賑わい買うのも一苦労なのではないか、と思っていました。しかし、店内のお客さんはそれほどでもなく普段より少ない感じです。よくよく考えて見ますと、すでに紅白歌合戦が始まっている時間です。多くの買い物客はもっと早い時間を買い物を済ませていたのでしょう。そんな時間ですが、やはりそれなりにお客さんはいてそれに対応するスーパーの従業員の方もいます。お客さんはともかく従業員の方は年末最後の日の遅い時間でも働いていました。そしてほとんどの従業員の方がパートさんアルバイトさんのようでした。
 さて、年が明けお正月。
 結局、昨年は年末に自宅の大掃除をする時間がなく自宅はスス払いをすることもなく年を越してしまいました。実は一昨年も年末に掃除をしなかったのですが、年が明けた元旦の日に自宅の掃除をしました。しかし、今年はそれさえもしませんでした。A型人間の僕としては年を越そうとも1年に1度は「区切りとして掃除をしなければ」と考えています。そんな僕ですから掃除をしないことに少しばかり罪悪感を持っていました。
 ところが、今年お正月のテレビを見ていましたら罪悪感が薄くなる情報を紹介していました。
 最近のテレビ番組は雑学のクイズ番組が隆盛ですが、その中の1つで次のような言い伝えを聞きました。
「年のはじめに掃除をすると福の神が逃げる」
という言い伝えです。これを聞いて僕は合点しました。昨年は、元旦に大掃除をしたので我が家の家計は火の車だったのです。今年は元旦に掃除をしなかったので福の神も我が家に宿っているかもしれません。
 お正月2日目。
 我が家には恒例行事があります。それはボーリング大会です。親子4人を2つに分け2ゲームの総計で勝ち負けを決める大会です。負けたほうがゲーム代を負担するのがルールです。今年は親対子のグループ分けにしました。結果は親の勝利で終わったので僕たち夫婦は無料でボーリングを2ゲーム楽しむことができました。よかった、よかった…。
 それにしても今年のボーリング場は混んでいませんでした。昨年は1時間待ちでしたが、今年は待ち時間もなく僕たちが帰る時間でも空いているレーンもありました。やはり景気は悪いのでしょうか…。
 当然、ボーリング場でも働いている従業員の方がいるのですが、その大半がやはりパートさんアルバイトさんのようでした。正月早々から働いているのですから頭が下がります。感謝、感謝。
 年末年始の間、いろいろなところで物を買ったりサービスを受けたりしましたが、そのときに接したお店側の方たちを思いおこしてみますと正社員の方は何人いたでしょう。たぶんほんの僅かの人数だと思います。ほとんどの方が非正社員の身分の方々です。世の中はいつの間にか、自分がお客の立場のときに接するお店側の人間は非正社員ばかりになっていました。正社員は非正社員を管理するだけの立場になってしまっています。試しに皆さんも年末年始の間に「何人の正社員の従業員」に出会ったから数えてみてください。たぶん、両手でも余るのではないでしょうか。
 このような世の中が健全な社会になるとは思えません。活気のある社会になるとは思えません。これを解決する方法は1つです。正社員の立場にいる方々が自分の損得だけでなく非正社員の立場の方々についても考慮してあげることです。正社員としての既得権益を死守することに汲々とするのではなく非正社員の身分についても考えてあげることです。
 実はこの正社員対非正社員という関係は、親会社対子会社、または子会社対孫会社、さらに言うなら発注会社対引受会社、そして派遣会社対登録者といった関係と同じです。つまり優位な立場と劣位な立場の関係です。
 優位な立場にいる者がどれだけ劣位な立場にいる者のことを考えてあげられるか…。ただ悲しいことに優越感を持ちたいのが人間の性なんですよねぇ…。
 しかし、そうした悲観的な気持ちをくつがえすような記事を昨年10月頃に新聞で読みました。
 昨年後半は派遣会社の問題点が数多く表面化しました。中でも、派遣会社により名目は様々ですが、給料から天引きしていた250円前後についてはその違法性が指摘されています。新聞記事では、その給料天引きに違和感を持った派遣会社の元社員が退職し登録者を助ける仕事についていることを紹介していました。このように自分のことだけでなく社会全体の観点からものごとを判断して行動する人もちゃんといるのです。社会保険庁の職員の方々も見習ってほしいものです。
 
 今年の我が家のボーリング大会のグループ分けは親対子にしましたが、性格的に分けるなら「妻と息子」対「僕と娘」に分けられます。妻と息子はとても仲がよろしいのです。息子は僕に似て友だちが少なく外出することはほとんどありません。仕事がお休みの日はほとんど家で寝ているのが「唯一の楽しみ」な人間です。そんな息子と妻は仲がよろしいのです。そんな二人を見ていて僕はその理由に感づいています。二人は気づいていないようですが、それは二人に共通点があるからです。
 
 息子は「出不精」、妻は「デブ症」
 じゃ、また。今年もよろしく~。

紙.gif4コマ漫画
ジャーック!




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