<出会い>

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僕は今、NHKの「朝ドラ」ではなく「夜ドラ」と呼ばれている「おとなりに銀河」というドラマを見ています。あまり注目はされていないようですが、結構意外に面白いです。実は、この時間帯のドラマは以前より注目していまして、朝ドラに負けないくらい魅力的なドラマという印象を持っていました。昨年、やはりこの時間帯のドラマで真栄田郷敦さん主演の番組があったのですが、そのときは「見る」まではいかなかったのですが、好印象を持っていました。

そうした先入観がある中でたまたま「おとなりに銀河」を見る機会があり、はまったわけです。見るようになった一番のきっかけはなんといっても見逃し配信があることでした。民間ですと「Tver」がありますが、NHKには「NHKプラス」というサービスがあります。僕はそれに登録していますので時間があるときにまとめて見ています。

「Tver」にしろ「NHKプラス」にしろ、一番の長所はどこでも見られることではないでしょうか。僕の場合はデスクトップでも見られますし、ノートパソコンでも見ることができます。時と場所を選ばないのは大衆サービスで最も大切な要因です。

僕からしますと「NHKプラス」はとても使い勝手があり、以前東日本大震災のときの政府の対応をドキュメンタリー番組として放送していたことがあるのですが、あるときその番組を思い出しどうしても見たくなったことがありました。しかし、無料での視聴期間が終了しており見ることができなかったのですが、「見たい」気持ちがあまりに高まってしまい、ケチで有名な僕がわざわざお金を払ってまで見てしまいました。実際のところはわかりませんが、有料の放送サービスはこうしたことを視聴者に体験させてくことで顧客を獲得していくのかもしれません。

今見ている「おとなりに銀河」は面白いのですが、これまで見てきたドラマとは少しばかり違う視点で描いているシーンがあります。それは「編集者の描き方」です。以前、ある有名な編集者が立場の弱い作家に自らの強い立場を利用してセクハラまがいのことをしていたことをツイートされ、炎上したことがありました。

編集者と作家・ライターではだれが考えても編集者のほうが強い立場です。なにしろ作家の生殺与奪権を持っているのですから当然です。僕の想像では、おそらくテレビ業界や出版業界ではそうした認識が一般的に共有されているのだろうと思います。僕にそう思わせる理由として、ドラマに出てくる編集者のほとんどが「傲慢で横柄」に描かれていたからです。

例えば、前作の朝ドラ「舞い上がれ!」では主人公と結婚した男性・梅津貴司は詩を書くことを仕事にしていましたが、貴司の担当になった編集者は「上から目線」で偉そうに振る舞っていました。僕が見てきたドラマでは、ほとんどが編集者をそのように描いているのですが、「おとなりに銀河」では違っていました。

主人公は作家ではなく漫画家なのですが、立場は作家と同じです。その漫画家である主人公・久我一郎に対して、このドラマに登場する編集者は上から目線で横柄に接するどころか、全く真逆で謙虚に漫画家を支えサポートする編集者として登場しています。

ある回では、連載が打ち切りになった主人公・久我に編集者さんは「さし絵の仕事」を紹介しながら、「編集者は漫画家さんと一心同体だから」と励ましていました。「さし絵の仕事」を紹介するときも「恩を売る」ふうな態度ではなく、本当に謙虚に相手を気遣いながら接していたのがとても好印象でした。

これまでドラマなどで描かれていた編集者は、ほとんどの人が悪いイメージで描かれていましたので、正反対のこうした漫画家思いのやさしい編集者の描き方はとても新鮮に映りました。出版業界についてはよくは知りませんが、僕が想像するところ、編集者さんにも自らが持っている権力をかさに着て偉そうに振る舞う人と、「編集者は漫画家と一心同体」と思いながら接する人の二タイプがいるのかもしれません。

テレビ業界で出版界の編集者にあたるのはプロデューサーです。出演者の選定権を握っていますので権力を持っていることになります。プロデューサーが世間から注目されるようになったきっかけは、バブル時代の1980年代後半から90年代前半にかけてテレビ業界を席捲したトレンディドラマでしょうか。

この時代、お笑いの世界ではプロデューサーを揶揄するネタとして、セーターを着るのではなく背中から羽織り、腕の部分だけを肩越しに前のほうに垂らしているファッション姿がモノマネされていました。こうしたことからもわかるように、プロデューサーも一つ間違えますと傲慢で横柄と受け取られかねない立ち位置です。

そのプロデューサーも編集者同様に二通りのタイプがいるように思わせる話を、昨日のNHK番組「あさイチ」で耳にしました。昨日のゲストは俳優の中村倫也さんだったのですが、中村さんは「遅咲き」として知られています。注目をされたのが30才を過ぎてからだそうで、十代から芸能活動をするのが普通の世界ですので、まさに遅咲きです。

昔からですが、若手俳優の世界を見ていますと、男女ともに次から次へと美女・イケメンが出てきます。そうした中で生き残っていくのは大変だろうと想像します。本当に並大抵のことではないはずです。そんな中、僕が昨年から気になっている若手イケメン俳優に神尾楓珠さんがいます。偶然にも僕が神尾さんに注目したきっかけもNHKのドラマでした。

そのドラマは土曜の夜10時から放送されている番組ですが、ちょうど1年前に「17才の帝国」というドラマで主演を務めていました。僕はそのドラマを見て注目していたのですが、昨年後半あたりからパタリと動向が途絶えていました。ボートレースや自動車のCMなどにも出演していたのですが、昨年後半からは画面に映る時間も極端に少なくなっていたように感じていました。

ところが、先日たまたまそのCMを見ていたところ、これまでよりも神尾さんが映っている時間が長くなっていたように感じ、調べたところ「完全復帰」という記事を目にしました。記事によりますと事務所内の幹部の対立が原因だったようで、それも解決し神尾さんが完全復帰すると書いてありました。僕の好きな若手俳優さんでしたので喜んでいます。昔で言いますと「加勢大周事件」というのがありましたが、この事件はまさに事務所が原因で大変な思いをしたタレントさんの事件でした。芸能界で生きていくにはどの事務所を選ぶかで成功の可否が決まると言っても過言ではないようです。

遅咲きの中村さんでしたが、その中村さんがブレイクするきっかけになったのはNHKの朝ドラだったそうです。中村さんは「あさイチ」で「朝ドラ」に出演するまでの経緯を話していましたが、ある一人のプロデューサーさんの気遣いがあったようです。

中村さんによりますと、中村さんは20代前半の頃からNHKのドラマには大きな役ではないらしいのですが、出演していたそうです。ですが、ブレイクすることもなく過ごしていたとき、中村さんのことをずっと気にかけてくれていた方がディレクターからプロデューサーと偉くなったときに大河ドラマ出演の機会をいただいたそうです。

しかし、その大河でもあまり大きな役ではなかったらしくクランクアップ後にそのプロデューサーさんが「あまり出られなくてごめんね」みたいなことを言ってくれたそうです。そうした経緯があったあと、そのプロデューサーさんが「朝ドラ」を担当したときに重要な役に抜擢してくれたそうです。中村さん曰く「その朝ドラのおかげで一気に知名度が上がった」そうですので、ある意味このプロデューサーさんのおかげで今の中村倫也さんがいると言っても過言ではないでしょう。

いい人に出会えるかどうかは運次第ですが、「いい運に出会えるかどうかは、わからない」とだれかが話していました。

じゃ、また。




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