<リコール>

pressココロ上




 タカタのエアバッグの不具合が世界的な問題になり、米国などで批判されています。報道によりますと、事故の際に身体を守るはずのエアバッグが身体を守るどころか反対に身体に危害を与えることがあるそうです。現時点でかなりの規模のリコールになりそうですが、利用者の命に関わる問題ですので当然のように思います。実は、僕もそのリコールの対象車に乗っています。
 今年の8月のある日。メーカーから手紙が届きました。中には「エアバッグの不具合により無料修理する」旨が書いてあり、至急最寄の販売店に連絡するように記載されていました。
 僕は手紙が来るまでこの事件のことは知っていましたが、自分の車が対象であることまでは認識していませんでした。普通は、こうしたニュースがあってもわざわざ調べる人はあまりいないものです。無関心というか「まさか自分が…」と思うのが人間です。
 手紙を読み、「へぇー」とは思いましたが、それほど深刻な気持ちにもなりませんでした。僕の先入観として、マスコミは多少大げさに報じるのが一般的な傾向と思っていたからです。ですから、数日後に販売店に電話をしたときも「一応連絡だけ…」という程度の軽い気持ちでいました。
 また、対応に出た担当者の話しぶりからも「深刻さ」は微塵も感じられず、言葉では「ご迷惑をおかけして誠に申し訳ありません」とは言いながらも、このメーカーだけでなくほとんどのメーカーの車が対象になっていることを挙げて、「部品が足りなくなっているので、すぐには修理できない」と伝えてきました。繰り返しますが、その言葉遣いからは「深刻さ」は全く伝わってきませんでした。
 先に書きましたように、僕自身も同じ感覚でしのたので対応に出た男性の言葉の雰囲気にもあまり違和感を持たず、反対に「些細なことで、対応しなければいけない」ことに同情する気持ちさえ感じていたほどです。
 結局、そのときは「後日、部品が入ってきてから連絡をくれる」ことで話は終了しました。なにしろ、僕はその時点では不具合の内容が単に「エアバッグが開かないこと」と思っていたからです。今までエアバッグの効用を実感したことがない僕としましては、シートベルトがあればそれで十分に乗っている人の被害を抑えられると思っていました。
 ところが、このエアバッグ問題は収束するどころがますます大きくなっていきました。そして、米国ではエアバッグの不具合が原因で乗車していた人が死亡するケースがあることも報じられました。ここで初めて、僕は不具合の内容を知りました。なんと「エアバッグが開いたときに中の金属片が飛散する」という不具合でした。エアバッグの中から金属が飛び散ってくるのですから、乗っている人がケガをして当然です。まるで爆弾が身体のすぐ前で爆発するのと同じような状況です。
 エアバッグ問題を軽く思っていた僕はこれを知った時点で不安になりました。僕が販売店に電話をしたのは8月です。それから3ヶ月以上経っていますが、なんの連絡もありません。僕は販売店に問い合わせの電話をすることにしました。
 最初に電話に出たのは女性でした。「8月に問い合わせの電話をしてから連絡がない」旨を伝えますと、しばらくして中年と思しき男性が電話に出ました。男性は最初僕に車の登録番号を尋ねてきました。メーカーからの通知に「記載されている」とのことでした。それによってリコールの対象車かどうかを確認するつもりのようでした。
 しかし、登録番号では確認できないようで「手紙の中にほかに登録番号のような文字と数字の並んだものがないか」聞いてきました。僕は登録番号の隣に文字と数字が並んでいるのを見つけました。それを伝えますとリコール対象車であることが確認できたようです。
 男性は「ご迷惑をおかけして…」と通り一遍の謝罪の言葉を述べたあとに「順番にやっておりますので、これから部品の納入を依頼してそれから修理をすることになります」と告げました。
 僕はこのこの言葉に少しの憤りを覚えました。なぜなら3ヶ月以上前の8月に同じ言葉を受けていたからです。僕は思わず声を発しました。
「えっ、8月に納品依頼をしていなかったのですか! 私はずっと連絡を待っていたのですが…。すみません、私今、ちょっと怒りを覚えています」
 私の少し強めの言葉に男性はことの重大さを初めて認識したようです。一瞬、言葉に詰まったあと、「申し訳ございません。8月に受けたのは私ではございませんので、社内で確認を取りましてから再度ご連絡をさせていただきます。すぐに電話をしますので電話番号とお名前を教えていただきますでしょうか」
 しばらくして連絡がありました。
「既に8月に納品依頼をしてあり、もうすぐ届く予定になっていた」ことを告げてきました。しかし、この返答が方便であることが僕にはすぐにわかりました。なぜなら、僕の名前も連絡先も控えていなかったからです。たぶん、本気で連絡をするつもりはなかったのでしょう。控えていない連絡先に「部品が届いたこと」を伝えることは不可能です。
 結局、どうなったかといいますと「僕の分の部品はまだ到着していないけど、ほかの方でキャンセルになったのがありますので、すぐに修理をする」ことになりました。
 本心をいいますと、いろいろと複雑な気持ちもありましたが、僕自身もこれまでに仕事上でミスをしてきた経験が幾度もあります。僕はそれ以上詰問することはしませんでした。
 というわけで今回の僕のリコール問題は解決することができましたが、ミスをしたときの対処のしかたについて考えさせれました。やはり、ミスをしたときはごまかすことなどはせずに正面から向き合って真摯な態度で報告なり謝罪をしたほうが気分的に気持ちがいいように思います。そのほうが双方にとって気持ちよく収束することができるというものです。
 ところで…。
 考えようによっては、本日の選挙もリコールの意味合いが無きにしも非ずです。なにしろ閣僚がお金と政治の問題で辞任したのですから…。
 結果はどうなるのかなぁ…。自民党の圧勝は嫌だなぁ…。
 じゃ、また。




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする