<対物超過修理費用特約>

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僕は生命保険と損害保険に加入していますが、中にはその違いをあまり理解していない人もいるのではないでしょうか。かくいう僕自身も自分が保険代理業を営むまで保険について正しく理解をしていませんでした。簡単に言いますと、「生命保険」は命に係わる保険で「損害保険」はそれ以外、具体的に言いますと「自動車保険」とか「火災保険」とか「傷害保険」です。それ以外にもいろいろな細かい保険はありますが、一般の人が直接関わることがある「損害保険」はこの3つくらいです。

今週、僕は火災保険の満期を迎えることになっていたのですが、いろいろと思うところがあり、今週の題材にすることにしました。「いろいろと思うところ」の一番は、保険代理店の方から連絡がこなかったことです。保険の満期についての通知は保険会社から届いていました。ですので、更改の手続き忘れは起きないのですが、代理店の方から全く連絡がこなかったことに違和感を覚えていました。

その代理店の方とはかれこれ20年以上もつき合いがありますので、プライベートなこともお互いに知っているほど親しい間柄です。以前ですと、保険会社からの満期通知と相前後して代理店の方からも通知が来ていました。しかし、2~3年前くらいから満期のギリギリの時期に連絡がくるようになっていました。そのことが気になっていました。

最近の保険会社と代理店の関係は昔とはかなり違ってきています。20年くらい前までは保険会社は代理店を「大切なお得意様」という扱いで丁重に接していました。当時は、「代理店様は契約者を紹介してくれるだけでいいですよ。事務作業など面倒なことは保険会社の女性にやらせますから」という姿勢で対していました。ときには慰労会のような催しまで開いていたほどです。

まさに「代理店様」だったのですが、それが時代の移り変わりで代理店不要とまではいいませんが、小さな代理店を排除する方向へと舵を切っていきました。僕が代理店を廃業したのもそうしたことが一因ですが、保険業界全体が代理店に対する考え方を「大切なお得意様」から「外部の営業員」へと変える発想に変わっていきました。

端的に言ってしまいますと、個人で営んでいる小さな代理店は存続さえ危ぶまれる状況だったのですが、僕の代理店の方もそうした影響を受けていました。ですので、「ここ最近、更改通知の連絡が満期ギリギリになった理由」を尋ねてみることにしました。

結論を言いますと、これといった確たる理由は聞けず「たまたま連絡が遅くなってしまった」という返事しかもらえなかったのですが、代理店の方が本音を言ったのかはわかりかねています。ただ保険会社に対する不満は話していました。その不満とは「保険会社から送られてくる満期案内通知には代理店を経由せずに更新手続きができる方法が記載されている」ということでした。確かに、会社からの満期案内には保険会社と直接手続きができそうな「QRコード」が記載されていました。代理店を取り巻く環境が将来的に苦境に陥りそうな予兆が感じられます。

今週満期を迎える保険は火災保険だったのですが、来月は自動車保険も満期となります。保険会社から満期案内が届いていましたので、少しばかり早いですが、自動車保険も更改手続きを済ませることにしました。

現在の自動車保険は「免許証の色」と「使用目的」が保険料に反映するようになっています。「ゴールド免許」ですと10%の割引があり、「使用目的」は「業務用」「通勤用」「日常生活用」と3段階に分かれています。僕は5年ほど前に一時停止違反を犯していましたので「ブルー免許」になっており割引は受けられなくなってしまいました。一時停止違反をするまで10年くらい交通違反をしていませんでしたのとても悔しい思いがあります。通算しますと、僕は20年間でたった一度しか交通違反をしていないのです。それにもかかわらず「ゴールド免許」ではないのは、正直納得できないものがあります。

しかし、規則は規則ですのであきらめるとして、その代わり今回は「使用目的」を変更できることになりました。前回までは「業務用」だったのですが、今回は「業務」に使用する割合が低くなりましたので「日常生活用」に変更しました。ちなみに「日常生活用」は「業務用」よりも7%ほど保険料が安くなります。

ご存じの方も多いでしょうが、自動車保険の保険料には等級制度が導入されています。無事故期間が長くなればなるほど割引率が高くなり保険料が安くなるシステムです。僕は無事故が続いていますので20等級という最高の割引率が適用されています。

自動車保険の主な補償は「対人」と「対物」ですが、僕はどちらも「無制限」で契約しています。僕の経験上、今の時代は賠償はやはり「無制限」のほうが安心です。調べていただくとわかりますが、実は賠償額が「1億円」と「無制限」では保険料はあまり変わらないのです。

そのほかに「人身傷害保険」という補償にも入っているのですが、「人身傷害保険」はとてもよい補償と思っています。最近は無保険で走っている車も多いそうですが、事故の相手方が必ず万全の保険に加入しているとは限りません。そういう車と事故を起こした場合、大きなケガを負っても賠償してもらえないこともあります。

このようになにかしらの理由で相手方の保険が使えない場合でも傷害に対して補償をしてくれるのが「人身傷害保険」です。この補償は「東京海上保険が1998年に開発した」となにかで読んだ記憶がありますが、とてもよい補償だと思っています。

僕はこのほかにオプションとして、今週のタイトルにしている「対物超過修理費用特約」と「弁護士費用特約・日常」を契約しています。「対物超過修理費用特約」はあまり聞きなれない名称だと思いますが、この特約は意外と盲点です。

詳しくはご契約している保険会社で確認していただくとして、ざっくりと説明しますと「過失割合が自分に100%、相手の車の価値が30万円(時価額)、それなのに修理代金が50万円」というケースで効果を発揮する特約です。このケースでは、自分の保険が「対物無制限」で契約していようが、保険では「30万円」までしか賠償されません。理由は相手の「車の価値が30万円」しかないからです。

しかし、現実問題として、そのような賠償額では相手方は容易に納得しないでしょう。そうしますと、自ずと保険会社ではなく事故を起こした当人に直接請求してくることになります。そうしたケースに備えるための特約が「対物超過修理費用特約」です。

最近は自動車保険をネットなどで契約する人がそれなりにいるそうですが、心配なのは「対物超過修理費用特約」のような特約のメリットを説明されないケースがありそうなことです。対面で営業の人が契約をする場合、保険料の単価を上げたいという思惑もあるかもしれませんが、こうした特約のメリットを教えてもらう確率は高まります。対面営業の最も大きな利点です。

元来、一般の人は自動車事故に遭遇することはあまりありません。ですので、事故に遭った時に必要な保険、補償内容、補償額などの知識を持っていないのが普通です。そうしたときに、現実に沿った参考になるアドバイスをもらえないのがネットなど通信販売の欠点です。

実際に事故に遭ったときに困らないようにするために、ネットなどで契約するときはいろいろなケースを想定し、事前に念入りに情報を得ることが重要です。

最後に、「弁護士費用保険特約・日常」にも加入していますが、この特約は「当て逃げ」などをされたときに弁護士に依頼することを想定したもので、決して妻対策ではありません。

じゃ、また。




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