<1日保険>

pressココロ上




 来月自動車保険が満期を迎えますので契約更新をしました。保険料のことだけを考えますと、ネットなどの通信販売の保険会社が安いのは間違いないのですが、つきあいの長い代理店さんがいますのでそちらの保険会社と契約をしています。
 今回更新をするに際しましてこれまでと僕の条件が違ってきていることが幾つかあります。その中で契約に最も影響を与えるのは年齢です。実は僕も知らなかったのですが、今の自動車保険は60才以上の年齢の人は保険料が高くなるように設定されているそうです。ご存知の方も多いでしょうが、保険料は年齢によって変わってきます。保険会社により区分けは違いますが、全年齢・26才以上・30才以上・35才以上などというふうに分けられており保険料は年齢が高くなるにつれて安くなります。
 昔はこのような区分けだったのですが、数年前あたりから60才以上の人の保険料が高くなるように設定されているそうです。これにはかなり落胆したのですが、ニュースなどを見ていますと高齢者の事故が多数報じられていますので致し方ないとあきらめるしかありませんでした。
 今回更新をするに際して調べていたことがありました。それは1日保険という自動車保険についてでした。僕の車は一年に一度くらいの頻度で息子が運転することもあります。ですので息子の年齢に合わせた年齢条件に設定していたのですが、一年に一度の運転のために高い保険料を支払うことに疑問を感じていました。そうしたときに知ったのが1日単位で契約することができる保険の存在でした。今週はその保険について紹介しようと思います。
 繰り返しになりますが、自動車保険の契約をする場合運転者の年齢が重要な要素となります。先に書きましたように年齢が若い人ほど保険料は高くなります。
 仮に主な運転者が親御さんの場合でも大学生のお子さんが運転することがあるなら年齢条件はお子さんの年齢を満たす年齢条件で契約する必要があります。そのように契約をしませんとお子さんが事故を起こしたときに保険を適用することはできません。
 このようなケースでは、やはり損をしていると感じるのが普通の感覚です。たまにしか運転しないお子さんに年齢条件を合わせたために高い保険料を支払うのですからそう感じるのも当然です。しかし、これまではこれしか方法がなかったのですから仕方ありませんでした。
 ところが…。
 数年前より大手保険会社が利用者の利便性を考えた自動車保険を販売しています。「ちょいのり保険」とか「1day保険」などという名称ですが、要は1日単位の自動車保険です。そして保険料は1日わずか500円です。この保険料で対人対物の補償が無制限で搭乗者保険も一千万円補償されています。因みに、僕は保険会社の回し者ではありません。
 この保険の登場によりこれまでお子さんの年齢に合わせていた年齢条件を親御さんの年齢条件に設定することが可能になります。お子さんは、自分が運転をする際に1日単位の保険を契約することになります。つまり、親の保険とは別に自分専用の保険を契約することを意味します。
 このようにたまにしか運転しないお子さんに1日単位の保険に加入してもらうことで親の年齢条件に設定できるのは大きなメリットです。しかし、真のメリットは違うところにあります。それは保険料が決まる要因である等級の独立性が保たれることです。
 自動車保険は時代とともに保険内容がどんどん変化していますが、そのひとつに事故が起きたときの等級制度があります。ご存知の方も多いでしょうが、等級制度とは等級により割引率が決まる制度です。初めて加入する人は6等級から始まり無事故を続けることで毎年等級がアップしていきます。ほとんどの保険会社は20等級が最高で割引率は60%あまりです。この数字を見ますと、無事故を続けて等級を上げることがどれだけ得になるかわかるというものです。
 無事故を続けますと等級が上がるのですが、反対に事故を起こしてしまうと等級が下がることになります。事故の内容にもよりますが、対人対物の事故の場合は3等級ダウンしてしまいます。12等級だった人が対人事故を起こしますと3等級ダウンして9等級になってしまうのです。つまり保険料が高くなります。
 等級制度とはこのようなものですが、仮にたまにしか運転しない息子さんが事故を起こした場合でも親御さんの等級が下がることになってしまいます。これほど理不尽なことはありません。自動車保険が「契約者の立場になっていない」と感じる一番の点です。お子さんの年齢に合わせることで高い保険料を支払わねばならず、さらにたまにしか運転しないお子さんが運悪く事故を起こしたばかりに保険料がさらに高くなるのですから契約内容が保険会社本位になっていると言われる所以です。
 これだけも契約者に不利な内容を押し付けていると感じますが、数年前よりさらに保険会社本位と思われる変更が行われています。それは等級がダウンした場合の保険料についてです。
 昔は10等級の割引率はひとつしかありませんでした。例えば、ある保険会社では17等級の割引率は57%ですが、この割引率はどのような経緯であろうとも17等級の人全員に適用される割引率でした。
 しかし、数年前もこの割引率に変更が行われました。その変更とは「9等級からアップしたケース」と「20等級の人が事故を起こして3等級ダウンしたケース」で割引率を変えるようにしたのです。つまり、同じ17等級でも適用される割引率に違いを出したのでした。
 先の例で説明しますと、16等級の人が無事故でアップして17等級になったときの割引率は57%ですが、事故を起こし3等級ダウンした人の17等級の割引率は38%とかなり低くなっています。その差約20%は決して少なくない数字です。
 保険会社はそれぞれを「無事故等級」と「事故有等級」と名付けているようですが、この2つの割引率には大きな開きがあります。さらに「事故有等級」が適用されるのが3年間というのも大きな負担となります。
 お子さんが親御さんとは別の保険に加入する一番のメリットはここにあります。お子さんのたった一度の事故が数年間も不利な保険料として親の保険料に影響を与えることを防ぐことができるのです。
 このように運転者にとってとても使い勝手のある保険ですが、あまり世の中に知られていないように感じます。みなさん、このような便利な保険を使って保険料を下げる工夫をしましょう。
 じゃ、また。




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