<郵政民営化見直し論>

pressココロ上




 この時期になりますと、僕は毎年確定申告をテーマにしてこのコラムを書いていますが、今年も書きます。
 このコラムを書く前に、「昨年はどんなことを書いたのかなぁ?」と読み返してみました。僕のコラムをずっと読んでくださっている方に同じ内容を書くのはやはり申し訳ないですから…。昨年は、税務署から送られてくる書類について書いていました。
 話は逸れますが、僕のコラムに「税務署から書類が届かない」という言葉で検索をして訪問した方が数名います。やはり同じような体験をした方がいたようです。現在、税務署は経費節約のために確定申告者に申告用紙を送付するのをできるだけ減らすように考えているようです。
 昨年のこのコラムを読んでいただくとわかるのですが、昨年までは、国税庁のサイトの「確定申告作成コーナー」を利用して申告書を作成した人には、最後に「申告書送付の是非」を尋ねていました。このコーナーを利用して作成した人はそのまま印刷もできますので税務署から送られてくる確定申告用紙が無駄になります。そうした無駄をなくすためにこのコーナーの最後で利用者に「是非」を確認し、「非」を選らんだ人には書類を送らないようにしていたのでした。昨年のコラムにはこのようなことが書いてあります。
 ところが、今年は「是非」は尋ねてきませんでした。つまり、強制的に「非」を選ばざるを得ないようになっていました。今年「作成コーナー」で申告書を作成した人には来年から書類は送付しないようです。個人的にはこうした対応も仕方ないように思いますが、ただ不安なのは、税務署から送られてくる封筒には確定申告書以外にもいくつか用紙があり、それらを「どのようにして手に入れるか」です。現在、ほとんどの用紙は国税庁のサイトからダウンロードで入手できるのですが、幾つかダウンロードに適さない用紙があります。それらの入手方法が心配です。しかし、素人の僕としては、その前の段階でどのような種類の用紙が入っているか、わからないのが不安です。
 今までは、封筒の中に入れられてくる用紙を見て今後提出しなければならない用紙を知ることができました。しかし、その封筒が送られてきませんのでどんな種類の用紙が入っているのかがわからなくなります。僕の希望としては、国税庁のサイトで「通常、送られてくる封筒の中に入っている用紙一式」を教えてくれたらなぁ、と思っています。
 それにしても、この「作成コーナー」はとても便利です。しかも今年は昨年より使いやすくなっていた感があります。ただ画面の質問に答えていくだけで自動的に申告書が完成するのですからこれほど便利なものはありません。できたら、日常の帳簿ソフトまで税務署で容易してくれると有難いのですが、そこまでやってしまうと民業圧迫と言われてしまうのでしょう。
 僕は毎年青色申告会に提出しているのですが、今年も先週初めに提出を済ませてきました。普通は申告期間内に提出するものですが、青色申告会ではそれ以前でも受けつけてくれます。僕は大分以前から期間が始まる前に提出しており、そしてそれが自慢でもあります。
 それはともかく、提出したときの印象ではこの「作成コーナー」を利用している人はまだ少ないようでした。僕が、このように作成コーナーについて書いていますのはその便利性を広めたいから、という思いもあります。なぜ、もっと皆さん利用しないのか…。一度利用したなら必ずやその便利さに驚くはずです。
 なにが一番便利かといいますと、先ほど書きました「自動的」です。自動的にいろいろな用紙を作成してくれる点です。普通、申告書には第一表、第二表とありますが、株売買などをした人は分離課税用の第三表も提出する必要があります。しかし、税理士でない一般の人はその提出しなければならない用紙さえ簡単にはわかるものではありません。ところが、この作成コーナーでは、画面の質問に答えて行くだけで「自動的に」第一表から第三表まで自動的に作ってくれるのです。もし株売買で赤字の場合は損失を繰り越す用紙まで自動的に作ってくれます。
 また、本業が赤字だった場合も損失用の用紙も提出する必要がありますが、それさえも「自動的に」作成してくれます。これはつまり所得の通算なども自動的に行ってくれることを意味します。僕が絶賛する理由をわかっていただけたでしょうか。確定申告をする皆さん、国税庁サイトの「確定申告作成コーナー」を利用しましょう。
 今まで紹介しましたように確定申告は年々やりやすくなっているのですが、これは申告者にとってはとても喜ばしいことです。そして、このことは税務署にとってもメリットがあることでもあります。申告者が犯してしまう簡単なミスや先ほども書きました「用紙の減少」につながることであり、全体的に考えるなら人件費の節約にもなるはずです。
 このように確定申告がやりやすくなった理由はと言えば、僕は税務署が「利用者の視点」で考えるようになったからだと思っています。「自分が使う立場だったら…」と考えるなら自ずと進む方向も改善する点も見えてきます。
 そんなことを考えていた矢先、先週ですが、突如、郵政民営化見直し論がマスコミを賑わせました。僕はつくづく思います。郵政民営化ほど困難なものはないなぁ…、と。昨年末、経済誌に特定郵便局の集まりである「大樹会」という団体が政治活動を復活させた、という記事が載りました。そうしたことも今回の郵政民営化見直し論と関係があるのでしょうか。
 格差社会がマスコミで騒がれはじめた頃から、市場原理や規制緩和を批判する風潮が強まってきました。そのとどめを刺すかのように、これまで構造改革の必要性を訴えていた中谷氏までが「転向」を表明しています。先週の新聞には投稿までしていました。週刊誌上では、わざわざ規制緩和・構造改革の推進派である竹中氏に呼びかけてまでいます。もし、どこかのテレビ局が、中谷氏と竹中氏の対談を企画したなら必ずや高視聴率をとるでしょう。ゴールデンタイムであっても間違いないと思います。公共放送であるNHKあたりで是非実現してもらいものです。
 それはともかく、僕は郵政民営化見直しに反対です。そもそも、なぜ郵政民営化が行われたかをもう一度原点に返って考えてみるべきです。親方日の丸でやりつづけて来た結果、弊害が大きくなっていたからです。
 例えば、財政上の無理無駄な支出の隠れ蓑になっていたこともあります。その他の身近な例としては、郵便物のサービスが民間に比べて劣っていたこともあります。そうした問題点が限界にきていたことが民営化を進めた理由でした。さすがに、民営化見直し論を語る政治家の方も国営に戻すことまでは言い出していませんが、見直し論がどのような展開になるかは注意深く見守っていかなければいけません。昨年10月にも同じようなコラムを書きましたが、僕は、せっかく改革の針が進んでいるのに逆戻りをしそうでとても心配しています。
 
 ところで…。
 僕は歌を口ずさむのが好きですが、歌詞が出てこないことがよくあります。そういうときは思いつきで歌詞を作り適当に歌っていますが、僕の歌を聴かされている妻はその適当な歌詞をとても不快に感じるようです。
「ねぇ、その適当な歌詞で歌うのやめてくれる!」
と、いつも言われます。けれど、僕からしますと、僕はあくまで「口ずさんで」いる程度の歌い方なのですから「歌詞を気にしている」妻のほうがおかしいと思います。つまり、妻は僕の「口ずさみ歌」を神経を集中させ歌詞をチェックしているということです。これは嫌がらせ以外のなにものでもありません。僕は、「口ずさみ歌」くらい気楽に歌いたいです。
 それでも、まぁ、なんとか自分の感情を抑え、最近では歌詞に文句をつけられないようにわからない歌詞のところは「ラララ…」というふうに「ラ」で歌うようにしていました。
 ところが、先日、いつものようにわからない歌詞のところを「ラララ…」で歌っていましたら
「ねぇ、『ラ』は聞いていてしっくりこないから違うのに変えて」
と言ってきました。僕は聞き返しました。
「じゃ、なんて歌えばいいの?」
 妻の話では、僕の娘も「わからない歌詞」のところでは違う言葉を使って歌っているそうです。妻は「娘が使っている言葉にして」と言いました。僕がその言葉を妻に尋ねると妻が教えてくれました。
「ニャ」
 僕は思わず、「えっ、『ニャ』?」と言ってしまいました。妻は平然と「そう」と答えました。僕には、どう考えても「ニャ」よりは「ラ」のしっくりくると思えるんですけど…。
 皆さん、試しになんの歌でもいいですから歌詞を「ニャ」で歌ってみてください。変ですから…。僕の娘は本当に「ニャ」で歌っているのでしょうか…。
 じゃ、また。




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