<雀のかあさん>

pressココロ上




 先週新しい動画をアップしました。前回アップしたのは12月の初めですので3ヵ月ぶりということになります。僕はいつか将来ネットで生活できるような身分になりたいと思っていますが、物事が自分の思うように進まないのは長い人生で経験してきています。しかし、挑戦することもまた生きていることの証とも思っていますのでこれからも挑戦し続けていくつもりです。問題は人生が無限ではないことです。僕の挑戦が実るか、その前に人生が終わってしまうか、それが難問です。
 そんなわけで性懲りもなく動画に挑戦しているのですが、ソフトを使いこなせずに困っています。僕が使っているのは「六角大王」というソフトですが、その解説本の少なさに苦労しています。どんなに優れたソフトでも優れた解説本がなければそれは「優れたソフト」にはなりません。おそらく3Dソフトを使い慣れている人にはその性能のすばらしさがわかるのでしょうが、ITに詳しくない60才を迎えたおじさんには困難です。おじさんは基本の知識も技術も持ち合わせていません。キャラクターにたった一つの動きをさせるのにときには2時間かかることもあります。僕の苦しんでいる様がお分かりになると思います。
 六角大王を使い始めたきっかけはソースネクストという会社から「3Dソフトが安いよう~」というメールが届いたことでした。いつかアニメを作りたいと思っていましたのでついつい買ってしまったのでした。宣伝文句によりますと「通常9,800円」くらいのソフトが1,980円とのことでした。おっちょこちょいの僕は思わず購入ボタンを押していました。
 実は、購入してから実際に使い始めるまでには数か月のタイムラグがあります。アニメ作りに取り掛かる時間が確保できず、そのままにしていたのでした。僕にはジンクスがありまして、「購入したものをすぐに使い始めないとき、その購入したものに後悔する」というものです。例えば気に入った靴を購入したとしても、すぐに履き始めるのではなく1~2ケ月間しまっておいてから履いてみると、どこかしら足にフィットせず結局数回履いただけで処分する結果に終わります。六角大王はまさにそのような状態になりつつあります。
 このように後悔しつつ、なんとか新しい動画を作りました。題名は「雀のかあさん」です。これは童謡詩人・金子みすゞさんの作品ですが、金子さんを有名にしたのは東日本大震災のときに放映されたACの広告です。
『 こだまでしょうか』
「遊ぼう」っていうと
「遊ぼう」っていう。
 
「ばか」っていうと
「ばか」っていう。
 
「もう遊ばない」っていうと
「遊ばない」っていう。
 
そうして、あとで
さみしくなって、
 
「ごめんね」っていうと
「ごめんね」っていう。
 
こだまでしょうか、
いいえ、誰でも。
 ご記憶の方も多いはずです。金子さんの詩は「純粋、無垢」という言葉が最も当てはまると思いますが、その視点は常に弱者の側に立っています。僕が初めて金子さんの詩を知ったのは今から十数年前ですが、一時期詩を読むことに凝っており、そのときにたまたま図書館で手に取ったのが金子さんの詩集でした。その中で僕が一番心を揺り動かされたのが「雀のかあさん」です。
 先に僕のジンクスについて書きましたが、実は、僕にはほかにもジンクスがあります。それは僕が「すごく好きなもの」は多くの人からは支持をされないというものです。例えば、僕が「これは名曲!」と思った歌はそこそこのヒットはしますが、ベストテンに入るほどのヒットはしません。僕の感性はほかの人とは少しずれているようです。
 「雀のかあさん」もその一例となっています。金子みすゞさんの詩を紹介する本や雑誌はたくさん出版されているのですが、取り上げられるランキングでいいますと、「雀のかあさん」はベストテンには入っていません。金子さんは生涯に500編以上の作品を残していますので、出版に際してはおのずと詩を選別することになります。そうしますと、「雀のかあさん」を載せていない本のほうが多いのです。
 金子さんの代表作として紹介されることが多いのは先の「こだまでしょうか」や「大漁」または「私と小鳥と鈴と」などです。「雀のかあさん」が紹介されるのは稀です。だからこそ、僕は動画を作りたくなりました。
 なんでもそうですが、作ったものは多くの人に見てもらいたいものです。しかし、それは簡単ではありません。前回アップした「スマップの涙」の視聴回数はわずか24回です。3ケ月で24回ですから情けないを通り越して悲しさがこみあげてきます。ネット関連でなにが最も難しいかといいますと、それは存在を知ってもらうことです。あのピコ太郎のPPAPもフォロワーが数千万人いるジャスティン・ビーバーさんが紹介しなかったならこれほど注目されることはなかったはずです。
 ですから、自分のブログや動画に注目を集めたい人はいろいろな策略を練っています。中には注目を集めることが目的で炎上させる人さえいます。訪問者を集めることほど難しいことはありません。以前書きましたが、昨年の後半あたりから僕のサイトの訪問者が激減しました。一応僕なりに原因はわかっているのですが、サイトのアドレスを変更したことです。そのことにより検索で訪れる人が一気にいなくなりました。やはり訪問者が減りますとadsenseのクリックも減ります。ですから、現在の僕のadsenseは惨憺たる結果となっています。
 それに追い打ちをかけるように悲しい連絡がKDDIから届きました。僕はKDDIの公開サービスを利用してHPを公開しているのですが、そのサービスが終了するそうです。もちろんどこかに移転するつもりですが、せっかく今まで築いてきた実績が消滅することになります。詳しくはわかりませんが、検索で上位に入るには期間も重要な要素のようです。期間とは公開している期間のことです。なんだかんだ言って、僕は「脱サラをする前に」というサイトを10年以上続けています。その実績がサイトの引っ越しによってなくなってしまいます。それが残念でなりません。
 実績が大きな意味を持つのはどこの世界でも同じです。安倍首相は籠池氏という想像もしなかった伏兵によって窮地に立たされているように映ります。籠池氏の話が浮上するまで安倍首相は政治家として完ぺきに近い状況にいました。これまでの首相の中でも稀有の一強状態といっても過言ではなかったでしょう。
 その盤石の状況にいた安倍首相が窮地に陥ることなどそれまで考えられませんでした。まだ籠池氏という人物がどのような人なのか定かではありませんが、対応を間違えると大問題に発展する可能性もあります。強気一辺倒だった安倍首相の言葉遣いが柔らかくなってきたことがそれを物語ってもいます。自分の置かれている状況を敏感に感じ取ることが安倍首相が一強を築いた源です。安倍首相は憲法改正を行うことを最終目的にしているようですが、その目的はしばらくは置いておくことでしょう。
 政治の世界であとひとつ目が離せないのは東京都の百条委員会です。強気一辺倒だった石原氏がどのような対応をするのか多くの人が注目しています。石原氏は強気一辺倒だっただけに石原氏に対して反感を抱いていた人も多いはずです。それにしても最近の画面に映る石原氏を見ていますと、「どんなに強気の人間でも最後は必ず年をとるんだなぁ」とシニアに入ったばかりの僕は感じています。
 人間は、最後は「雀のかあさん」の気持ちがわかるのではないでしょうか。
 じゃ、また。




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