<メンバー構成>

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 今週はお礼の言葉から…。少し遅くなりましたが、9月4日A.Sさまありがとうございます。私のサイトが少しでもお役に立てれば幸いです。
 それから、先週「サイトをレスポンシブデザインに変更した」と報告しましたが、不具合が幾つか見つかり修正が完成したのは先週の後半となってしまいました。誠に申し訳ありません。
 さて、僕はスポーツ全般が好きですが、特にバレーボールは高校時代にやっていたこともあり、そして、そこそこ強かったという自負もありますので特に好きなスポーツのひとつです。ですので現在日本で開催されているワールドカップにはやはり注目しています。
 今週からは男子の大会が始まっていますが、12日(土)の段階で3勝1敗は今後に期待を持たせる結果です。1敗の相手は世界ランキング1位の米国ですので仕方ない部分がありますが、それ以外の相手に勝利しているのはとても大きな意味があります。
 なにしろ日本の現在の世界ランキングは大会参加国の中で下から2番目の25位です。その実力の中で14位のカナダや10位のオーストラリアに勝利したのですから期待しないほうがおかしいというものです。体格的に劣っているのは当然ですので、そうした状況で勝利することの意義はとても大きなものがあります。
 現在は低迷している男子バレーですが、かつてはオリンピックで金メダルを獲得したことがあります。僕が高校生のときですからかれこれ40年以上前ということになりますが、当時は松平康隆さんという戦略家の監督がおり、その方の力で日本の男子バレーを世界の強豪国にしたのでした。
 松平監督という方は単にバレーの指導者としての才能ばかりでなく、男子バレーの人気を上げる才能にも長けている人でした。
 バレーの指導者としての才能は現在は世界の常識になっているコンビバレーを考え出したことでわかりますが、僕が最も大きな才能と思うのはその代表の選び方です。僕は大分以前に松平監督率いる男子バレーがミュンヘンオリンピックで金メダルを取ったときの様子のコラムで紹介したことがありますが、そのときの感動は40年以上経っても消えることはありません。
 その感動の源になっているのはチームが一丸となって戦っている団結力でした。そして、それを生み出すことができた理由はなんと言ってもメンバー構成に尽きます。若手、レギュラー、ベテランの絶妙な組み合わせなくしてあの感動は生まれなかったでしょう。それぞれがそれぞれの役目を理解し実行することで初めてチームの力を最大限に発揮することができます。そして、それは苦しい場面になればなるほど露わになります。
 ミュンヘンオリンピックで男子バレーは金メダル獲得を至上命題としていました。それまで銅メダル銀メダルとメダルの色を順に上げてきていましたので残るのは金メダルだけだったからです。
 そのような状況の大会で順調に勝ち進んだ準決勝で日本はブルガリア相手に劣勢に立たされていました。2セットを先取され第3セットも3-0と序盤からリードされていました。このセットを落としてしまいますと金メダルの夢は潰えてしまいます。この窮地のときに松平監督はベテランの南選手を、そしてキャプテンの中村選手を投入します。
 そこから奇跡の逆転劇が始まるのですが、僕は南選手がみんなの気持ちを奮起させるべく届かないボールを追いかけスライディングする姿が記憶に焼きついています。
 実は、南選手は元エースというプライドが強かったためスライディング練習を進んでしていませんでした。そんな中レシーブの練習を強制的にさせられ身体中血だらけになり、しまいにはみんなが見ている前で号泣したという経験があります。元エースで身長190センチを超える大男が練習中に後輩の前で号泣するのです。この場面を想像するだけで鳥肌が立ちます。
 その南選手が絶対に届かないボールを追いかけスライディングするのですから後輩たちの気持ちを鼓舞しないわけがありません。実は、このときの南選手のスライディング姿は僕の人生の指針となっています。
 ミュンヘンオリンピックを映像で見たい方はこちら↓をどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=XZsoew30coU

ミュンヘン男子バレー 金メダルへの軌跡

 ミュンヘンで金メダルを獲得できたのはベテランの力があったからです。それなくして奇跡は起きなかったでしょう。そして、今回のワールドカップを見ますとちゃんとベテランが入っていました。コート内には33才の鈴木選手がいましたしベンチにもこれまでの悔しさを知っているベテランたちがいました。
 現在のチームで注目を集めているのは「ネクスト4」と命名された若手です。わざわざ南部監督が会見で発表したのですから期待の大きさが伝わってきます。実は僕は、南部監督に松平監督の面影を感じることがあります。メンバー構成もそうですし「ネクスト4」を結成して会見したりなど彷彿させるものがあります。かつて松平監督が実践してきたことです。前半戦が終わったばかりですが、今後の男子バレーは期待していいのではないでしょうか。
 それに比べて女子バレーは将来の展望が開けていない感じがします。特に大会の終盤戦は問題点ばかりが目立ったように思います。そんな中個人的にかわいそうな気持ちになったのが木村選手です。どの試合かは忘れてしまいましたが、控えに回っていたセットもありました。
 僕は試合をずっと見続けているわけではなく、いつものように妻が見ているうしろを通りがかりながら見ているのですが、木村選手が控えに回っているのを見たときは驚きでした。あとからわかったのですが、完全に相手チームからマークされスパイクがほとんど決まらなかったそうです。
 それからの木村選手が精神的にかなり追い込まれているのがテレビ画面から伝わってきました。どんなに笑顔で繕っていても悲壮感は隠せません。どんなに周りに元気に声をかけていても焦っているのはにじみ出てきます。僕はかわいそうでかわいそうでなりませんでした。
 木村選手をこのような状況に追い込んだのはチームのメンバー構成に問題があるからです。メンバーを見渡しますと、木村選手をサポートする役割の人がいません。木村選手はキャプテンとエースと精神的支柱をすべてひとりでこなさなけらばいけない立場になっていました。
 ミュンヘンで窮地に陥ったとき、チームを救ったのはベテランたちの活躍でした。南選手は間に合わないとわかっていてもボールを追いかけスライディングをしました。キャプテンの中村選手は本来のポジションではないところでも結果を出しました。大切なのはチームの本来の力を発揮させることです。本来の個人的実力でいったなら横田や大古や森田たち若手のレギュラーのほうが上です。しかし、本来の実力が出せない試合の流れというときがあります。そうしたときに力になるのがベテランです。ベテランの最大の役割はチームの精神的支柱となることです。
 今回の女子バレーに話を戻しますと、代表チームで木村選手はキャプテンもエースもムードメーカーも精神的支柱もすべて一人で背負い込むメンバー構成になっていました。これでは木村選手が力を発揮できなくなるのも当然です。
 その意味でいいますと、今回の女子バレーの結果の責任は代表を選んだ真鍋監督に責任があるように思います。ある番組で見ましたが、真鍋監督は代表から退くつもりの木村選手をキャプテンとして口説き落とした経緯があります。そうであるならば木村選手がキャプテンとして力を発揮できるようなメンバー構成に変更することを望みたいと思います。
 このままでは木村選手があまりにかわいそうです。
 じゃ、また。




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