<インパクト>

pressココロ上




 あることを世の中に知ってもらうためには如何にしてインパクトを人々に与えるかが重要です。イ ンパクトが強ければ強いほど見ている人聴いている人に強い印象を残すことができます。
 選挙戦に突入し各政党の幹部や党首の方たちがテレビ番組に出演していますが、番組を見る姿 勢を政策ではなく、どのように演出してインパクトを与えようとしているかという視点で見ると興味深 く感じられます。
 私が気なる点は出演者の方々がモニターを見ていることです。話している本人が目の前にいるに も関わらず話している人を見るのではなくモニターを見ています。そして自分がモニターに映ったと きに視線を上げています。こうした動作からは政策の核心を伝えることよりも「伝えるテクニック」を 重視しているように感じられてしまい私としてはあまり好感は持てません。
 ある番組を見ていましたら政党の幹部が討論をしていました。その中で普段は冷静な雰囲気の ある与党の閣僚が野党の幹部に対していつもより執拗に口調厳しく問い詰めていました。私には 明らかに視聴者を意識したパフォーマンスに見えました。また番組の最後の画面、つまりコマーシ ャルに入る直前に発言をしたことも計算してのことのように感じました。それは以前読んだ本に「コ マーシャルに入る直前に発言した人の意見はその討論に”結論めいた印象”を与える」と書いてあ ったからです。この幹部は元大学教授でありそうしたテクニックにも長けているはずですしもし長け ていないとしてもアドバイスするブレーンがいることは容易に想像できます。
 テレビでインパクトを与えたほうが勝つと言われたのはアメリカ大統領選でのケネディ氏とニクソ ン氏の戦いが最初でした。テレビ討論が行われる前まで劣勢であったケネディ氏がテレビ討論会 を機に一気に逆転したのでした。それほどテレビに映る映像はインパクトがあります。
 民主党の岡田氏はテレビに映るときはワイシャツにネクタイ姿で必ず「袖まくり」をしています。こ うした服装もアドバイスする人がいるでしょう。あのファッションスタイルは岡田氏の個性を上手に表 していると感じますので個人的には好感を持っています。
 ここでちょっと今回のコラムの視点からは外れますが…。
 先日、民主党の小沢一郎氏の家の前を歩いて通りました。表札が掲げてあり大きなお屋敷で警 察官が詰めていましたので「もしかしたら」と思いあとで調べてみましたらやはりそうでした。「警察 官が詰めている」に関連して続けますと私は森前首相の家の前も通ったことがあります。仕事で定 期的に訪問する家の途中にやはり警察官が詰めている家がありあとで調べましたら森氏の家でし た。前に週刊誌が森氏の転居を報じていましたが私は週刊誌より早く知っていました。なぜかっ て? だって警察官の詰め所が撤去されていましたから。
 話を戻しまして…。
 岡田氏のファッションスタイルまでは私の中で許容範囲ですが、それ以上の視聴者を意識したパ フォーマンスは「計算高い」「上辺だけのテクニック」と感じてしまいます。そうは言いましても私自身 がそれほどテレビ映りのテクニックに詳しいわけでもありませんのでほかにもテクニックはあるかも しれません。もしかしたら私自身も気づかないでパフォーマンステクニックに陥っている可能性もあ ります。そうしたことも自覚しながら投票しなければと自戒しています。
 話は変わりまして…。
 先週の週刊ダイヤモンドは「労働保険の闇」について特集していました。以前のダイヤモンドでは 社会保険庁についても追及した記事がありましたが、こうした姿勢にはとても感銘を覚えます。一 般の人にはなかなか知られることのない社会の闇を報道することがジャーナリストの真骨頂のは ずです。昔から「官主導の政治から政治家主導の政治へ」とは言われていますが思うように実現し ていません。今回の選挙では官僚に負けない政治家を選びたいものです。
 最近、トシのせいか頭に思い浮かべている言葉を思い出せないことがあり、今週のこのコラムで も「インパクト」という単語が出てこなくて困ったんですねぇ。我ながら情けない…。
 因みにアニメの女の子が「テクマクマヤコン・テクマクマヤコン」と言いながら魔法をかけるときに 使う小道具は「コンパクト」ですから!
じゃ、また。




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