<まとめサイトと木鐸>

pressココロ上




 プロ野球の球団の親会社にもなっており東証一部上場企業でもありIT企業としても有名なDeNAが謝罪会見を開きました。理由はDeNAが展開している「まとめサイト」である「WELQ」に不適切な記事がたくさん掲載されていたからです。ご存知の方も多いでしょうが、「まとめサイト」は「キュレーションサイト」ともいい、ネットに溢れている情報を「読みやすい」ように「わかりやすい」ように「まとめたサイト」のことです。
 DeNAの「まとめサイト」はいくつもありますが、問題になったきっかけは「WELQ」というサイトのようです。理由はこのサイトが健康に関するサイトだったからです。健康に関する記事ですのでまかり間違えますと命に関わることもありえます。ですから、大きな問題になりました。利用者が間違った情報を信用して実行してしまってはそれこそ命を落とすことにもなりかねません。
 僕の記憶では問題が報じられた当初、朝日新聞社会面に「WELQに医師の監修が入る」というような小さな見出しが載ったように思います。このときは大した記事ではないと思い、詳しく内容までは読みませんでしたが、それから数日後謝罪会見が開かれたのでした。
 結局、DeNAは展開している「まとめサイト」すべてを非公開にしましたが、こうした動きはサイバーエージェントやYafooなどほかの「まとめサイト」にも広がりました。つまり、ほぼすべての「まとめサイト」に問題があったことになります。
 実は僕もLineの「まとめサイト」であるNAVARに投稿していますが、NAVERに関しては全体的に信頼性が高いように感じています。もちろん僕の記事は信頼性に重きをおいていますので検索結果を重視するような記事の書き方はしていません。ですから、悲しいことにページビューも微々たるものです。
 NAVERに投稿する人は収入を得ることを目的にしている人です。もちろん僕もそのひとりですが、それなりの収入を得るのは簡単ではありません。なにしろ数十万とも数百万ともいわれる記事の中から自分の記事までたどり着いてもらわなくてはいけないのですから至難の業です。ですから、コンビニなどで働くのと同じくらいの収入を得ることはできないのが実状です。
 僕はNAVERを始めた当初、自分の記事が「閲覧されることがない」ことも想定内としていました。先ほども書きましたが、少なくとも数十万の記事があるのですから同じ内容の記事がほかにもたくさんあって当然です。ですから「閲覧されない」こともあり得ると思っていました。しかし、不思議なことに毎日誰かしらが僕が投稿したなにかしらの記事を見てくれています。
 最近1ケ月の平均を紹介しますと、毎日400ページビューくらいです。実は最近1ケ月は新しい記事は投稿していないのですが、毎日のページビュー数に変化はありませんでした。なぜ最近1ケ月新しい投稿をしなかったかといいますと、先週書きましたが動画作成に時間を取られていたからです。
 僕の動画はSMAPの解散に関する動画ですのでなんとしても11月中に投稿する必要がありました。今年いっぱいで解散する予定ですので11月中の完成を目指していたわけです。解散したあとの投稿では作った意味がなくなってしまいます。
 またまたついでですが、動画の閲覧についてご報告したいと思います。
 動画もNAVER同様、投稿されている数は膨大です。その中で僕の動画を見てもらうのはNAVER同様至難の業です。投稿してから5日が過ぎましたが、閲覧数は5回です。そしてこの5回は僕が見た5回です。やはり、膨大な数の投稿がある中で僕の動画の存在を知ってもらうのは不可能とさえ思えてしまいます。実際、そのような結果になっているのですが、この状況が普通の人にとっては本当のところではないでしょうか。
 それに比べNAVERは毎日400人くらいの人が見てくれています。実は、僕自身もそれが不思議でなりません。僕の投稿した記事数は60個ですが、その中でまったく閲覧されない記事もあります。日によって違いますが半分くらいがその状態です。現状で報告しますと、最もコンスタントに閲覧数を得ているのは「オリンピック・負けたあなたも美しい」です。それ以外では「コンスタント」にあてはまるものはありません。そのときどきのニュースに関連して閲覧されています。
 僕の記事の閲覧者は毎日400人、月に換算しますと約12000人ですが、投稿記事数60個の割には決して多いほうではありません。勉強のためにほかの人の「まとめサイト」を見ますと、僕とほぼ同時期に開始して記事数は50個くらいにも関わらず僕の10倍にあたる10万人を超える閲覧数の投稿者もいます。中には記事数が10個にも満たないのに30万ページビューを超えている投稿者もいます。
 このような「まとめ記事」を見てしまいますと、やはりその理由を調べたくなります。いったい自分との違いはなんなのだろう…。
 結論を言いますと、多数のページビューを獲得している人たちは、「まとめ記事」を投稿する以前にブログやツイッター、フェイスブックなどでコアなファンを持っている人たちでした。つまりコアなファンが「まとめ記事」を見に来ているのでした。
 youtubeの動画もそうですが、「まとめ記事」も広告がクリックされなくとも報酬が発生するのがアフィリエイトと違う点です。閲覧数によって報酬が決まりますのでとにかく動画や記事を見る人を増やすことが重要で、多ければそれが即収入になります。ですから、コアなファンを持っている人ほど有利なシステムになっています。
 僕の場合は、それが最も苦手です。ツイッターもアカウントは開いていますが休眠状態ですし、facebookなどは論外です。今はやりのインスタグラムなどはもってのほかです。僕からしますと、これらのSNSはマーケッティングの手段にしか思えません。つまり、商売っ気が強すぎるように感じてしまうのです。
 商売は大事です。大げさにいうなら商売は人間を成長させてくれます。だからこそ、商売に損得計算がありすぎることに抵抗感が生じてしまうのです。これが僕の困った点なのですが、生まれつきの性格ですから仕方ありません。
 今回の騒動のきっかけは健康に関する情報の真偽がおろそかになったことですが、それと同時に著作権違反も大きな問題です。人の著作権をないがしろにすることは人のものを盗むことと同じです。情報を発信する人はそのことに十分に留意する必要があります。
 その意味で言いますと、「まとめ記事」を掲載するプラットフォームを提供することを業務にする人たちは情報について責任を負う義務があります。これまでのスタンスは「内容については、記事作成者の責任」でしたが、そうした考えはこれからは通用しないことを肝に銘じていく必要があります。
 このような問題が起きるのは「インターネットが新しいメディアであること」が原因のように思われますが、実は既存のメディアでも、しかも大手新聞社でも起きています。
 先週、朝日新聞の朝刊真ん中あたりのページに大きく一面を使って広告を出していたのは「金運が上がるブレスレッド」の広告でした。このような記事は僕が「まとめサイト」で「信用できない広告」の例として紹介したものと同レベルの広告です。天下の朝日新聞でさえこのような状態なのは真に由々しき問題です。
 今、新聞社は広告が取れず苦労していますが、だからといって収入になれば広告がどんな内容であろうとも掲載するというのではジャーナリズムの旗が色あせるというものです。
 かつて「新聞は社会の木鐸たれ」と言われていましたが、問題のある広告を載せるのは正反対の行動です。新聞も民間企業ですから利益に対して敏感であるのはわかりますが、木鐸の面も失わないでほしいと思います。また、今後は新聞にとって代わるであろうネットメディアも木鐸を目指す気持ちを持ってほしいものです。
 じゃ、また。




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