<e-tax>

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フリーランスや個人事業主の方にとって面倒な季節がやってきました。確定申告です。しかし、普段からきちんと帳簿付けをやっている人ですと大して手間をかけずに申告書を作成することはできます。今の国税庁のサイトは本当に便利で使い勝手がよくなっていますので、国税庁のサイトの「確定申告コーナー」を利用しますと本当に簡単に作成、提出することができます。

「普段から帳簿付け」と書きましたが、その帳簿付けも昔に比べますと格段に便利になっています。特に最近は「無料」をうたうサイトやソフトが幾つも出回っていますのでそれらを使う方法もあります。とはいえ、僕はそうしたソフトは使っていません。やはり心のどこかに「タダほど恐いものはない」という疑いの気持ちがあるからです。

僕の本を紹介するコーナーでは「ソフトがついている確定申告の本」を載せていますが、青色申告のやり方を学びながらソフトも使えますので便利と思っています。本の代金は発生しますが、ネットの「無料ソフト」を利用するよりも本の代金が発生する分、安心感を持てるような気がします。

「ソフトがついている」と書きましたが、一つ条件がありましてそれはwindowsの「Excel」を持っていることです。それがありませんとこのソフトは使えません。ネットで「会計ソフト」を検索しますと、2,000円以下で紹介されているものがありますが、そうしたものは注意が必要です。「ソフト」がついているのではなく、単に「解説をしているだけの本」のケースがあるからです。

きちんと使える会計ソフトは最低でも5千円くらいはします。ちょっと名の知れたソフトですと優に1万円前後もしくはそれ以上の価格になっているのが普通です。ですので、手前みそになりますが、僕が紹介している本はなかなか使い勝手のある本と思っています。

自画自賛はこれくらいにしまして僕自身の帳簿付けについて書きたいと思います。元々僕は税理士さんに帳簿付けから確定申告までをお願いしていたのですが、業績の悪化から顧問契約を解消することにしました。それをきっかけに自分で確定申告をするようにしたのですが、その際に困ったのが帳簿付けです。

青色申告特別控除65万円をもらうには複式簿記をする必要があるのですが、いちいち自分で帳簿に記入をするのはあまりに手間がかかります。そこで思いついたのが本に添付されている会計ソフトでした。当時はそうした本がなかなか見つからず困っていたところ、家から少し離れた本屋さんでようやっと見つけました。当時はamazonなどありませんでしたので本屋さんを回るしか方法はありませんでした。

その本は、大村あつしさんという方が書いた「Excel2000による財務会計/減価償却」という本ですが、「おお!まさにおいらが探し求めていた本」と感激しました。取引を打ちこむと自動的に「転記」も行われ、仕訳から総勘定元帳、損益計算書・貸借対照表までも作成してくれる優れものでした。

以降そのソフトを使っていたのですが、何年後かに不具合が出るようになってきました。同じ本を購入しようかと思い調べたのですが、残念ながらこの本は廃版になっていました。しかし、時代が進み無料でのソフトも出回るようになっており、ソフト紹介サイトで幾つかのソフトを試したあと一番使いやすそうなソフトをダウンロードし使っていました。

実は、無料の会計ソフトはそれほど多くはなく、有料のもののほうが数が揃っていました。先ほど書きましたように、本式の会計ソフトですと1万円~2万円以上しますのでそちらに移行するのはやはり躊躇していました。そんな中探し当てたのが「♪nyao soft♪アプリ」という会計ソフトです。シンプルで使いやすく、ある程度カスタマイズ性もありましたのでとても重宝していました。

ところが、人間というのは元来「浮気性」なのでしょう。昨年の3月頃、「もう少し便利そうなものないかぁ」などと思ってしまいました。すると、なんとmicrosoft「aoiro」という会計ソフトを無料で配布しているではあ~りませんか。確かそのときに、このコラムで紹介したように覚えていますが、「浮気性」の僕はついつい「♪nyao soft♪アプリ」から「aoiro」に乗りかえってしまったのでした。

もう想像力豊かな読者はおわかりでしょう。「乗り換えてしまった」と「しまった」という言い方が僕の心中を物語っています。悲しいことに、僕は今年の確定申告時に後悔する羽目になったのです。話は逸れますが、最近「〇〇な社会になってしまう」という言葉遣いで心中が露わになり、世論から批判されたどこかの総理大臣がいましたっけ…。人間というものは口から発せられるちょっとした言葉の端端に本当の気持ちがにじみ出てしまうものです。気をつけねば…。

それはともかく「aoiro」に乗り換えて、先月まではとても喜んでいました。前に使っていた「♪nyao soft♪アプリ」よりも見栄えがいいですし、使い勝手も数段よかったからです。ところがところが…、最後の最後に大どんでん返しが待っていたのです。

その「大どんでん返し」につきましては、よくテレビ番組で「解答をCMのあとにひっぱる」ことがありますが、それを真似てあとに回し、先に「e-tax」の話をしたいと思います。毎年確定申告の時期になりますと税務署から「通知」がくるのですが、数年前から「e-tax」を勧める文面が記載されていました。

実はこれまでにも「e-tax」で提出することを考えたことがあるのですが、手続きが複雑そうに思えたことと青色申告会に提出することのメリットを考え併せた結果、まだ時期尚早と思っていました。青色申告会に提出メリットとは申告内容をチェックしてもらうことです。これまでにも幾度かチェックによって間違いを修正したことがありましたのでそのメリットを手放すのは「いかがなものか」と天秤に諮っていました。

しかし、「e-tax」にすることで青色申告控除額が10万円違ってくるのはやはり魅力的です。そこで今年思い切って挑戦することにしました。「e-tax」にはいろいろなやり方があるのですが、僕はマイナンバーカードも持っていますのでそれを利用することにしました。やり方についてはYouTubeに国税庁や税理士、体験者などがたくさんアップしていますのでそれらを見て勉強しました。

先ほど「手続きが複雑」と書きましたが、手続きには提出する前段階として利用するための事前準備も必要なのです。それが複雑と思わせていたのですが、いろいろなサイトでなんども勉強しながらどうにか「事前準備」を完了させることができました。「事前準備」さえ終えますと、実はそのあとの決算書や確定申告などの作成はこれまでと同じでしたので戸惑うこともありませんでした。しかもちゃんと青色申告特別控除額が最大金額になっていましたのでとても喜んでいます。

こうして無事に「e-tax」を終えることはできたのですが、少しの不安は「e-tax」を利用することで青色申告会のチェックを受けずに提出していることです。それだけが気がかりですが、家にいながら確定申告ができるのはとても便利でした。実に進歩した時代になったものです。

では最後に「大どんでん返し」について書きます。確定申告をするために会計ソフト「aoiro」で損益計算書や貸借対照表などを印刷していたのですが、総勘定元帳を印刷する段になってそれができないことがわかったのです。モニターの画面で見ることはできるのですが、印刷するためにはなんとオプション代金数千円を支払わなければいけない仕様になっていたのです。

「えー!? ズルい! うそぉー!」と僕は思わず叫んでしまいました。最初からそうした仕様を目立つように明示していたなら文句も言いません。しかし、「無料」を前面に出し、いかにも優し気に近づいてきて、最後の最後にお金を支払わなければ肝心なページを印刷できない仕様になっているのでは愚痴の一つも言いたくなるではあ~りませんか。

言うまでもなく印刷しなければ帳簿の保存はできません。それでは法律違反になります。「クソー、、、」。

しかし、これであきらめる僕ではありません。僕は一計を案じました。画面を印刷することにしたのです。僕は総勘定元帳を一ページずつイラストソフトにコピーし、それを印刷することにしました。少しばかり時間を要しましたが、元々取引が多いわけではありませんので苦労することなく総勘定元帳をすべて印刷することができました。めでたしめでたし。

なお、今年はまた「♪nyao soft♪アプリ」に戻そうと思っています。やっぱり浮気はいけないですよねぇ。

じゃ、また。




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