<ジャニーさんと秋元さんの違い>

pressココロ上




ジャニー喜多川さんが亡くなったとき、所属するタレントの方々がいろいろなコメントを述べていましたが、全員の方に通じていることは「ジャニーさんに対する感謝の気持ち」でした。それほど全員がジャニーさんを慕っていたことがわかります。

現在のジャニーズ事務所はジュニアも含めた10代から50代まで幅広いタレントがいますが、感心するのは全体的に統率が取れていることです。先輩後輩の関係もきちんと守られていますし、先輩が後輩の面倒を見るという風潮も受け継がれているようです。

現在タレントのトップを務めているのはマッチこと近藤真彦さんですが、すでに50代半ばですので今の若いファンからしますと、立派なオジサンです。それでもジャニーズのトップを務めているのですから事務所の統率が取れていることのなによりの証拠です。

僕は60才過ぎですが、僕の年代でジャニーズと言いますと、4人組みのフォーリーブスと郷ひろみさんです。実際は、その前に「ジャニーズ」というグループがタレント第一号だそうですが、僕には記憶がありません。そのジャニーズのメンバーの一人が「あおい輝彦さん」ですが、僕が知っている「あおいさん」は一人で「二人の世界」を歌っている姿と時代劇で活躍している姿です。

フォーリーブスには「おりも政夫さん」という方もいましたが、「おりもさん」はタレントが司会者になるはしりの方で、テレビ番組の水泳大会などで司会者を務めていました。今の中居君の原型を作った人といってもいいかもしれません。

中高年の方ですと記憶にあると思いますが、ジャニーズ事務所の創業者であるジャニー喜多川さんにはネガティブな噂が流れたことがあります。その内容は「ジャニーさんが少年たちに卑猥な行為をした」というものです。その暴露本をだしたのが、フォーリーブスのリーダーだった北公次さんです。

当時は写真週刊誌全盛の時代でしたが、北さんが暴露本を出すということで、対応策を練るためにほかのメンバーが道路の一角に集まっている写真が報じられました。自分でも不思議なのですが、僕はその写真がきれいに頭に刻み込まれています。北さんを除くほかの3人のメンバーの深刻な表情が写っていました。

北さんは2012年に63才という若さで亡くなるわけですが、覚せい剤で逮捕されたこともあったりとか、そほかの生活の荒れぶりから察しますと、北さんが周りの大人に利用された印象はぬぐえません。もし、事実であったならジャニーズがあれほど隆盛するはずがないからです。

ジャニーズと言いますと独立騒動もお家芸ですが、タレントは売れますと金銭面も含めて自分の思いどおりに仕事をしたいと考えるようになります。タレントの独立は事務所からしますと「裏切り」以外のないものでもありませんので、週刊誌などでは軋轢が報じられることが負いですが、僕はジャニーズ事務所は独立するタレントに対しても温かい対応をとっているように感じていました。

確かに、独立したタレントがテレビ界から干される事実はありますが、それはジャニーズ事務所の仕業というよりはテレビ業界全体の構造がさせているように思います。また、どんなタレントでもピークが過ぎますと安定時期になりますが、ジャニーズはそうしたタレントへの対応もしっかりとしています。

例えば、初期にデビューした「ジュニア・スペシャル」というグループに板野俊雄さんという方がいました。「ジュニア・スペシャル」はあまりパッとした活躍はありませんでしたが、板野さんはその後違うグループに参加したり、さらにその後は後輩たちのダンス講師なども務めています。ある番組でジュニアが練習する様子を写した映像に板野さんが講師として出てきたときは、ジャニーズ事務所の懐の深さに感激した思い出があります。

また、現在タレントのトップを務めている近藤真彦さんはピークを過ぎたあと、レーシングドライバーにも挑戦しているのですが、それを認めたジャニーさんの決断はタレント個人の人生を思い遣っていることを示しています。近藤さんがレーシング業界で立派な成績を残しているのはご存知のとおりです。

さらにジャニーズ事務所に驚かされるのは、なにかの記事で読んだのですが、近藤さんがレーシング業の資金繰りのために「タレント活動を再開したい」とジャニーズさんにお願いしたときも、しっかりとサポートをしてくれたそうで、近藤さんはその記事で感謝の言葉を述べていました。

先だってジャニー喜多川さんがお亡くなりになったときに、ジャニーズ関連の番組を見かけることが多かったのですが、それを見ながら「AKB」の秋元さんとの違いを考えていました。どちらも若い子をタレントとして売り出すプロデューサーの仕事をしています。ですが、どこか・なにかが違うように感じていました。

いろいろ考えた結果、その違いは「タレントの人生に対する責任ではないか」と思いました。ジャニーズ事務所は、売れないタレントでも真面目に努力をしていればその努力を認め、報いようとする姿勢がみられます。

最近『ジャニーズは努力が9割』(霜田明寛・著/新潮社)という本が出たのですが、ジャニーズのタレントの方々を見ていますと、それを実感します。実は、ジャニーズのタレントをよくよく見ますと「イケメン」は意外に少ないのです。つまり、「外見以外のなにか、光るもの」で人間を判断していることの表れです。そして、さらに「努力」をして初めてタレントして売れるのです。

それは今までのタレントの方々の活動を見ていますとわかります。少しでも手を抜くと売れなくなることをみんながわかっており、仮に結果が出なくても日々コツコツと真面目に生きていく姿勢を認める風潮があるように感じます。

それに対して「AKBグループ」は、単に売ることだけが目的のように映ります。「売れ」さえすれば、あとは「野となれ山となれ」です。ですから、タレントのその後についてまで責任を負っていないのです。その証拠にAKBは縦の関係が希薄です。さらに言いますと、横の関係もギスギスしているように感じられます。そのようなグループがタレント個人にいい影響を与えるはずはありません。

もちろんAKBの場合、それぞれのタレントが所属している事務所が違うということが最大の要因と言えるかもしれません。しかし、事務所の違うタレントを集めてグループを作るという発想がすでにタレントを軽視しているように思えてなりません。

ジャニーさんと秋元さんの一番の違いは、タレントの人生に責任を持つかどうかにあります。

「ユーは、そう思わない?」

じゃ、また。




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