<問題だよなぁ>

pressココロ上




僕は変な考えをするタイプの人間ですので、ちょっと普通の人とは違うことを考えたりするのですが、どうして世の中には矛盾していることや不公平なことが多いのかなぁなんて考えちゃいまいう~。
最近、「なんか矛盾してるよなぁ」と一番思ったのはコンビニの本部がコンビニオーナーに行った研修についてのニュースです。この研修は、今年の初め頃にコンビニオーナーがアルバイトの人に対して違法な働き方をさせていたことが報じられたことを受けてのものです。
記憶にある方も多いでしょうが、アルバイトの人が急に休んだりしたときに罰金と称してお給料を減額していたり、アルバイトの人に強制的に商品を買わせたりしていることが報じられました。こうした行為は普通の感覚で考えたならどう考えても理不尽です。ですから、研修などするまでもなく常識的な感覚を持っているオーナーさんならしないはずですのでわざわざ研修までする必要はないように思えます。その証拠にほとんどのコンビニではアルバイトの人に対してそのような働かせ方はしていません。
僕が「矛盾している」と感じたのは、加盟店に対して「アルバイトを雇用する際の正しいやり方」を指導する本部の姿勢です。なぜなら、本部は加盟店に対してそれ以上に理不尽な対応をしているからです。最近はコンビニ本部と加盟店の不公平な関係が一般の人にも知られるようになってきました。そうした状況になったのもインターネットが普及したからですが、ネットの効用と言えます。
(興味のある方はご覧ください⇒http://blog.yam5.com/archives/42)
以前からコンビニ本部の問題点は指摘されていましたが、大きな報道と言いますか、流れにならないのはコンビニがテレビ局や新聞の大口の広告スポンサーだからです。ですから、民間のテレビ局では難しいですが、スポンサーとは関係のないNHKではコンビニ本部の問題点を取り上げていました。
(興味のある方はご覧ください⇒http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3894/1.html)
コンビニ本部が加盟店に注意を喚起している問題点は、まさに本部が加盟店に行っていることです。そして、それを違法ではなく堂々とできるのはフランチャイズシステムという特殊な契約内容だからです。この契約内容は、普通の感覚で考えますとどう見ても理不尽としか思えない内容です。例えば、お店を休んだなら多大な違約金を取られますし、強制的に商品の購入を迫られています。こうした状況を理不尽と言わずなんと言いましょう。そのような対応をしている本部が、加盟店に「正しい対応をしましょう」と研修していることに僕は矛盾を感じたのです。
僕はテキストやコラムで書いていますが、フランチャイズシステムであるコンビニの経営法を批判しています。ですが、最近になり少し考えが揺らいでもいました。理由は、僕が長年年賀状のやり取りをしている二人の方がコンビニの加盟店を営んでいるからです。
このお二人の方はもう20年以上続けています。そして、驚くべきことに一人の方はお子さんにコンビニを継がせていますし、もう一人の方は息子さんに2店目を出店させています。もし、コンビニ経営にあまりに問題点があるのであればお子さんに継がせたり息子さんに2店目を出店などさせないでしょう。そうした事例が身近にありましたのでちょっと考えに揺らぎが生じたのでした。
ですが、先月の東洋経済という週刊誌で加盟店主の座談会のような記事があり、それを読みますとやはり加盟店主の理不尽な立場は残ったままのようでした。ですので、批判する気持ちが強くなっています。
コンビニ本部は幾つかあり、それぞれの本部により加盟店への対応に違いはあります。ですが、共通しているのは「店舗を自前で用意できる人」と「そうでない人」では契約内容に大きな違いがあることです。「用意できる」とは土地を持っていたり建物を持っていることです。もちろん「店舗を自前で用意できる人」は「そうでない人」に比べ本部から支払われる報酬の割合なども含めてその他諸々なことが有利な条件となっています。
こうしたことから考えますと、僕の知り合いの人たちはもしかしたなら有利な条件で契約をしている人かもしれません。そうでなければ「余程立地条件がよくて売上が好調である」と考えられます。名目上としての立場は経営者ですのでお給料がもらえるわけではありません。それでもお子さんたちもコンビニ経営に参加しているのですからある程度の売上げがあることが想像できます。
問題は「ある程度」の金額です。先の経済誌では20代のサラリーマンとおおよそ同額の収入額が書いてありました。また、NHKの番組でも同じような金額を報じていました。こうしたことから想像しますと、この金額でほぼ間違いないように思います。サラリーマンとあまり変わらないのであれば、人によってはこの金額で納得する人もいるかもしれません。一応は一国一城の主なのですから、その満足感もあります。しかし、サラリーマンとは労働時間が圧倒的に違っています。
問題はさらに深くなっていきます。契約上の立場は経営者ですので雇用されているわけではなく労働者として保護されることはありません。ですから、どんなに長時間働こうが自分の責任の範囲ということになります。ところが、オーナーはお店の営業時間を短くすることも休日を設けることも自分で決めることができない身分なのです。いったいどうして、休業日を自分で決められない立場の人が経営者なのでしょう。僕はそこに矛盾を感じます。もし、営業時間を変更したり休んでしまったなら多大な違約金を取られることになります。そんな経営者がいるでしょうか。
僕がコンビニのフランチャイズシステムで最も憤りを感じるのは本部と加盟店の関係が不公平なことです。加盟店側がとても不利な契約内容になっています。その根本的な要因は「本部にがんじがらめに縛られているにも関わらず法的な立場は経営者になっている」ことです。「なっている」というよりは「させられている」のほうが正しい表現かもしれません。
今回、僕が言いたいことはコンビニ本部の問題点はありません。そこで働いている人たちの心の中です。コンビニ本部で働いている人たちはこのような実態についてなにも疑問や違和感を感じることはないのでしょうか。「本部のやり方は問題だよなぁ」と考えることはないのでしょうか。僕はそれが疑問なのです。
現在の米国はこれまでに比べて人種差別が大きくなっているように見えます。トランプさんが大統領になったことがきっかけと指摘しているメディアもありますが、奴隷制度を支持していた人物の銅像の撤去を巡って衝突が起きました。この騒動に関して、トランプ大統領はが人種差別をする人たちを批判しなかったことが物議をかもしています。トランプ大統領に抗議する意味で多くの側近たちが役職を辞任しています。
「私には夢がある」
これは黒人の公民権を獲得するために活動したキング牧師の言葉です。それまで黒人は大っぴらに差別されていました。レストランも区切られていましたし、トイレも白人とは別でしたし、バスの座席も別でした。そのように差別されていた時代にキング牧師は人種間の差別がなくなる時代を夢見ていたのです。その夢に向かって一歩ずつ前進している中で公然と人種差別を訴える動きが活発化していることを危惧しています。
それにしても、どうして他人を差別したがる人がいるのでしょう。おそらくそのような人たちは常に自分が有利な立場にいたい人なのでしょう。また、常に優越感を持っていたい人なのでしょう。しかし、そのような考えの人が世の中を平和にできるとは思えません。人間には誰にも悪の心があるそうです。その悪の心をしまいこんでおく努力を続けることが大切です。そのためには自分の利益だけではなく、ほかの人の利益についても常に案じる気持ちを持つことが大切です。
コンビニ本部で働いている人たちが加盟店オーナーの気持ちを考えてくれればいいなぁ。
じゃ、また。




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