<アウトソース>

pressココロ上




 僕はパソコンに詳しくありませんので、HPを作るときはもちろん作成ソフトを利用しています。僕の作成ソフトはninjaというソフトですが、パソコンに元々入っていましたので特に意識することなくninjaでHPを作りました。
 僕はほかのソフトを使ったことがありませんのでninjaの使い勝手がよいのか悪いのかわかりません。しかし、なんとなくですが、ほかのソフトに比べて時間がかかるのではないかと感じています。更新作業をしたあとにアップをするのですが、アップの準備の段階で20分~30分かかるのは珍しくありません。ひどいときは40分くらいかかるときもあります。最近は慣れていますのでイラつくこともなくその間に新聞を読んだりほかのことをやって時間を過ごしています。
 このようにとても使いづらいソフトですが、一応はアップまで完了することができますので四苦八苦しながら使っています。ところが、2ヶ月ほど前から途中で固まってしまうようになってしまいました。そうしたときは画面に「メモリが不足しています」と表示されます。それ以降この症状が幾度かありましたが、なんとかごまかしながら使ってきました。そうは言いましても、やはりこの症状を改善したいとは思っていました。
 たぶん、「メモリ不足」は僕のHPの容量が増えてきたことが原因ではないか、と想像しています。HPを作り始めて4~5年が過ぎていますのでさすがに今まで書いてきた文章などが積もり積もってかなりの量になっているはずです。
 そこで僕は考えました。
 以前、週刊ダイヤモンドの野口氏のコラムに「クラウド」というシステムを紹介していました。僕なりの理解では、ワードやエクセルなどのソフトをパソコンの中にインストールするのではなくサーバーなどから使うたびに呼び出し利用するシステムです。これですとパソコンにソフトを入れておく必要がありませんのでパソコンの使用する容量を減らすことができます。
 僕は、このシステムをHPを作るソフトで行おうと考えました。つまり、作成ソフト内にあるコンテンツをほかの場所に移そうと思ったのです。そうすることによって「メモリ不足」を解消することができると思ったからです。ですので、今週からコンテンツの一部をブログに移動させました。具体的には、創作コーナーにある文章モノをyafooのブログに移しかえました。また、コラムはauのブログに統一しました。僕のコラムはブログで読んでくださる方と僕のHP内で読む方と二通りの方がいましたが、今後はHP内でクリックしますとブログへ飛ぶようになります。我ながらよいアイディアと思っているのですが、どうでしょう。
 このように作業や業務を本体の内で行うのではなく外に出すことは本体の負担を軽くすることにつながります。こうした考えは昨今流行のアウトソーシングなどのようにビジネス界でも一般的になっています。本体の負担を軽くすることはリスクを減らすことでもありますから企業がそうした行動をとることは尤もなことです。
 最近では製造業でありながら工場を外部に委託している企業もありますし、フランチャイズシステムも根源は同じ発想だと思います。店舗を運営するという業務を加盟店という外部に委託しているわけです。僕はフランチャイズに批判的ですが、外部に委託する製造業に対しても同様に感じています。これらの問題点は、委託される側に自由がないことです。委託する側にがんじがらめにされた契約では委託される側は苦しむだけです。このような委託契約はほとんどが委託する側が圧倒的に有利な内容であることが問題です。もし、委託される側にも選択の自由が確保された契約であるなら通常の商行為と同じですから問題はないと考えます。
 先週の新聞に「バイク便ライダーが都労働委に救済申し立て」という記事が載っていました。よく街で見かけるバイク便ライダーは形式的には個人事業主だそうです。しかし、その実態は従業員に等しいものでありライダーの人たちが都労働委に救済申し立てをしたようでした。企業にしてみますと従業員として雇用するより個人事業主として請負の形にしたほうがコストがかかりませんのでこのような形式にしたかったのでしょう。しかし、出勤簿がありタイムレコーダーがあるという労働状況はどう考えても従業員です。このケースは企業が本体の業務を外部に委託して本体の負担やリスクを減らすという悪い意味でのアウトソースですので、ライダーの人だけに負担を押しつける状況は改善されてしかるべきです。
 以前、このコラムでセブンイレブンが公取から排除命令を受けた記事を紹介しましたが、加盟店の不利な立場もバイク便ライダー同様改善されていくのではないでしょうか。
 ここでちょっと話はそれますが、最近のコンビニ業界に対する僕の感想を述べたいと思います。
 先々週、経済誌にファミリーマートの社長が取り上げられていました。一言でいうなら「この社長いい人」です。また、ローソンの新浪社長に対しても同じ印象を持っています。最近この2つの企業は業績がよいのですが、それもわかるような気がしています。それに対して最大手のセブンは10年前に比べ売上げ日販で約10万円落ちこんでいるそうですが、先に上げた2社がセブンを追い抜く日もそれほど遠くないのでは、と期待しています。
 話を戻しますと、コンビニ加盟店と同じように仕事を委託された中で不利な立場にいる業種はほかにも幾つかあります。先週の経済誌には損保ジャパンの統合に関連して代理店の告発文が載っていましたが、保険代理店もその1つです。保険会社にがんじがらめにされた委託契約では代理店の選択の自由などありません。また、週刊誌では新聞販売店も押し紙などが取り上げられていますが、販売店も新聞社のシワ寄せを受けているようす。
 今、上げた例は全て日本で一流といわれる企業です。そうした企業がアウトソースと称して業務の主要部分を外部に委託していますが、その実態は委託される側がとても不利な立場に甘んじなければならない契約内容です。昨今、派遣切りなどで派遣社員の悲惨さが報道されますが、こうしたことも同根のように思います。
 企業が自らの利益のために業務の一部をアウトソースする戦略もわからないではありませんが、かなり強引なやり方が気になります。やはり一流と言われる企業なのですから、アウトソース側で働いている人たちの境遇・待遇にも心配りが必要です。今後も、そうした人たちに対して全く顧みないなら、いつしか消費者として仕返しをされるのではないでしょうか。
 アウトソースすることで利益を出し、自己満悦に浸っている企業はアウトだ!
 ところで…。
 僕は先月の途中まで朝の起床は妻の怒り声で始まっていました。しかし、その声がとても不愉快に感じていましたので、先月の途中から自分で目覚ましをセットして自分で起きるようにしました。その目覚ましは時計ではなく携帯電話です。時代の進歩はすばらしく目覚まし時計などはもういらない時代なのですね。
 目覚まし時計ですと、起きる合図は「リリリ…」といった音くらいしかありませんが、携帯電話は音楽も流せます。僕の決心を聞いて妻は「音楽はわたしが選んであげる」とおっしゃいました。
 妻が選んだ音楽は携帯に入っていた「ツゴイネルワイゼン」です。ご存知の方、いらっしゃいますでしょうか。僕も一応試聴しましたが、本心ではあまり好きではありませんでした。しかし断れるはずもなくそれに決まりました。
 ツゴイネルワイゼンの出だしは「チャン、チャン、チャン、チャー♪♪」とゆったりしたテンポなのですが、中盤あたりから「ズンチャズンチャズンチャ♪♪」ととても早いテンポになります。僕はこの早いテンポあたりで目が覚めるのですが、どうも気分よく起きられません。
 僕はツゴイネルワイゼンで「はっ」と目覚めると最初に携帯がどこにあるか朦朧とした頭で探します。自分でははっきりと覚えていないのですが、妻が言うには「頭をキョロキョロして」その動作が面白いそうです。
 僕の起きてからのその動作・格好があまりに面白いので、妻は僕の携帯の場所を毎日変えるようになりました。つまり、僕は起きた瞬間に探しものゲームをやるはめになってしまいました。これが結構疲れるんです。頭がボーっとした中で音がどこからするか必死で探します。とても疲れます。
 そんな話を、先日晩ご飯を食べながら妻は娘に楽しそうに話していました。すると妻の話を聞いていた娘は僕の面白い動作よりツゴイネルワイゼンに反応しました。
「ねぇ、そのツゴイネルなんとかってなぁに?」
 妻が答えます。
「音楽の題名」
「えっ? チゴイネルワイゼン?」
「違う! ツゴイネルワイゼン!」
 娘はまだ不思議そうに聞きます。
「ねぇ、そのツゴイネルワイゼンって、なに語?英語?」
 僕は二人の会話にすかさず入って答えました。
「カタカナ。」
 じゃ、また。




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