<政党の責任>

pressココロ上




他国のことながら米国の大統領選挙はとても気になります。本日(8日)朝方のテレビニュースでは「バイデン氏の勝利確定」と報じていますが、まだバイデン氏の勝利演説は行われていません。反対に、トランプ氏は「投票の不正を追及する裁判を起こす」と発表しています。

いろいろな情報を総合しますと、最悪の場合は最高裁まで争われ、来年の大統領就任式までに決まらない可能性もあるそうです。そのような混乱状態にならないことを願うばかりですが、トランプ氏を支持する国民が半分近くいることは事実です。

傍から見ていますと、トランプ氏を支持する人が不思議でなりません。嘘の情報を悪びれたようすもなく堂々とスピーチする人物が大統領にふさわしいとは思えません。トランプ氏に投票する人たちはトランプ氏のどのようなところを認めているのでしょう。それが不思議でなりません。

マスコミなどによりますと、トランプ氏を支持する人たちはいわゆる「ラストベルト」と呼ばれる、かつては栄えていたが、現在は寂れている地域の人たちだそうです。トランプ氏はそのような人たちのための経済的政策を行うことで支持を得たそうです。

しかし、時代遅れの産業が未来永劫生き永らえられないのは歴史が証明しています。米国は常に産業を新陳代謝させることで成長・発展してきた国です。産業の新陳代謝ができない国家は衰退するしか道はありません。トランプ氏が行っている目先だけの政策がいつまでも続くわけはありません。トランプ氏は「アメリカンファースト」と名打って無理やり続けようとしていますが、グローバル化している今の時代に通用しないのは明らかです。

フロリダ州では、キューバから亡命して来た人が多数いるそうで、その人たちは社会主義・共産主義に嫌悪感を持っています。トランプ氏はそこをついて「バイデンは社会主義を目指している」などとスピーチしていました。もちろん事実ではありませんが、亡命してきた人たちにそれを見抜くは難しいものがあります。そうであるだけにトランプ氏のフェイクスピーチは悪質と言えます。

トランプ氏の最も悪質なところは、国民に事実とは異なるイメージを植え付けようとしているところです。最も非難されるべきことは、選挙結果が確定もしていない時期に「勝利宣言」のようなスピーチをしたことです。これは支持者たちに、負けた結果が出たあとに「選挙に不正があった」とするイメージを植え付けることを狙っています。さすがに、この蛮行に対しては共和党議員の中からも批判の声が上がったそうですが、その声がどれだけ大きくなるかが重要です。

このようなトランプ氏と比べて、バイデン氏は投票終了後の演説でも政治家としての品格があったように思います。トランプ氏が「勝利宣言」を勝手にしようが、バイデン氏は自らの支持者たちに「確定まで待つ」ことを要請し、結果が決まったあとは「団結」を訴えていました。

トランプ氏が支持者を煽るためのイメージ戦略を取っていただけに、余計にバイデン氏の政治家としての矜持が際立った印象を持ちました。このように書きますと、僕はバイデン氏贔屓が強いように思われそうですが、トランプ氏の蛮行があまりにひどいことに憤りを感じているからです。

一国のトップを務める権力者が対立や分断を煽ったりしては絶対にいけません。トップは対立や分断をまとめるのが本来の役割です。トランプ氏は正反対の言動を取っていました。その理由は単純で、自らが選挙で勝つためです。

覚えているでしょうか。トランプ氏が大統領に就任してからの4年間、多数の高官たちが辞任もしくは解任という形で去っていきました。そうした方々は高官として、国家や国際関係を動かす能力と見識を備えた人たちばかりでした。その人たちが全員、口にしていたのはトランプ氏の「政治家としての資質」に疑問を呈していたことです。

例えば、国務長官を務めていたレックス・ティラーソン氏はトランプ大統領は国際情勢を理解しておらず、「トランプ氏に歯止めをかけなければ『国民の命に関わる』」と警鐘を鳴らしていました。

また、国防長官を務めていたジェイムズ・マティス氏は、数か月前トランプ大統領が権力を乱用してアメリカを「分断」し、「成熟したリーダーシップを見せるのに失敗した」と雑誌で批判しています。

共和党の議員の中でも、パウエル元米国務長官やミット・ロムニー上院議員のようにトランプ氏を批判する方々がいますが、まだ一部の議員に限られているようです。やはり自らの選挙にトランプ氏の影響力が及ぶことを恐れているのでしょう。しかし、議員を引退したブッシュ(子)元大統領やマケイン上院議員などかつて共和党の重鎮を務めていた方々の多くがトランプ氏の言動を批判しています。

そうは言いましても、やはり見逃していけないのは、選挙に負けたとはいえ、投票者の半分近くがトランプ氏を支持しているという事実です。しかし、バイデン氏は討論会で「大統領は支持者だけではなく、支持者でない人の大統領でもある」と話していました。バイデン氏は分断を納め国民が一つになる施策を講ずるはずです。

それに対して、トランプ氏の主張は、ほとんどが支持者向けだけの主張でした。こうした偏った考えは国民を対立させ分断させるだけです。できれば最後は潔く、これまでの選挙の敗者が行ってきたように、新しい大統領を称え国民が一つになるよう訴えてほしいと思います。

それにしても…、と僕は思います。そもそも論で言いますと、4年前の選挙でトランプ氏は当初、共和党の中で泡沫候補でした。タレントしては有名でしたが政治の経験がなかったからです。それがあれよあれよという間に共和党の立候補者になってしまったのです。これは一にも二にも共和党に所属する議員の方々の政治家としての力量の欠如に原因があります。

政治の、そして選挙の素人にプロの政治家が完敗したのです。トランプ氏が行った選挙対策はリアリティ番組の手法しかなかったはずです。なにしろ政治の経験がなかったのですから。そうしたリアリティ番組の手法が通用したことが問題です。政治のプロが素人に完敗なんて、政治家のレベルが低くなった証でしかありません。

このように書いてきましたが、先ほど(8日お昼12時くらい)バイデン氏が勝利演説を行ったもようです。一応これで一安心ですが、このあとトランプ氏がどう動くのか…。

一説によりますと、トランプ氏は大統領職を降りてしまうと、「大統領職に伴う免責特権が失われ、数多の訴訟リスクに晒される」そうです。しかし、そうした個人的な理由で大統領という要職にしがみつかれては世界中の人々にとってたまったものではありません。

共和党のだれか、トランプ氏を止めろ!

じゃ、また。







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