<アナログ終了>

pressココロ上




 とうとうアナログ放送が終了してしまいました。皆さんはどのように対応したのでしょう。真実かどうかはわかりませんが、報道によりますと、6月末時点においてほとんどの家庭で地デジ対策を完了しているそうです。ですが、僕の周りを見渡しますと、僕も含めてまだ未対応の人もチラホラ見かけますのでこの報道の信憑性には疑問を抱いているのが正直な感想です。
 今月の第1週のコラムで地デジ対応について書きましたが、僕は地デジへの変更を全く考えていない人間でした。そんな僕でしたが、あることがきっかけで少しずつ心に変化が生まれたことは先のコラムで書いたとおりです。いろいろ考えた末、結局地デジ工事を行いました。…しかも、自分で。
 当初は、業者に依頼するつもりでいました。正確に言うなら、メインのテレビの分だけを業者に依頼して残りを自分でやるつもりでいました。ところが、業者からは「工事依頼が多いので8月にならないとできない」という返答でした。やはり、まだ地デジ対策をしていない家は多数あったようです。いったい、「ほぼ完了」という報道はなんだったのでしょう。
 それはともかく、「どうせ間に合わないなら」と全て自分で工事をすることにしました。
 前にも書きましたが、僕には地デジに関する知識が全くありません。そこで、まずは知識というか情報とういかそうした諸々なものを集めることから始めました。僕は常々言っていますが、知識や情報を集めるのにインターネットは本当に役立ちます。一部の人が言うように、確かに怪しい情報などもあり、その信憑性に疑問符が付くことがあるのも事実ですが、それさえクリアできたならネットは本当に役に立ちます。実際、僕は地デジに関する工事の情報全てをネットで収集しましたが、とても満足しています。同じように、脱サラや飲食業の起業に関して僕のサイトが役に立てばいいなぁ、と思っています。
 なにについても言えることですが、いろいろな知識が増えますと、その知識に比例してまた疑問も増えるものです。地デジについても同様で、まっさらな頭の中に「屋根馬」やら「同軸ケーブル」やら「分配器」などといった地デジ用単語が入ってきますと、頭の中が混乱し、悩みがつきない日々が続きました。毎夜、ネットと向き合う日々となってしまいました。
 僕が最初に考えたのは、それぞれのテレビに各1台ずつアンテナを設置する方法です。前に書きましたように、デジサポからアンテナを借りて試聴していましたので、地デジが問題なく見られることは確認していました。ですので、素人には下手に配線に苦労するよりその方法が最も簡便で安全と考えたわけです。視聴した際に、アンテナの向きによっては映らないこともあることもわかっていましたが、そのときは「屋外に設置すればよい」と考えていました。
 しかし、仮に屋外に設置するとなると、屋外から屋内にケーブルを引き込むのが難題です。大工さんや工務店関係の仕事をしている人ならともかく、僕のような素人では家の壁に穴を開けるのを容易にできるはずもありません。もちろん、そんな勇気もありません。そこで、いろいろ調べますと「隙間ケーブル」なる器具があることがわかりました。この「隙間ケーブル」とは、読んで字のごとく「窓の隙間」を利用してケーブルを屋内に引き込める代物です。
 このような知識を蓄えつつ、ホームセンターに行きました。売り場に行きますと、アンテナやらケーブルやらたくさんの種類がありすぎて逆に困ってしまいます。素人は選択肢が多すぎると反対に不便になるものです。僕はお店の担当の方に尋ねました。
「あのぉ、自分で地デジ工事をやろうと思っているのですが…」
 僕の要望に担当の方は売り場の棚を見ながらとても丁寧に親切に教えてくれたのですが、残念なことに「隙間ケーブル」を知らなかったのです。僕は担当の方がその場を去ったあとも棚のいろいろな器具を見ていました。すると、中年の男性が声をかけてきました。
「地デジをご自分でなさるんですか?」
 僕が担当の方とやり取りをしているときに、隣にいた中年の男性が聞き耳を立てていたのを僕は気がついていました。その男性です。
 僕より少し年長に見える男性は、とても優しそうな雰囲気の方で、業者の人ではないそうですが、既に地デジ工事を自分で終えた経験を持った方でした。男性は「少しセミプロ」と話していました。
 結局、僕はこの男性から様々なことを教えてもらったのですが、その中で最も役に立ったのが「アンテナを複数設置する弊害」についてでした。先に書きましたように、僕はそれぞれのテレビにアンテナをつけるつもりでいましたから、その考えが間違っていることがわかったのです。危なく無駄な出費をするところでした。
 デジサポからアンテナを借りてその有用性を確認していましたので、返却したあとにすぐにアマゾンで同じ型のアンテナを1台購入していました。ですから、我が家では1台のテレビは既にデジタル放送を見ていました。あとは、そのアンテナからそれぞれのテレビにケーブルを配線するだけでした。その配線方法も込み入ったものがありましたが、なんとかクリアすることができ、現在、我が家では4台中3台は無事にテレビを見ることができています。残りの1台はもう少し低費用で移行できる方法を考えついてから実行するつもりです。
 それではここで、まだ地デジ対策をしておらず、しかも自分でやろうと思っている方のためにその段取りをご説明いたしましょう。屋根に上らなくとも誰でも自分で地デジ工事はできます。
 まずは、アンテナを購入しましょう。僕が買ったのはYAGI 地上デジタルアンテナです。これよりも高額なアンテナもあるのですが、とりあえずはこのアンテナで充分です。このアンテナと地デジに対応したテレビかチューナーを接続するだけのことです。そのときに最も電波を受信する場所を探します。我が家は2階の室内にアンテナを設置していますが、室内でも充分に綺麗な映像が映っています。しかし、地域によっては屋外に設置する必要があるかもしれません。ですが、その難題も先に紹介しました「隙間ケーブル」を用いれば家の壁に穴を開けることもなくケーブル線を屋内に引き込むことができます。あとはそのケーブルを地デジ対応テレビかチューナーに接続するだけです。ほら、簡単でしょう。
 因みに、我が家ではアンテナは2階の部屋内に設置しているのですが、2階の2台のテレビは問題なく映ります。ですが、悲しいことに1階のテレビではNHKが全く映りませんでした。これは、ケーブルの長さに原因があるようでした。調べたところによりますと、電波というものはケーブルが長いと量が損失するそうです。そこでアマゾンでYAGI 地デジアンテナパワーアップブースタ DPW02を購入しました。これは電波を増幅するブースターという器具ですが、これを使用することでNHKもきれいに映るようになりました。めでたし!めでたし!
 実は、このブースターが届いたのが本日(24日)の午前11時なのです。アナログ放送終了の1時間前のことでした。まさに危機一髪…。ああ、よかった!よかった!
 ところで…。
 結局、我が家は2階の室内にアンテナを設置しました。ですから、2階で受信した電波を各部屋に配線することになりました。このように、アンテナは1つにすべきですので複数のテレビがあるときは自ずと分配することになりますが、そのときに問題が生じます。
 本文で「ケーブルが長いと電波の量が減る」と書きましたが、分配することによっても量を損失するそうです。このように、電波についていろいろなことを知ったわけですが、知るにつけある思いが浮かんできました。
 結婚して年月が過ぎ、伴に生活する時間が長くなり、子供が生まれ家族が増える。そしてそれに比例して夫への関心が減って行く。…愛って電波と同じなんですね。
 じゃ、また。




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