<判断の責任力>

pressココロ上




先週、ようやく確定申告を提出してきました。僕は毎年確定申告は受付期間の前に提出するのを喜びとしているのですが、今年はなぜかそのような気分にならず遅くなってしまいました。

本来ですと2月15日~3月15日が受付期間ですが、今年はコロナウイルスの関係で1ヵ月延長されました。おそらく無意識のうちにそれが僕の気持ちに影響を与えたのでしょう。3月12日の提出となりました。

実は、1週間前にも持って行ったのですが、貸借対照表の数字に誤りがあり訂正する必要があり出直したのでした。「誤り」とは減価償却関連の計算違いですが、もう少し丁寧に確認していたなら防げたミスでした。今年はどうも緊張感が薄かったように思います。

僕は「青色申告会」という団体に加入していますが、そのきっかけは税理士さんにお願いするだけの余裕がなくなったことです。税理士さんをお願いしますと、やはり少なくとも年間20万円くらいは支払わなくてはいけませんのでかなりの負担です。

税理士さんに正直にお話しして顧問関係を解消したのですが、その際に「これからは、わからないことがあったら誰に聞けばいいんですかね?」と尋ねたところ教えてもらったのが青色申告会でした。

当時の会費は1ヵ月千円で年間1万2千円でしたのでそれほど負担とは感じませんでした。ですが、数年前に値上げをして年間1万8千円になってしまい、ちょっと負担感を感じています。

ラーメン店を営んでいた頃、商店会の会長さんとお話する機会があり、そのときに青色申告会の話題になったことがあります。その方は僕よりも青色申告会の加入期間が長い方でしたが、「嘘か本当か、わからないけど、青色申告会に入っていると税務署から追及されないらしいよ」と都市伝説っぽい言い方でメリットを教えてもらったことがあります。

僕は青色申告者ですが、世の中には白色申告者もたくさんいます。僕が飲食店を廃業して入った清掃会社は雇用契約ではなく請負契約でした。つまり確定申告を自分でやる必要があったのです。ちょうど確定申告の時期になったときに、ほかの皆さんのやり方を見ていましたら、もちろん青色申告などはせずに白色申告でしたが、これがもう「適当」という言葉がぴったりの申告のやり方でした。

一応会社から確定申告の用紙が配られ、また講習会のようなものもありましたが、丁寧とはほど遠く、支払い証明書(給与明細書のようなもの)に書かれている金額を確定申告書のどこに書くかを教える程度の雑な説明でした。従業員のほとんどは50代後半から60代の方でしたので、「理解している」とは思えない書き方でした。

僕が驚いたのは、その中の一人は確定申告の用紙に名前と住所だけを書いて、あとは支払い証明書を同封して郵送していたことです。その方に尋ねたところ、「毎年こうやって提出しているのよ。でもね、ちゃんとあとで納付金額が書かれた用紙が送られてくるから」と話していました。

おそらくこの方はもうちょっと丁寧に確定申告書を書いたなら、必要経費の分収入が減って所得税が減るはずです。しかし、それが面倒でこのような申告の方法をとっているのでしょうが、税務署にとっても税金が多く取れるのですから「win-win」の関係と言えるのかもしれません。

先ほど「青色申告会」に関する都市伝説っぽい話を書きましたが、それを裏付けるような話を聞いたことがあります。僕よりも20才以上年長者の知り合いの方ですが、その方は白色申告者でした。

ある日、税務署から呼び出しを受けて出かけますと、確定申告の問題点を指摘され税金を多く納めるように言われたそうです。その方は、簡単には引き下がらず言い返したりして押し問答をしていたところ、上司らしき人が出てきて「わかりました。今回は1万円だけ多く払ってもらい、その代わり青色申告会に入会してください」と言われたそうです。

ここでのミソは「青色申告にしてください」ではなく「青色申告会に入会してください」です。この話がずっと頭に残っていましたので、「都市伝説はまんざらウソでもないな」と僕には思えるわけです。

巷では、青色申告会は「税務署の天下り」と思われていますが、そうしたことを総合的に考えますと、やはり青色申告会に入会するメリットはありそうです。それにしても、職員数よりも理事のほうが人数が多いのは気分を落ち込ませます。

それはともかく12日に確定申告を済ませたのですが、その夜から体調を崩してしまいました。今コロナウイルスが世の中を騒がせていますが、僕の場合はほとんど家族以外とは会わない仕事環境ですので、コロナではないように思っています。しかし、症状的には高熱で身体がだるいのでコロナと似ていてやっかいです。

僕は普段から気管支に問題を抱えていますので、ほんの少しの体調の変化でのどを痛めることがあります。そうなりますと、咳が出やすくなりタイミングが悪いと止まらなくなることもあります。僕は電車に乗りませんので助かっていますが、もし電車など公共機関に乗る必要があったならかなり苦労していたはずです。自営業者のメリットを十分に感じています。

コロナウイルスのニュースを見ていますと、あまりに多くの解説がありすぎてどれを信じてよいのかわからなくなります。本来ですと、政府なり行政なりの報道が最も信頼がおけるはずですが、それらを否定的に批判する記事などがありますと、どこまで信頼してよいのかわからなくなります。

確かに、政府や行政の報道が100%信頼がおけるとは限らないのも事実ですので、批判する記事を取り締まるようなことがあってはいけません。報道の自由は民主主義の根幹です。ですが、国民からしますと、どれを信頼してよいのか判断に迷うことになります。

そこで、僕が考える信頼のおける情報の見抜き方を紹介しますと、それは「責任を負っている人の意見」を信頼するべきです。その際は、その情報が正しいか否かは問わないことが前提です。あとから考えて「情報が間違っていた」としても、責任を負っている情報を信頼するのがベストです。

仮に、責任を負っていない人の意見が正しかったとしても、それは「単なる偶然」にすぎません。なにしろ「意見が間違っていても、なんのお咎めも受けない」のですから、これほど無責任なことはないのです。

「誰の意見を支持するか」という判断は、大きな責任を負うことを意味します。そのことを肝に銘じて一票を投じる必要があります。

米国民向けのコラムでした。(^_^;)

じゃ、また。




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