<現実的>

pressココロ上




 人それぞれ感じ方は違うでしょうが、僕は麻生総理を見ていて「相応しい」という印象を持っています。やはり遺伝というか血筋といいますか、テレビなどで見る「振る舞い」が最高権力者として「板についている」ように感じます。過去に3度も挑戦して敗れた経験がさせるわざかもしれません。年齢的にも最も適している時期に総理になれたのではないでしょうか。少なくとも前二代の総理よりは「総理らしい」雰囲気は出ています。僕は、別に麻生さんの回し者ではありませんので褒めるのはこの辺でやめておきましょう。
 その麻生総理だけが持っている解散権ですが、マスコミは一時期「解散が規定事実」かのように報じていましたが、最近は少し引き気味に報じています。いったい選挙は本当にあるのでしょうか。そのマスコミを「煙に巻いて」いるようすも僕が「総理に相応しい」と感じる要因の一つです。それほど気張らずのらりくらりとうまく対応しているように思います。あっ、また褒めてしまいました。繰り返しますが、僕は麻生総理の回し者ではありません。
 選挙が少し引き気味になっていますが、議員さんたちは戦闘モードになっているようで「お願い」はすでに3回くらい言われました。この現象、実は僕は喜んでいるのです。
 なぜか?
 それは売上げに関係するからです。今の段階では政治家個人より政党のあいさつだけですが、そのときに「買って」くれるのです。そうです。「買った」あとに「お願い」をするパターンがほとんどですので僕はうれしいのです。もし、現実に解散があり選挙に突入したならお店の売上げはさらに上がるでしょう。…たぶん。
 麻生さん、早く解散して~。
 先日、テレビでニューハーフというのでしょうか、男性なのですが女性になっているタレントの方を知りました。妻の話ではこういうタイプのタレントは現在3人くらいいるそうです。名前は忘れてしまいましたが、3人とも外見はきれいな女性だそうです。
 僕が見たのはそのうちの1人ですが、その人は現在、化粧品関係の会社を経営しているようでした。番組ではその人の生い立ちを話していたのですが、その中に僕が「興味を引かれる」話がありました。
 その方は仕事の浮き沈みが激しいようでしたが、今の会社を起業する前はショーパブのようなお店を経営していたそうです。最終的にはその店も売上げが落ち込み化粧品の会社に転身するのですが、僕が興味を引かれたのはショーパブを経営していたときの体験談でした。
 当時、その方はショーパブのほかにもう1つ広告代理店の仕事もしていたそうです。それで昼は広告代理店の仕事、夜はショーパブの仕事と掛け持ちで働いていたので体調を崩した、という話をしていました。
 そのときにショーパブについて
「お客さんがせっかく来てくれても『ワタシがいない』とわかるとすぐに帰ってしまう」
 とさらりと話していました。なので広告代理店はもちろん、ショーパブにも必ず顔を出さざるを得ず身体が悲鳴をあげて体調を崩すことになったわけです。
 僕が得心をしたのはこの部分です。
「『ワタシ』がいないとお客さんが帰ってしまう」
 さりげない台詞ですが、お店の核心を突いています。どんなお店でもそのお店の経営者なり「顔」となる人が必ずお店に出ていることがお店を繁盛させる必須要件です。
 さてさて、僕が言いたいことがわかりましたでしょうか。
 よく飲食店などでも成功者の話として「2店舗3店舗を出店した」などと簡単に話したり雑誌などに記事が載ったりしますが、複数店を出店することは容易なことではないのです。理由は先ほどの「『ワタシ』がお店にいない」からです。それほど『ワタシ』、つまり経営者としての顔がお店にいないことは大きなマイナス要因です。マイナス要因どころかお客様は帰ってしまいます。このマイナス部分をクリアできて初めて複数店の出店が可能になります。
 この部分を明らかにせずにして「2店舗3店舗」の出店は成功するはずがありません。もし、このマイナス要因をクリアするだけのなにかしらの工夫が見られないなら、この成功者の話は真実味が薄れます。
 本屋さんには成功者の体験談が山のように積まれていますが、その成功談が真実かどうかを見抜く目が必要です。
 昔読んだ独立の本。
 独立した例が幾つか紹介されていました。それらの例を読んでいて、僕的には大切な要因が抜けているように感じていましたが、1つだけ得心する例がありました。
 その例はレストランを開業した人の話でした。その方は年令は中高年で脱サラしたようでしたが、すでにお子さんたちも成人していました。そして、その方が強調して話していたのは
「お店を開業するときは、家族全員がお店に従事するのではなく家族にとっての収入源がほかにもあるような状態にしておくことが大切」
ということです。つまりお店の売上げが軌道に乗らなくても焦ることがないようにお子さんたちはサラリーマンでいる必要があったという意味でした。
 このような体験談はとても現実的で実際に役立ちそうなアドバイスです。しかし、こうした現実的なアドバイスは少ないのが現状で、ほとんどが上辺だけの抽象的な記事で埋められています。そして現実的ではありません。現実的ではない例を信用してはうまくいくはずもありません。成功談は現実に可能かどうかをよく考えて信用しましょう。
 同じように、政治家のマニュフェストも現実に可能かどうかよく吟味することが大切です。いくら「ばらまき」をしようが、裏づけとなる財源がないなら現実的ではありません。真実味が薄れてしまいます。また、将来への負担あとまわし借金でも意味がありません。それは単なる「その場しのぎ」に過ぎないからです。
 投票は上辺だけに騙されないように行いましょう。
 ところで…。
 僕は規制緩和推進派ですし、市場原理納得派ですが、最近の経済状況はどうも分が悪いようです。世界全体の経済危機はこれら規制緩和・市場原理が原因であるように報道されているからです。先日の新聞にもアメリカの経済学者がそのように解説していました。記事を読みますと、「そうかもしれない」と思わされる部分もあったのですが、そういうとき僕は思います。
「野口悠紀夫先生だったらなんと反論するんだろ」
 来週の週刊ダイヤモンドが楽しみです。
 規制緩和・市場原理を推し進めるとき前提となるのは自己責任です。数年前、イラクで人質となった日本人に対して激しいバッシングが起きましたが、そのときに声高に叫ばれたのも自己責任でした。
 僕は個人事業主ですので、事業がうまくいかなくなったときそれは自己責任です。たとえ不況であろうがなにか外的な要因があろうがうまくいかなったならそれは自己責任でなければならない、と考えています。
 そんな僕はラーメン店時代に体調がすぐれず救急で病院に行ったことがありました。その日は点滴だけで帰宅したのですが、後日病院で診察を受けるように指示されました。
 次の定休日に診察を受けたのですが、担当医師から「詳しい理由がわからないので検査を受ける」ように言われました。当日は2つほどの検査を受けました。
 翌定休日に、検査結果を聞きに行きますと「問題ない」とのことだったのですが、またほかの検査を受けるように言われてしまいました。結局、このようにして3週続けて検査を受けたのですが、4週目に行ったときも検査をするように言われました。僕は、このままではいつまでも終わらないように思い、担当の医師に言いました。
「すみません。もう体調もいいみたいなので検査はしたくないんですけど…」
 すると、それまでカルテを見ていた医師は僕の顔を見つめ冷たく答えました。
「そうですか。それではあとはなにかあっても自己責任ということで…」
 自己責任は、自分で言うのはいいですが、他人から言われると気分が悪いですね。
 じゃ、また。




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