<時代>

pressココロ上




僕は毎日夕食を食べたあと30分~1時間ほど幾つかのサイトでニュースをチェックしています。複数のサイトをチェックするのは、情報に偏りがでないことを意識しているからですが、その際は画面の上部や右端などでネット広告を目にすることになります。

まだまだテレビにはかなわないにしても、売上高ではすでに新聞を超えているネット広告ですが、一番のメリットは広告主が見てほしい相手に届くことでしょう。僕に関していいますと、つい最近スマホを買い替えましたが、その前にいろいろな情報を調べるなど検索をしていました。その関係で出てくる広告はスマホ関連が多くなっています。

スマホ会社さんには申し訳ないのですが、すでに買い替えを終えましたので今出てきても実際は「意味がない」広告となっています。ですので理想としては「なっています」ではなく「なっていました」と過去形になるべきです。ですが、いくらAIが発達し情報が瞬時に伝わるとしても、さすがに僕が「買い替えを終えた」ことまではわからないようです。つまりは、スマホ会社からしますと「無駄な経費」となっていることなりますが、ネット広告の改善点といえそうです。

僕がニュースチェックをしているときに出てくる広告は「スマホ関連」の広告のほかには「転職」とか「独立」といった「ビジネス・仕事関連」が多くなっています。これは僕が「脱サラ」のサイトを運営していることが影響していると想像しますが、それらの広告で最近やけに目にするのが独立を勧める広告です。僕はその募集内容に不信感を持っているのですが、「不信感」といっては言い過ぎかもしれませんので、三歩譲って「違和感」という言葉にします。

その「違和感」とはフランチャイズ加盟店の募集広告なのですが、経験者の僕からしますと事実とは異なる印象を持ちます。僕が気になって仕方がないのは「フランチャイズで独立」して「自分の働きやすい環境にしよう」とか「収入を増やそう」とか「自由に働こう」という文言です。

フランチャイズシステムについての情報は、僕が加盟した30年前とは違いかなり社会に浸透しているとは思います。ですが、現在僕が目にしているネット広告からは、その「リスクが浸透していない」印象を持ちます。それが「違和感」となっています。

数か月前にも少し書いた記憶がありますが、フランチャイズシステムに加盟することは本部に運営方法を指図されることです。今では社会的またはマスコミ的注目度も収まってきましたが、一時期はコンビニのフランチャイズシステムの契約内容が物議を醸していました。「自分が休みたいときに休みもとれず」、「営業時間さえ自分で決めることができない状況」のどこに自由があるのでしょう。

フランチャイズシステムを活用している業種には、現場で作業をする業種が多いのが特徴です。つまり本部が仕事を集めて、作業は現場の加盟店に任せるシステムになっています。広告の一部には「営業は本部におまかせ」などとありますが、この一文から僕が想像するのは「本部の奴隷」状態になることです。

営業を苦手にしている人は意外に多いので「営業は本部におまかせ」というキャッチコピーは広告を見ている人の心に響くかもしれません。しかし、「本部におまかせ」を視点を変えるなら「本部の下請け」になることです。仮に、本部が営業で多くの仕事を集めたなら、その仕事をすべて完了させる義務を負うことになります。仮に、本部が現場ではさばききれないほどの仕事量を紹介してきたとき、深夜までかかって終えることになります。ときには徹夜になることもあるかもしれません。これでは「下請け」どころか「奴隷状況」です。この状況のどこに「自由」があるのでしょう。フランチャイズに加盟する際は、そのことにも十分に留意することが必要です。

本当の意味で「自由な働き方」といいますと、小学生のなりたい職業で1位になったこともある「youtuber」でしょうか。視聴回数さえ稼げたなら、すべて自分のペースで活動することができます。しかし、すべての独立した人に当てはまりますが、収益を獲得するためには通常以上の努力が必要です。その努力には「自分のペース」などはあり得ず、収益を獲得するためのペースを発揮・維持できる人のみが職業・生業として成り立たせることができます。

youtuberの草分けであるHIKAKINさんの書籍などを読みますと、ほとんど一年365日働いている印象を受けます。大分前に、「自由になればなるほど、自分の才能に縛られる」という言葉を知りましたが、「才能」とともに「自分を管理する能力」も入ってくるように思います。そうでなければ1年中働けるものではありません。そして、その状態は「自由」とはほど遠いものです。

ニュースチェックをしていますと、ポータルサイトを見ることもありますが、そのトピック欄で最近少しばかり思うことがあります。トピックはそのサイトの運営者が世の中にあるたくさんの情報の中から視聴回数が上がりそうなニュースを選択しているわけですが、そこに選ばれるということはある意味、社会に認められたことを示しています。

そのトピック一覧で最近見かけることが多くなったのが格闘系のyoutuberたちです。トピックに選ばれるということは認知度が上がったことの裏返しでもありますが、これは「卵が先かニワトリが先か」同様正解はありませんが、どちらにしても一般の人たちに知られるようになっているのは間違いないところです。

例えば、瓜田純士さんというyoutuberがいます。この方は、僕が最近取り上げることが多い朝倉未来選手がアドバイザーを務めているBREAKING DOWNで注目されるようになった方ですが、「アウトローのカリスマ」の異名を持つほどの経歴の持ち主です。僕が瓜田さんの名前を知ったのは数ヶ月前ですが、youtuber界隈では1年以上前あたりから注目されていたようです。

しかし、youtuberの世界で有名になるのと一般社会で有名になるのでは本当の意味での知名度という点では全く違います。やはりyoutuberの世界は一般社会に比べますと狭いですので知名度の点では落ちるのが現実です。しかし、ポータルサイトで記事になるということは一般社会に認知されたことですのでその効果は大きなものがあります。瓜田さんのサイトの視聴回数はさらにアップするでしょう。

瓜田さん自身も話していますが、アウトローでしかなかった人間が収入を得るにはネットの世界は最適です。というよりも「ネットしかない」のほうが正しい言い方かもしれません。なにしろ瓜田さんは顔じゅうに入れ墨が入っているのですから。

瓜田さんのような、昔ですと普通の社会人になれないような人生を歩んでいた人が収入を得られるようになったのは、時代が変わったからです。「時代」が自分に合うようになっていることが成功する一番の条件です。

僕が本を紹介するコーナーで一番最初に紹介したのは板倉雄一郎三という方の「社長失格」という本ですが、この方は今から30年以上前にネット広告のシステムを開発したIT起業家です。最終的には時代の先を行き過ぎていて倒産してしまうのですが、時代が違っていたなら失敗社長ではなく成功社長になっていたかもしれません。

このときのIT会社の副社長は、つい先ごろ株式会社KADOKAWA代表取締役社長に就任した夏野剛さんです。夏野さんの現在の状況に至るまでを書く余裕はありませんが、夏野さんの現在の成功はまさに時代がマッチするようになったからのように思います。

進化論のダーウィンさんは「生き残る種とは、最も強いものではない。最も知的なものでもない。それは、変化に最もよく適応したものである」と言ったそうで、生物学者の福岡伸一さんもなにかの記事で「強いものが生き残るのではない、環境に適応したものが生き残るのだ」と話していました。

ですが僕は、変化をする側だけではなく、変化を受ける側つまり環境側も変化を受け入れられるように変わっていく必要があるのではないか、と思っています。よく「時代の先を行き過ぎた」などと言いますが、先ほどの板倉さんにしても時代がもう少し進んでいたならホリエモンさんになっていた可能性もあるのですから…。

どちらにしても、周りに適応することは生き残っていくうえでとても重要です。ちなみに僕は、妻に適応していくことで現在の居場所があります。

じゃ、また。




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