やはりなんといっても先週の大きなニュースといいますと、袴田事件です。ご存知の方も多いでしょうが、今から48年前に起きた味噌製造会社専務一家惨殺事件です。袴田さんはその犯人として死刑判決を受けました。その後、第一次再審請求が81年になされましたが、2008年に最高裁において棄却されています。そうした経緯のあと、今回の第二次再審請求が認められたわけです。
今回の決定に対して世論は支持している人が多いようですが、元東京地検特捜部長の宗像氏は「裁判所の判断が弁護側の主張に引っ張られすぎている」とコメントを述べています。宗像氏といえば、特捜の中でもやり手で有名な人であるだけに、このコメントには検察の側に立つ人の本音が表れているように思います。
世論というか大衆というか、世の中の一般的な人たちは、「ひとつの方向に流される」という特徴があります。ですから、内容をきちんと確かめもせず、またよく考えもせず雰囲気でものごとを判断する傾向がありますので、今回の一連の流れもそうした面が否めません。そのような観点からみますと、宗像氏のコメントにも一理あるように思えなくもありません。
ですが、袴田事件に関してはあまりにも警察や検察のずさんさな対応が顕著すぎるように思います。詳細は省きますが、取調べのやり方や証拠の出し方など誰がどう考えても不自然な点があります。その意味でいいますと、今回の判断は市井で暮らす一般的な庶民感覚からしますと、妥当なところではないでしょうか。
その庶民感覚に照らしますと、司法界には幾つかの問題点があります。今回の決定に関連して、元裁判官の人は「裁判が常に正しいとは限らない」と吐露しています。判決を下す裁判官だった人がそういうのですから、裁判が常に正しい判断をしないのは事実のようです。
司法における一番の問題点は取り調べが密室で行われていることです。僕はこのコラムで幾度か書いていますが、取調べの可視化は公平な裁判をするうえで絶対に必要な対策です。報道によりますと、警察や検察の人たちはすべてを可視化することに抵抗しているそうですが、取調べのやり方や自分たちの考え方に自信があるなら可視化に反対する理由はないはずです。
次の問題点は証拠の扱われ方です。現状では警察や検察は自分たちに都合の悪い証拠は開示しないことが認められています。しかし、事件に関して真実を知る大切な要因である証拠が検察側だけが独占していることは問題があります。繰り返しになりますが、警察や検察は自分たちの主張に自信があるならすべての証拠を無条件に開示すべきです。
取調べに問題がある事例は少し思い起こすだけで、PC遠隔操作事件の最初の被疑者4人や郵便局事件の村木さん、そしてオウム事件の河野さんなどがあります。この中でPC遠隔操作事件ではなんと2人が罪を認めている調書を作成しています。こうした事例を見ていますと、いかに取り調べというものが真実を追求することが目的ではなく、警察が自分たちの面子を保つためにあるのかがわかります。
なぜそうしたことができるのかといいますと、過ちを犯しても罰則がないからです。処分はあるかもしれませんが、罰則はありません。これが根本的な問題です。考えてみてください。普通の人が一個人の自由を奪ったならそれは犯罪です。それを堂々とできるのが公権力です。それほど警察や検察は大きな力を持っています。
普通の民間企業で働いている人の感覚ですと、仕事で大きなミスをしたならそれなりの覚悟を持つものです。人を逮捕するということは人一人の自由を奪うことです。この責任は重大です。仮に、それが過ちだったときは単なる覚悟では済みません。
だからこそ、責任の重さを実感してほしいのです。もし、誤認逮捕をしたときはそれを行った警察官や検察官が逆に収監されるとしたなら簡単に逮捕などしないはずです。
しかし、反対に考えますと、逮捕をしたときはなにがなんでも有罪にしようといろいろな画策をする可能性もあります。そうしたことをさせないためには取り調べの可視化や証拠の全開示は必須の条件です。
48年間も自由を奪われた人生は、人生といえるのでしょうか。人生とは自分の思い通りに生きてこそ初めて実感することができるものです。推定無罪が言葉だけの司法界にならないことを願っています。
ところで…。
昨年の年末に下水管が詰まって業者に依頼して高額な金額を支払った騒動をお伝えしました。実は、土曜の深夜に同じような状況になり、焦ってしまいました。しかし、今回は対処法を体験していましたので、日曜の朝一番に高圧洗浄機を購入して自分で直すことができました。
近くのホームセンターで8,800円の高圧洗浄機と3,980円のパイプクリーナーを購入したのですが、悩んだのは洗浄機の性能です。ネットで調べますと、あまりに性能が低いと詰まりモノを排除することができず、意味をなさないことがあるそうです。
そこで、いろいろと熟慮した結果、アイリスオーヤマのNBN-605という製品を購入しました。このときに重要なのは性能です。もちろん、性能が優れていればいるほど間違いなく詰まりモノを排除することができますが、そうなりますと価格が高くなってしまいます。ですから、できるだけ価格が安くて詰まり物を排除する性能の製品を選ぶ必要があります。
結論をいいますと、
・常用吐出圧力:8.5MPa、最大許容圧力:12.0MPa
・常用吐出水量:350L/h、最大吐出水量:400L/h
上記の性能の高圧洗浄機でしたが、これで十分に下水管をきれいにすることができました。業者が行ったのと同じ作業をでき、そして結果も同じように中から詰まりモノがどんどん出てきたのです。そのときのうれしさといったらありません。
実は、購入したときは8,800円と低価格だったため「性能が弱いのではないか」と不安だったのですが、杞憂に終わりました。あ~、よかった。業者に依頼すると約5万円の作業を1万円ちょっとでやったことになります。満足、満足。
じゃ、また。