<長期保証>

pressココロ上




 日中、日韓の関係が今のところ好転する気配がありませんが、なんとか落としどころを見つけて友好関係を取り戻してほしいものです。それにしても、民主党の政権担当能力のなさがあぶりだされたような今回の外交騒動です。
 政界引退を表明した森元首相が話していましたが、外国と太いパイプを持っている、もしくは信頼関係を築いている政治家が少なくなったそうです。特に、最近の若い政治家には…。国家のことでなく、保身にばかり目を向けている政治家に落胆していました。
 くしくも今回中国を訪問したのは自民党を中心にした国会議員でした。また、打開策を講じるべく訪問したのも事務次官でした。これは政権を担当している民主党としてはとても恥ずかしく情けないことです。たぶん、韓国においても同じような構造になっているのでしょうが、やはり外交で政治家が前面に出られないのは情けないことです。
 今年は日中友好条約40周年だそうですが、友好な関係が続くのもどちらもが当初の気持ちを維持していることが大前提です。言うなれば友好気持ちの長期保証がなされてこそ友好関係は意味があるものとなります。
 その意味でいいますと、日本のように1年に1回総理が交代する国が長期保証の友好関係を築けるのか疑問に思えてしまいます。長期保証の面だけで考えるなら、もしかすると中国のような一党独裁のほうが向いているように思えてしまいますが、中国の人たちからしますと不謹慎な発言かもしれません。
 中国に関していうなら、今ひとつ実態がつかめない気分でいます。ある報道によりますと、反日として暴動を起こしている人たちは中国全国民からしますと、わずか0.08%に過ぎないそうです。また、日本の発想でいうところの中流家庭に属する人たちはテレビで放映されているようなデモや騒動に無関心だそうです。
 このような報道の真偽が今ひとつわかりませんので、今回の騒動をどのように捉えていいのか考えあぐねているのが僕の正直な気持ちです。
 そんなニュースをテレビで見ていましたら、そのあとにちょっと違和感があるCMが流れました。現在経営危機を報じられているあのシャープが太陽光発電のソーラーシステムのCMでした。なぜ違和感を感じたかといいますと、そのキャッチコピーが相応しくないと思ったからです。「相応しくない」というよりも「矛盾感」でしょうか。そのキャッチコピーとはこれです。
 「50年保証」というものでした。
 もしかしたら倒産して消滅してしまうかもしれない企業が50年保証を謳う根拠はどこにあるのでしょう。しかもこの時期に堂々と放映する感覚が信じられません。そうした感覚が経営危機を招いたと推測することさえできます。このCMは誰が見ても失笑するしかない内容です。いくら吉永さんが笑顔で語りかけても素直にうなづけないコピーです。
 それにしても、経営危機が報じられたのが8月中旬ですが、あれから1ヵ月半が過ぎ、不思議と緊迫感が薄れてきたのが不思議です。僕も含めてですが、最初に報道を見たときは衝撃を受けましたが、その衝撃も今は昔の感がします。人間の慣れって恐ろしいですね。でも、危機が去ったわけではなく、新聞では小さくですが金融機関の融資について報道されています。
 長期保証の重要性を一番感じる商品は保険です。特に生命保険は加入する種類にもよりますが、30年40年という年月が対象になることがあります。日産生命保険が倒産したのが1997年でした。このときのショックも僕は忘れられません。今まで絶対に倒産しないさせないとしていた金融機関が倒産したのですから、驚きでした。このきっかけは95年橋本首相時代の金融ビッグバンでしたが、金融を国家が管理することが不可能な時代になっていたことも見逃せません。時代の流れといえるでしょう。しかし、その流れがよかったかどうかは、最近の金融をとりまく欧米諸国を見ていますと、「悪かった」という答えになりそうです。
 僕は基本的に長期保証を信じていませんので、生保は掛け捨てにしています。掛け捨てですと仮に契約している保険会社が倒産しても傷をほとんど負わずに済みます。それなのにテレビコマーシャルで実直そうな青年が先輩のきれいな女性といろいろなやりとりをしながら生命保険について情緒的に紹介しているCMが好きではありません。因みに、あの青年は最後のほうの「梅ちゃん先生」にまで登場していました。
 皆さん、保険は短期で掛け捨てが基本ですよ。詳しく知りたい人は本屋さんにいけば「正しい保険の入り方」なんていう本がビジネスの棚に並んでいますから(1,000円弱)ほんのちょっと勉強するだけで無駄な保険料を削ることができるようになります。
 確かにきれいな滝川さんに勧められたら入りたくなる気分にはなりますわなぁ。
 ところで…。
 今週のコラムはいつもりよりちょっと短めで、また投稿する日も1日遅れとなってしまいました。その理由は、いろいろとバタバタと忙しかったせいです。それでも、こうやってサボらずに投稿したのは、自分なりの読者に対する長期保証の意味があるのでした。
 じゃ、また。
 




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