前にもお話しましたことがありますが、僕は自転車修理が趣味です。と、言いましても単に自転車の台数が多いのが理由です。修理代を節約するために必要に迫られての趣味です。
我が家の一番古い自転車は10年以上使っていました。自転車の故障はパンクとブレーキのワイヤーが切れることがほとんどです。それ以外では年に1、2度タイヤかタイヤのチューブを交換することもあります。自転車店に頼むとパンクは1,000円、タイヤ交換は4,000円くらいですが、それを自分でやりますとそれぞれ100円、400円で済みますからとても節約になります。
ところが…。
先日、ブレーキのワイヤーではなくブレーキ部品そのものの一部が壊れてしまいました。ホームセンターで調べますとブレーキ部品全体を交換する以外にないようでした。値段は700円。
「う~ん…、いよいよ新車を買うべきか…」
我が家は予備の自転車もありますので考えが決まるまで壊れた自転車はそのままにすることにしました。そうこうしているうちに息子の自転車がパンクしてしまい、僕はほぼ購入することに決めていました。
休みの日にパンク修理をしていますと隣の奥さんが通りがかりに声をかけてきました。
「ダンナさん、こまめによくやるわねぇ」
そうなんです。我が家は自転車の台数が多いのでヨソの人から見ますと「僕がしょっちゅう自転車修理をしている」ように思うようです。奥さんは続けました。
「ウチに捨てようと思ってる自転車があるけどいらない?」
奥さんが言うには、「ダンナさんならチョチョッと修理して使えるようになる」ということでした。僕は喜んで隣家まで見に行きました。充分使えます。いわゆるメーカー品で僕がディスカウント店で買う1万円前後のものとは違い車体がガッシリとしっかりしています。よし!やったー!。修理は簡単に終わりました。僕はとてもラッキーな気持ちになりました。あとは防犯登録です。
新車を買ったときは販売店で簡単に登録を済ますことができます。しかし今回のように譲渡されたときはどうするか…。早速ネットで調べますと自転車販売店で登録することができるようでした。
読者の方の中には「防犯登録などしなくても問題ない」のではないか、と思っている方もいらっしゃるでしょう。でも僕はどうしてもしておきたかったのです。
僕は普段生活するときはJパンにダンガリーシャツ、トレーナーといった服装でいることがほとんどです。しかも小奇麗というよりはみすぼらしい雰囲気がしています。中年の男性が平日の昼間、そのような格好で自転車に乗っていますと警察官に声をかけられることがあるのです。「声をかけられる」といっても「あいさつ」ではなく「職務質問」です。また夜中に無灯で乗っていても同様です。
職務質問は必ず防犯登録のチェックが入ります。もしそのときに「登録者と僕の名前が一致しない」場合は追求されます。僕は悪者ではありませんので追求されても困ることはないのですが、時間をとられとても面倒です。それを避けるために防犯登録は済ませておきたかったのです。
自転車店に行き防犯登録をお願いいたところ、「警察で申請書を発行してもらう必要がある」と言われました。そこで交番に行きますと今度は「譲り受けた証明書が必要」と言われてしまいました。この段階で気分はヘトヘトです。
結局、後日隣人の方に一筆書いてもらい、それを持って警察に行き身分証明書を提示して申請書を発行してもらい、申請書を持って自転車店に行き、500円を支払って防犯登録をしてもらいました。「もらい」ばかりです。それにしても、タダで自転車をもらうことは本当に骨の折れることです。
防犯登録は自転車店でするのですが、それは警察という第三者の証明があって初めて行われます。つまり自転車店は警察と言う第三者の証明を信頼しているわけです。しかしもしその第三者の証明が実体のないものであったなら…。
今年になりまたしても新たな耐震偽装が発覚しましたが、今回も審査機関が機能していないようでした。また同様なことが企業の決算を証明する監査法人においても起きています。チェック機能の働いていない第三者の証明は不要です。
先月、不二家が不祥事を起こしましたが、この事件で私が最も印象に残っているのはISOという国際規格についてでした。ISOの認証を受けているとその会社や事業所の品質管理が完璧に行われていることをアピールできます。不二家は外部委員会の発表ではかなり拙劣な工場のようでしたが、それでもISOの認証を受けていました。私は思いました。ISOって本当に意味があるのかなぁ…。
こんなことならISOなんてISOのこといらないですよね。
注:2度目の「ISO」は「いっそ」と読む。
じゃ、また。
ジャーック!