<亀>

pressココロ上




 我が家はまだ地デジ用アンテナに換えていませんので、テレビ画面の中にもう一つ画面がある構成になっています。つまり、実際に映像が映る画面はテレビ画面よりも一回り小さくなっており、それ以外の画面は黒くなっています。そして、黒くなっている部分には文字が表示されています。
 黒い部分の右上部には「アナログ放送」という文字が、そして下の黒い部分にも「アナログ放送が7月24日で終了する」旨のテロップが流れていました。この両方のテロップとも映像画面に被ることはありませんので、テレビを見る分にはなんの問題もありませんでした。ただ、「ああそうか。もうすぐテレビが見られなくなるんだな…」
と、観念していれば済む問題でした。
 ところが、不愉快なことに今月に入り状況が変わりました。アナログ放送の終了を知らせる文字が映像画面内に表示されるようになってしまったのです。しかも、かなり大きめの文字です。そうなりますと当然、映像の一部が文字で隠れてしまう状況も生じてしまいます。僕は憤慨しています。
 僕からしますと、これは「嫌がらせ」でしかありません。消費者が強くなった今の時代に誰も文句を言わないのでしょうか。世の中には僕のようなおとなしい人ばかりではなく、隙あらば文句を言おうと待ち構えている人がたくさんいるはずです。この変更が起きてからまだ3日ですが、このまま24日まで苦情を受けずに済むとはどうしても思えません。というよりも、誰か苦情を言ってくれないかなぁと願っています。
 もうすぐアナログ放送が終了しますが、それに際して僕がなにもしなかったわけでもありません。それなりに費用をかけずに簡単に変更する方法を模索していました。ではここで、僕の模索の経過を皆さんに紹介いたしましょう。
 実は、5月の半ばくらいまでは「地デジが見られなくてもいいや」とも考えていました。なんとなく、「テレビを見ない生活もオツなもの」と考えていたのです。ですから、地デジへの対応は全く考えていませんでした。
 ところが、5月の半ばにインターネットプロバイダーのauから電話がありました。僕はネットから携帯電話まで全てauにしているのですが、その僕に連絡がありました。
 話は逸れますが、僕がなぜauにしているか、と言えば、NTTが強者だからでした。僕の得意の判官贔屓心が後押しをしたauの選択でした。やはり、強い者より弱い者を応援したくなるではあ~りませんか。
 それはさておき、auからの電話は「地デジアンテナの業者を紹介する」というものでした。この案内は次のようなことを意味します。
 皆さんもご存知でしょうが、今NTTは「地デジが見られる」を売りにしてフレッツ光の大宣伝を行っています。具志堅さんが若い女の子のパンチを受けながら叫んでいるCMをご覧になっている方も多いはずです。
「地デジもBSも…」。
 このCMでNTTはフレッツ光の契約増大を目論んでいます。実は僕もこのCMを見てフレッツ光に変更することをチラッとだけ考えたことはあります。それほどこのCMはインパクトがありました。auはそれを阻止するために電話でローラー作戦を決行していたようです。
 その電話で知ったのですが、auの「ひかりネット」では地デジを見ることはできません。そこがNTTのフレッツ光に劣っている点でした。そこで、auはその弱点を補うために地デジアンテナ工事を「格安で提供する業者を紹介する」という作戦を展開したようです。それで僕に電話がかかってきたわけです。もちろん、その際にNTT「フレッツ光」へ変更するデメリットを強調していましたが、興味のある方はご自分でお調べください。
 新物好きの僕としましては、そのような話を聞きますと試してみたくなります。早速、auさんが提携しているらしい業者に見積もりをお願いしました。しかし、この段階では地デジアンテナについての知識は全くありませんでした。ですから、工事の意味はもちろんのこと、工事内容についても「なにをどう比較検討してよいか」もわかりませんでした。
 申し込みをしたのは5月初旬でしたが、さすがに混雑しているようで、申し込んでから実際に下見に来るまでにかなりの日数を待たされることになりました。当日は、屋根に上ったりテレビからのアンテナコードを差し込むユニットの位置を調べたりなど約1時間ほど作業をしていましたが、その場で見積もり金額を提示してもらえました。
 屋根にデジタル用のアンテナを設置してユニットを4つ交換して、そのほかに安定して放送を見るための機器を取り付けたりして、見積の総額は約77,000円でした。
 さて、このような金額を目にしますと、地デジアンテナ工事についていろいろと調べたくなります。…高いのか安いのか…、はたまた妥当なのか…。
 いろいろと調べていくうちに総務省が開いている「デジサポ」というサイトがあることを知りました。そして、そのサポートの一環として「無料でアンテナとチューナーを貸し出す」サービスがあることがわかりました。僕はすぐに申し込みました。
 申し込みをしますと3日ほどで、たて30cm×よこ35cm×高さ20cmほどのダンボール箱に入ったアンテナなど機器が届きました。これらの機器を借りられる期間は1週間と決められており、僕は早速試してみました。
 我が家には1階と2階に全部で4台のテレビがありますが、それぞれのテレビで試してみました。1階にあるテレビはどれもまだ地デジに対応していない古いテレビです。ですから、チューナーと接続する必要がありましたが、残念ながら映像が映ることがありませんでした。
 しかし、この段階では、アンテナに原因があるのか、チューナーとの接続に原因があるのか定かではありません。そこで、地デジに対応したテレビを1階まで持ち込み試してみました。すると、きれいに映りました。ただし、アンテナの高さや向きに影響を受けます。ある一定の位置にアンテナを置いたときにしか映像は映りませんでした。
 2階にあるテレビも同様でした。全体的に、2階は1階よりも映りがよかったのですが、その理由は単純に1階よりも高い場所にあったからだと思います。
 さて、このような環境で今後どのように対応しようか決めかねているのが現状です。屋根の上のアンテナ工事を依頼するのも面倒な気がしますし、かと言って屋内アンテナでは今ひとつキレイな映像が見られないような気もしますし…。なんか結局、やっぱり地デジ対応をしないような気がしないでもありません。
 ほんの少しですけど、このままなにもしないでいたなら最後は行政が「無料で工事をやってくれるのでは」という期待もあるのです。確か、「ウサギと亀」のお話では最後に勝利を収めたのは亀でした。
 ところで…。
 政治の世界でも突如、亀の文字が飛び出してきました。民主党内を見渡しても敵ばかりの菅首相にとって亀井氏は強力な味方となるでしょう。長い間、政治の世界の中枢におり与党も野党も経験し、裏も表も知っている亀井氏の存在は間違いなく菅首相の後ろ盾となります。しかし、僕はひとつだけ不安なことがあります。それは、あの寝癖の髪なんですよねぇ…。
 じゃ、また。




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