<年末お風呂故障顛末記>

pressココロ上




 ひょっとするとひょっとするかもしれません。小沢幹事長の政治資金疑惑です。マスコミ報道の雰囲気を見ていますと、そう感じます。マスコミは検察のリークにより報道しているはずですから、小沢氏の事情聴取が伝えられるということは検察がかなり高い確率で逮捕を視野に入れていることが想像できます。水面下では激しいバトルが展開されているのでしょう。元旦に小沢氏宅での集会の模様がニュースなどで伝えられましたが、小沢氏が権勢を誇っているようにも見えました。果たしてこの結末はどうなるのでしょう。
 …てなことを思いながら今年最初の<ココロ>を始めます。
 昨年大晦日前の29日にお風呂が壊れまして大変な思いをしました。実は、その2週間ほど前にやはり故障しておりまして一度はDIYで修理をしました。その同じ個所が壊れたわけで「できるだけ自分で直す」ことをモットーにしている僕の限界だったようです。
 自分で修理をしようと思い立ったくらいですからそれほど込み入った故障ではありません。お風呂の点火レバーが回らなくなっただけです。しかし、点火レバーが回らないということは、お風呂を沸かす最初の作業ができないことですから一番困ることです。それまでにもときどき「ひっかかる」感触がありましたので「そろそろ壊れるのでは」と予想はしていました。そしてついに娘がお風呂に入ろうとしていたときにウンともスンとも言わず固まってしまったのでした。
 一度目の故障のときはレバーの「取り替え方法」がわかれば自分で修理できる、と思えました。つまりレバーさえ交換すればよいと思ったのです。これには根拠がありまして、僕はラーメン店時代にいろいろな厨房器具を自分で修理していましたので、そのときの経験から判断できました。また、数年前に風呂釜の「お湯を出すレバー」が故障したときにレバーだけを買い求め自分で交換して修理した実績がありました。そのときは数百円の出費で修理できましたのでとても満足しました。たぶん業者に依頼していたなら出張費なども取られますので少なくとも数千円はかかったでしょう。それを自分で行なったのですからかなり割安で修理できたことになります。そうした経験から、今回の点火レバーも「取り替え方法」さえわかれば修理はできると思ったのでした。
 休みの日、僕は妻とホームセンターに行きました。お風呂のコーナーに行きますとそこには運良く我が家と同じメーカーの風呂釜が展示されていました。「取り替え方法」と言いましたが、取り替えるにはその前に壊れたレバーを「取り外す」必要があります。因みに「お湯を出すレバー」は手前に引き抜く形式のものでしたが、それがわかったのも厨房機器を修理していた経験の賜物です。しかし、点火レバーはどのようにして取り付けられているかわからなかったのです。
 僕と妻は点火レバーがどのように取り付けられているのか目を皿のようにして調べました。妻が展示されている点火レバーを回しました。普通、点火をする際には右に回すのですが、妻が右に回すと我が家の壊れたレバーと違い「カンッ」というきれいな音とともにスムーズに回転しました。その動きを幾度か繰り返すうちに妻は反対の方向に回そうとしました。もちろん正しい回転方向ではありませんから回るはずがありません。しかし、僕はあることを思い出しました。
 扇風機を分解したときのことです。扇風機の羽根を本体から取り外すとき、通常回転している方向と逆方向に回すとネジが緩み羽根を取り外すことができます。僕は妻と交代しレバーを少し強めに左に回してみました。すると少し動くのです。その動き方がネジを思わせるものでした。僕はもう少し強めに回してみました。レバーはなにかのつっかえがとれたかのようにスムーズに回りはじめました。やはりレバーは単純なネジ式で取り付けられているのでした。僕たちは取り外した点火レバーを手にお風呂担当のカウンターに向かいました。
 ここからの問題は、展示されている風呂釜の点火レバーだけを売ってくれるかどうかです。お風呂コーナーには点火レバーなど風呂釜の部品を販売してある棚はありませんでした。結論を言いますと、担当の方がとても感じのよい方でメーカーに電話で問い合わせたりしたあと「今からメーカーに送ってもらうと日数もかかりますのでこれをお譲りしてよいですよ」と280円で売ってくれました。
 家に帰り、ホームセンターの展示品で外したように点火レバーを左に回してみました。すんなりとレバーは回り交換することができました。この時点では修理は完璧に終わったと思っていたのですが、先ほど書きましたようにその点火レバーが大晦日二日前の29日にまたまた動かなくなったのでした。そのときにお風呂を使おうとしていたのはまたまた娘でした。娘はお風呂と相性が悪いのかもしれません。娘はお風呂とは結婚しないほうがよいでしょう。
 娘の大声「点火レバーが動かな~い」に僕は風呂場に行きました。点火レバーを右に回そうにもやはり固まったままでした。僕はレバーを取り外すつもりで左に回しました。そのときです。風呂釜の中で「コトッ」という音がしました。そしてなにかが落下した音が聞こえました。すると今度はレバーが空回りをするようになってしまったのです。こうなりますと、さすがに僕でも手に負えません。なにしろ風呂釜の中ですので想像すらつきません。仕方なく翌日東京ガスに修理依頼をすることにしました。
 翌日、僕は仕事に行きましたので東京ガスには妻が電話をしました。このとき、なぜ風呂釜メーカーでなく東京ガスがすぐに思い浮かんだかといいますと、2週間ほど前に東京ガスの営業の方が訪問していたからです。ちょうど冷蔵庫にステッカーも貼ってありました。妻はステッカーに書いてある電話番号に電話をしました。すると、さすがテレビで妻夫木君が宣伝しているだけのことはあり年末にも関わらず修理に来てくれるようでした。午後になり妻から仕事場に電話がありました。
「今、修理に来てるんだけど部品をメーカーから取り寄せるのが年内には無理みたいで来年の6日頃になるって言うんだけど、どうする?」
 「どうする?」もなにもできなければ仕方ありません。仕方なく了承し、電話を切りました。あとから聞いた妻の話では、東京ガスの担当者の方はレバーを2~3回まわし壊れているのがわかるとそれだけで「どこか」に電話をして先ほどのように告げてそのまま帰ってしまったそうです。そのあっさりとした応対に妻も驚いていました。
 さて、妻の電話に了承し電話を切りましたが、やはりなんとかしたいと考えました。僕は妻に電話をしました。
「試しに、メーカーに修理を頼んでみて」
 東京ガスさんが「メーカーから部品を取り寄せるのに時間がかかる」と言うのですから直接メーカーに依頼したほうが早いに決まっています。ただし、年末です…。
 しばらくして妻から連絡がありました。結論を言いますと、なんの問題もなく受けてくれたそうです。しかも、妻がメーカーの方に名前を告げると「東京ガスさんから依頼を受けています」と言ったそうです。つまり、東京ガスさんが修理に来て故障を確認したあと電話をしていた「どこか」とはメーカーの修理部門だったのです。なんかちょっと不可解な気持ちにさせられました…。
 大晦日の日、メーカーの修理の人が来ましたが、とても感じがよく年末だからといって割増料金を取ることもなく僕としてはとても満足しました。あまりに満足したので帰り際に玄関にたまたま置いてあったナガイモをプレゼントしました。修理の人は僕と同年代の男性の方でしたが、僕はナガイモを渡すときに「精力がつきますから」と言うと返事に困った顔をしていました。実は、僕はナガイモが嫌いです。
 メーカーさんのおかげで我が家はお正月もお風呂に入ることができたわけですが、今回の出来事はちょっと考えさせられます。準公共的といえる東京ガスのあり方についてです。
 例えば、電気製品が壊れたとき東京電力に修理を依頼することはありません。一人もいないでしょう。製品を作ったメーカーに依頼するのが普通です。それなのにガスに関して東京ガスは「修理を受け付けること」を業務にしています。しかし、最終的にはメーカーに依存しているのですからそのシステムに無理があるのではないでしょうか。もしかすると、従業員を数多く抱えているゆえにその仕事を作り出すために修理にも手を広げているのかもしれませんが…。
 今から20年くらい前でしょうか。経済誌で東京ガスの社長がインタビューに答えていました。
「今後はガスと電力で生活エネルギー供給源としてお客さんの奪い合いが起こる」
 現在、まさしくこの予想が現実となっています。当時はガスと電気で棲み分けができていましたが、現在は棲み分けとなる境界が消滅してしまいました。お互いがお互いの分野に参入しています。太陽電池などは両方が展開しています。こうした状況の中、東京ガスが修理をとっかかりにお客様を囲い込もうとするのも頷けます。しかし、今回の僕の風呂修理のように無理にメーカーとお客との間に入りこむのは最終的にはお客様の不便につながり、結局はお客様の不満、不信感となるように思います。つまりその発想には企業視点はありますが、お客視点は欠けているように見えます。もし、本当にガス関係でお客様サービスを目指すならメーカーが「やらない」または「できない」分野の業務に特化するべきだと思います。
 以上で、年末の「お風呂故障顛末記」は終わりですが、今週は長かったでしょう。ウフフ…。それでは、本年もよろしくお願いいたします。
 ところで・・・。
 昨年末より右往左往していました日本航空の処理方法が漸く決定したようです。今後もまだ予断は許せませんが、一応道筋が決まったことは朗報です。それにしても、日航OBの年金問題は当初会社のアンケートに「約65%の人が合意した」と報じられていましたが、先日の報道では合意したのはわずか三分の一に過ぎなかったようです。いったい当初の報道はなんだったのでしょう…。
 前にも書きましたが、僕は日本航空の業績不振は労働組合が強大な力を持っていることに大きな原因があると思っていますが、それとともに大きな原因は政治家の方々です。票が欲しいがために、中には賄賂が欲しいがためにという人もいいたでしょう。採算的に難しい路線を次々に日本航空に押し付けてきたからです。その構図は旧国鉄が破綻した例と同様です。その意味で言いますと、日本航空だけが悪いのではなく日本航空を私利で取り巻いてきた政財官のすべての人に責任があると思っています。
 そしてそうした無理難題が許されたのは、日本航空が純粋な民間企業でなかったからです。仮に純粋な民間企業であったなら採算が取れない路線を飛ぶことなどなかったでしょう。もし日本航空の行く末を真剣に案じていた経営者がいたなら企業の存立を危なくする路線などたったの一言で潰していたと思います。えっ? どんな一言かって?
「鶴の一声」
 じゃ、また。今年もよろしく~!




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