<衒学>

pressココロ上




  すべての知識は衒学である
 この箴言は僕が座右の銘としているものですが、衒学とは「知識を見せびらかす」ことです。あなたの周りにもいませんか? 知っていることを自慢げに話す人。あぁ、いけねぇ!僕もそのひとりだった…、なんちゃって。
 僕にはあとひとつ座右の銘がありまして、それは
  人の患いは、好んで人の師と為るに在り
 この意味は「人の苦悩というものは、好んで人の師匠となって教えたがることにある」ということですが、あなたの周りにもいませんか? すぐに教えたがる人。あぁ、いけねぇ!僕もそのひとりだった…、なんちゃって。
 人間というのは優越感を持つことに快感を覚えるようにできているようで、「教える」という行為は自分が偉くなったように錯覚させる効果があります。
 いつ頃のことだか忘れてしまいましたが、間違いなく10年以上は経っていると思います。あるIT経営者が雑誌の取材に対して「これからは知識などいらなくなる」と話していたのが印象に残っています。その理由は知識はパソコンから取り入れれば済むからです。実際、知識の量でいいますと、人間は絶対にパソコンにはかないません。何しろ、パソコンは機械ですから、いくらでも知識を増やすことができます。人間がそんな相手にかなうはずがありません。
 ですから、IT経営者は知識はパソコンに任せてこれからの人間は考えることに特化すべきだと話していました。僕は「なるほど!」と合点したのでした。
 先日、ニュースを読んでいましたら将棋対決について面白い記事が載っていました。現在、プロ棋士とPCソフトの対戦が行われているらしいのですが、その対戦の中でプロ棋士の側が珍手を指して勝利を納めたことを報じていました。
 その珍手とは「角不成り」です。普通は、角でも飛車でも歩でも「成った」ほうが戦闘能力が上がりますので「成る」のが当然です。ですが、プロ棋士は敢えて「成らず」に角を指したのでした。
 では、なぜソフトが負けたのかといいますと、そのような将棋の指し方に対するプログラムが組まれていなかったからです。この対戦の勝利の判定理由はPCソフトの反則負けということでした。
 調べてみますと、これまでにプロ棋士とPCソフトの対戦は幾度か行われており、当初はプロ棋士が勝利する率のほうが高かったそうです。しかし少しずつプログラムが改良されて徐々にソフトの勝利率が高まってきたそうです。そんな中での珍手でしたのでニュースになったようです。
 しかし、この将棋対戦もよく考えてみますと、プロ棋士とソフトの対決というよりはプロ棋士とエンジニアの対決といったほうが正しいかもしれません。ソフトはエンジニアがプログラムしているからです。プログラムをどのように組むかが勝利の鍵になっています。それを証明するかのような珍手での勝利でした。
 たぶんソフトはこれまでの将棋の対戦記録を記憶させることが土台になっているはずです。ですから、知識量はプロ棋士に負けないだけのものはあるはずです。そしかしたならプロ棋士以上かもしれません。それでもその知識を活かすことができないと負けてしまいます。大切なのは知識ではなく知識の活かし方です。そして、それができるのは人間だけです。…今のところは、と付け加えておきましょう。
 もうすぐソフトバンクが一般にも売り出す予定のペッパーというロボットを見ていますと、鉄腕アトムのような世界もまんざら夢ではないように思えてきます。
 もし、ロボットが人間社会に溶け込んでいるような社会になったなら、知識の量などにおいて人間がロボットに全くかなわない場面にしょっちゅう出くわすことになります。それが進んでいきますと、ロボットは「自分が人間よりも偉い存在」と勘違いすることもあるかもしれません。そうしたことにならないように、ロボットが人間社会にデビューするときは冒頭の2つの箴言を教えることを義務づけるべきです。
 ところで…。
 現在、仕事を効率的に作業するためにエクセル関係の勉強をしています。具体的には、約千件の住所録を複数人の担当者に曜日ごとに振り分けるスケジュールを組むことです。ですが、これまでほとんどエクセルに触れたことがなく、単に表を作成するくらいしか活用したことはありませんでした。しかし、今回はもう少し高度な扱い方を取得する必要がありました。
 エクセルで効率的といいますと、やはりVBAというプログラムです。本やネットなどでいろいろ調べつつ、少しずつ勉強をしていました。しかし、簡単に身につくものでもなく、時間がかかりそうだなぁっと思っていました。
 そうしたときに知ったのが関数です。これが実に便利なものでVBAを勉強しなくとも僕のやりたいことができることがわかりました。
 先週、ようやっと関数を入れた表が完成したのですが、いやぁ、ホント、パソコンを考えた人は偉い!ですよね。そんなことを感じ入った先週でした。
 じゃ、また。




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