<暑い!>

pressココロ上




 いや~、暑い。なんといっても暑い。どちらかといいますと、暑さに強い僕ですが、さすがにこの暑さは暑い!…かといって、実は僕、クーラーが苦手なのです。すぐに寒くなってしまうのですね。困った体質で、僕は春と秋しか生きられない動物かもしれません。
 たぶんこれまでに書いたことがあると思うんですけど、僕のこの体質で一番困るのは寝るときです。妻は単純な暑がりの体質ですので眠るときにクーラーをつけたがります。睡眠に入るまでの間だけでもクーラーがあることを望みます。ですが、僕はそのクーラーでは寒いのです。
 ですから僕たち夫婦が寝るときの状態はとても滑稽です。薄いワンピース1枚の格好の妻の横で、布団をかけている僕がいます。
 この光景が昨年の夏まで続いていたのですが今年はちょっと様子が違います。妻が僕に合わせてくれるように努力をしているからです。つまりクーラーをつけずに眠るようにしています。その代わりに扇風機を回します。しかし、僕にはその扇風機さえも風邪の源になります。ですから、扇風機の風が僕のほうには向かないように設定してあります。妻の努力に感謝です。
 このようにしてかろうじて今年の夏を過ごしています。しかしそれにしても今年の夏は暑い。
 僕はいじめに関するニュースに敏感ですが、そのときはいつもいじめられている子供の周りにいる大人たちの対応について不満を感じています。やはり一番は親御さんに対してですが、その次は学校関係者です。具体的には先生方ですが、いじめのニュースを聞くたびに思うのは先生方の無責任さです。先月も岩手県で中学生の自殺がありましたが、そのときの先生の対応にも僕からしますと批判したくなるような言動が感じられました。
 どうしてもっと親身になって子供に接しないのか。もし、その先生のプライベートなことが理由で、例えば小さなお子さんがいるとか介護をしている老親がいるなど、親身になれない理由や環境や状況があるなら、先生という仕事を選ぶべきではありません。先生という仕事に就くからには生徒たちを第一に優先するのが本来あるべき姿です。
 先月起きた事件の先生の勤務先は公立学校でしたが、仕事よりも自分のプライベートを優先する先生がいる学校に喜んで通わせる親はいないでしょう。やはり、先生としての仕事を優先する先生の下で子供たちを学ばせたいと思うのが普通の感覚です。私立であるなら生徒が集まらず学校閉鎖ということもあり得ます。普通の企業なら倒産です。
 先週は学校の先生の勤務状況に関するニュースがありました。アンケートをとった結果が報じられていたのですが、いろいろな報告書を書いたり提出物に追われたりなどして余裕があるというよりは過酷な労働環境といえる結果でした。そんな中、昨日の朝日新聞に3年前まで校長を務めていた方の投書が載りました。
 投書を要約しますと、「先生たちの忙しさは単に計画性がないことによる」と指摘していました。どこの職場にも仕事の段取りがいい人と悪い人がいますが、この投書は一般的な傾向として先生方は段取りが悪い人が多いことを示唆していることになります。
 僕の想像では先生たちの過酷な勤務状況を伝えた先のニュースに相対させる意味での投書の採用だったように思います。
 最近の朝日新聞の投稿欄を見ていて感じるのは必ず賛成と反対の両方の主張を載せていることです。いろいろなことがありすぎて忘れた方も多いでしょうが、朝日新聞が従軍慰安婦問題で捏造を認めたのがちょうど1年前です。以降朝日新聞は再生計画の下、いろいろな対策を施しているようですが、投書欄の記事の選択もそのひとつという印象を受けます。
 どんなことにでも必ず賛成意見と反対意見があるのが世の中です。今、世の中を騒がせている安保関連法案についても同じです。産経新聞だけは安倍首相の意見を支持しているようですが、それ以外の新聞はほとんどが批判的に報じています。先週も書きましたが、安保関連法案に反対するニュースが継続的に報じられているのは僕としても支持する気持ちがあります。
 そうした中、僕が信頼をおいている外交評論家の岡本行夫氏という方が国会で参考人として政府の考えに賛成する側として意見を述べていることを知りました。岡本氏は元外務省の官僚で、僕の印象では私心がなく高い視点から現実的な外交を考えている人と思っていました。
 基本的に、岡本氏は常に政府側に立って外交を考える人ですので外交関連法案でも政府を支持するのもわからないでもありません。基本的に僕が信頼するのですから、岡本氏には僕を納得させるだけの深い考察があります。例えば、僕が沖縄の米軍基地について考えるとき岡本氏の意見などを参考にすることがよくありました。
 ですが、今回の政府を支持する考えはちょっとずれているような感じを持ちました。
 僕は平和を好み、世の中から戦争というものがなくなればいいなと思っています。ですから、単純に考えるなら今回の安保関連法案にも反対に支持するように思うかもしれません。しかし、平和がなんのコストもなしに努力もなしに得られるとも思っていません。やはり国家として自立するには武力も必要と思っています。
 でも、今回の法案には反対です。理由は簡単で、解釈だけで集団的自衛権を実行しようと目論んでいるからです。やり方が姑息です。
 ネットで岡本氏の国会での発言を読みましたが、同じ感想を持ちました。岡本氏の主張には賛同する部分も多々ありますが、問題は手続きにあります。安倍首相は解釈ではなく憲法を変えることで自説を実現させるように動くべきです。それをしないところに、安倍首相の狡猾さが感じられます。また、経済を前面に押し出しながら、そして注目を集めやすい政策を上手に操りながら、本丸である憲法9条関連のなし崩しを狙っているようにも見えます。そこに傲慢さを感じるのは僕だけはないでしょう。
 現在、多くの憲法学者の方々も今回の法案を違憲と判断していますが、もし安倍首相が正面から堂々と論戦を挑み、集団的自衛権を出来るように憲法改正を目指すなら安倍首相を支持する学者もたくさんいるように思います。
 安倍首相は心のどこかで、反対デモがひしめく中、信念で強引に60年安保を締結した岸元首相と自分を重ね合わせているように感じます。ドラマや映画などでよく見かける「反対が多い中、自説を曲げずに成し遂げ、後年になって歴史から評価される政治家」の姿です。言葉を換えるなら、歴史に名を残す名宰相です。
 でもぉ、功名心のある政治家って…、「暑い」ですよねぇ。
 じゃ、また。




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