<専門家>

pressココロ上




 早いもので年が明けてから2ヶ月が過ぎようとしています。2月といいますと、自営業者の方々は確定申告で苦労する時期です。僕はもう申告を終えましたが、まだの方は頑張ってください。
 また、サラリーマンの方でも確定申告をする義務があったり、場合によっては確定申告をすることによって還付金がもらえる人もいるかもしれません。そういう方々は是非とも国税庁のホームページを利用することをお勧めします。
 前にも紹介したことがありますが、今の国税庁のホームページの確定申告等作成コーナーはとても充実しており使いやすいツールになっています。画面の指示に従って進めていくだけで申告書を完成させることができます。もちろん収支計算書や青色申告の方に必要な決算書も作ることができます。
 青色申告決算書には損益計算書や貸借対照表も含まれています。しかも、なんと減価償却の計算まで自動で計算して作成してくれます。例えば、車を減価償却する際は、購入金額や事業用に使用している割合などを記入するだけで経費にできる金額や残りの資産額まで計算してくれます。僕からしますと、「至れりつくせり」といった感があります。もちろん、、すべて無料です。
 …ビフォアーアフターふうにいうなら「なんということでしょう!」といったところです。
 僕は毎年、この国税庁の作成コーナーを利用していますが、今年はちょっと異変がありました。原因は定かではありませんが、スムーズに国税庁のホームページに接続できなかったのです。このような症状は初めてでしたのでとても焦りました。
 現在は直っていますが、2月初旬の頃、なぜか「接続できません」の表示が出ていました。たぶん、同じような症状に困惑した人は多かったのではないでしょうか。僕はネットを活用する際、ブラウザはinternet explore とChrom を併用しています。ただし、やはり平均的な中年おじさんですので通常はIEを使うほうが多いのですが、このときはChrome を利用することでなんとか事なきを得ました。
 年末のことですが、たまたま知り合いの自営業者の方と確定申告について話す機会がありました。いろいろとお話を伺っていますと、その方も青色申告をしているようでした。青色申告には特別控除という特典がありますが、それには簡易な決算書を提出して10万円の控除を受ける方法と損益計算書や貸借対照表などを作成して65万円の控除を受けられる方法の2通りがあります。その方はもったいないことに青色申告特別控除を10万円しか受けれれない方法を選択していました。理由を尋ねますと、いろいろな理由をつけていましたが、要は貸借対照表を作成できないことにありました。端から「難しい」と決めつけていたからでした。
 読者の中にも同じような考えの人がいるかもしれません。しかし、貸借対照表を作成するのはそれほど難しいことではありません。ほんの少し簿記を勉強するだけで作成することができます。仕分けさえ理解できればなんの問題もありません。あとはパソコンがすべてやってくれます。是非とも、挑戦してください。
 確定申告といいますと、学生時代のことを思い出します。僕は学生時代に家庭教師のバイトをやっていました。たまたまクラスメートの親戚が家庭教師を探していたようで、僕に話が回ってきたのでした。
 当時の僕は家庭教師という仕事の重要性を自覚することもなく、単に効率のいいバイトという感覚でした。ですから、僕が家庭教師としてやったことは学校の教科書の復習や予習を教えていただけです。誠に申し訳ないことですが、たぶん学力アップにはあまり貢献できていなかったと思います。なにしろ教え子のお母様にこう言われていたからです。
「いつも部屋から楽しそうな笑い声ばかりが聞こえてきて、娘も喜んでいるんですよ」
 …これは、褒め言葉なのか…。
 僕は家庭教師に行く日は必ず、小学生の女の子に受けそうなネタを考えるのをルーチンワークにしていました。
 お母様の真意は定かではありませんでしたが、それでもとてもよくしてもらっていました。その証拠に、毎日勉強が終わったあとは一緒に晩御飯をごちそうになっていました。
 そのご家庭は呉服店を営んでいました。つまり普通の会社員ではなかったことになります。お父様は僕が行くときはまだ仕事から帰宅していることはほとんどなく、たまに勉強の時間が終了する間際に帰って来てお会いするくらいでした。このお父様はほっそりとした体型にとても優しい雰囲気をした方でいかにも呉服店の商人といういった風情をしていました。
 ある日お父様が早めに帰宅したときがありました。そのときは一緒に食事をして食後にお話をしたのですが、お父様は税金のことについて話をしました。
「いやぁ、税理士さんから税務署の人にお金を渡すから20万円を用意してくれって言われて悩んでいるんだよね」
 もちろん当時の僕は税金や税理士さんについての知識など全くありませんから、ただ聞き流していただけです。しかし、のちに自分が独立をして確定申告をすることになったときに、あのときのお父様の顔が思い起こされることがあります。
「税理士さんに騙されていたんじゃないかな…」
 僕にはそう思えて仕方ありません。あのときにお父様から伺ったお話を総合しますと、「節税に関することで違法すれすれの状況であり、それで処分を受けそうになったので税務署の人に賄賂を渡すためにお金が必要になった」ということになります。
 自分が確定申告をするようになり、税理士さんとも付き合うようになってからあのときのことを振り返ってみますと、やはり税理士さんの言い分はあまりに不可解です。世の中には税務のことを税理士さんに丸投げしている自営業者の人や経営者の人がいますが、あまりに無関心にしていますと騙されることもあります。新聞で報道されることもありますが、正義の象徴のような弁護士さんでさえ依頼人のお金を横領する事件があります。ですから、税理士さんが自分の懐を増やすために顧客からお金をむしりとることがあっても不思議ではありません。
 大切なのは税理士さんが正しい税務関連の業務をきちんとしているかを監視をできる目を養うことです。どんな業界でもそうですが、専門家を無闇に信頼するのは危険です。政治の世界も同様です。国民は政治家が国家を正しい方向に進めようとしているかを監視をする目を養うことがとても大切です。一強多弱は決して正しい政界の状態ではありません。海の向こうでもようやっとトランプの正しい遊び方を指南する社説が載るようになりました。
 じゃ、また。




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