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 大手消費者金融アイフルが営業停止処分を受けました。かわいい子犬のつぶらな瞳で「ご利用は計画的に」と訴えているコマーシャルとはかけ離れた違法な回収方法を行っていたことが理由のようです。あのコマーシャルに親近感を持って利用に至った人も多いのではないでしょうか。
 2週間ほど前にドキュメント番組について考えさせられるテレビ番組がありました。「ドキュメント番組はどこまでドキュメントか」といった内容だったのですがとても見ごたえがありました。一般にドキュメントといわれる番組はノンフィクションと思われていますが、実際には演出も入ってくるようです。番組製作者は自分が作り手でありながら、視聴者はドキュメント番組の客観性には疑問を持たなくてはいけない、と語りかけていました。事実は一つでも視点を変えることにより事実は一つではなくなってしまうからです。そこには100%の客観性はあり得ません。
 私がドキュメント番組に疑念を感じるようになったのはラーメン店時代です。当時からグルメ番組は花盛りでありまた飲食店開業までの過程をドキュメントふうに放映することも流行っていました。しかし体験者であった私としては現実とは違う納得できかねる映像が随所に見られることが不満で仕方ありませんでした。
 先日BSEの審議会委員が辞任したというニュースがありました。辞任した委員によりますと「審議会自体が官僚によって作られた流れ」になっていることが理由でした。答申は始めから官僚によって決められており審議会は答申にお墨付きを与える機関でしかないことに抗議するする意図もあったようです。確かにそれでは審議会の意味がありません。
 ドキュメントと言われる番組でさえ作り手の意図が否応にも入ってしまうのですから視聴者はメディアを通じて情報を得るときはより注意深くする必要があります。
 ある有名ラーメン店はおいしい味を出すために原材料にお金をかけている、と謳っています。原価率65%と言っていました。もし人件費や家賃などの経費がゼロであるなら可能でしょうが、そうでないなら現実的はありません。こうした意見に対して粗利益「率」でなく粗利益「額」でカバーするから可能とする反論があります。しかし粗利益額をそのほかの経費が上回ってしまってはやはり不可能です。もし脱サラを薦めるコンサルタント企業が安易な試算を表示しているなら疑いましょう。粗利益率やお客様の人数など注意する必要があります。席数の5倍を越えた来店客数を実現するのは容易ではありません。現実的でない情報を前提に脱サラをしては成功するはずがありません。企業の発する情報を鵜呑みにするのは危険です。
 家電販売店などの宣伝キャッチコピーで「赤字覚悟」は常套句ですが、このフレーズを100%信じている人はいないでしょう。赤字では企業が存続できないことがわかっているからです。消費者は赤字で販売できるのは一部の目玉商品だけとわかっています。このように誰でもがわかる情報と違いイメージという情報が実態を表しているか判断することはとても難しいものです。私たち消費者は企業が発するイメージに惑わされることなく企業の実態を知る努力が大切です。企業のイメージを知る努力も計画的にしましょう。
 今週、本のコーナーで紹介しています「はなまるうどん」は飲食業を全く経験していない著者の奮戦記です。正直に言いますとあまり期待していなかったのですが、私のような個人事業主を目指す開業と違いもっとスケールの大きい飲食業起業を考えている人には参考になると思います。全くの素人が始めるに際して同業者が鼻にもかけないでいたことは想像がつきます。たぶんライバル会社としては少しでも伸びそうなときは叩き潰すくらいの気持ちでいたでしょう。それも簡単にできると思っていたはずです。たぶん赤子の首をひねるくらいにしか思っていなかったと思います。しかし吉野家の傘下に入ったとはいえ同業者に負けず生き延びているのですから素人でも工夫努力により成功することを証明しています。
 なにか新しいことに挑戦するときは「赤覚悟」の謙虚さと勇気を持つことも必要です。
 じゃ、また。




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