<本当の開発者>

pressココロ上




 文学作品や映画などで人間が細菌によって滅亡する作品がありましたが、現実味を帯びていきそうなエボラ熱です。ニュースでエボラ熱に感染した医療関係者の映像を見ましたが、感染者を助ける業務をしていて感染したのですからなんともやりきれない気持ちになります。
 今の世界状況は中東のイスラム国問題やロシアの拡大思想、また民族独立の機運の高まり、日本においてはお隣韓国や中国との関係悪化など問題が山積みです。このような状況から感じるのは平和な社会を作ることの難しさです。
 イスラム国に関して識者の評論などでは、その根本的原因を資本主義や格差社会に求めていますが、僕はもっと単純に「悪いやつら」が勢力を拡大しただけに過ぎないと考えるのが妥当なように思います。
 罪のない人の首を切り落としたり、奴隷制度の復活を訴えたりする輩に正当性などありようがありません。単に、武力で自分たちが得をするような社会にしようとしているだけの組織です。そこには格差社会を是正しようとか平等な社会を作ろうなどという信念はかけらもありません。七人の侍が戦う悪党集団と同じです。悪党集団は壊滅する以外に方法はありません。
 簡単に壊滅などといいますが、壊滅する一員になることにおいても日本ではいろいろな問題をはらんでいます。そうです。集団的自衛権の問題です。自衛隊員を海外に派兵するのはやはり躊躇するものがあります。
 昔から、集団が結束を固めるには外敵を作るのが常套手段でした。悪徳政治家はそれを利用してカリスマ性を高めたりもしています。その意味ではイスラム国もその外敵に匹敵すると思いますが、今ひとつ共通の外敵にはなりきれないようです。その理由は外交が複雑だからですが、そうした問題とは無縁に外敵になりえるのがもしかしたらエボラ熱かもしれません。
 中東にしろロシアにしろ西側諸国とは関係が良好とはいえない地域や国家でさえも感染症という外敵は共通の敵となりえます。災い転じて福となるのことわざではありませんが、エボラ熱により国際社会が結束することが理想の姿です。
 そのためにはエボラ熱への対処法が確立することが大切ですが、いまだ原因が確定されていない状態なのが気がかりです。
 人間が今の時代まで滅びることもなく生き延びてこられたのは間違いなく感染症や病気に対する治療法が開発されたからです。こうしたことからもわかるように、人間は常に進歩進化することが生き延びていくうえでとても重要です。
 新たな開発は医療に限ったことではありません。先週は、青色LEDの発明者である日本人3名がノーベル賞を受賞しましたが、この発明は地球規模で省エネに貢献するそうです。まさにノーベル賞に値する発明でした。
 先週はそのノーベル賞受賞に関連して中村氏とほかの2名赤崎勇氏と天野浩氏の関係について少し触れましたが、それは両者の関係が良好でない雰囲気を感じていたからです。その答えが先週の経済誌に載っていました。
 結論を言ってしまうなら、中村氏と天野氏にはお互いに相手を快く思わない過去があったようです。記事によりますと、青色LEDの原理を開発したのは天野氏と師匠である赤崎氏であり、それを実用化したのが中村氏でした。そして、約10年前に中村氏と天野氏は論争をしていました。青色LEDが社会に貢献した割合はどちらが高いかについての論争です。
 中村氏は「大学という場で原理を開発しただけではなんの意味もない」と主張し、天野氏は「原理が開発されなければ実用化することもできない」という主張です。第三者である僕からしますと、どちらの言い分にも正当性があるように思います。両者が受賞したのは正解だったように思います。
 経済誌の記事の終わりには、犬猿の中のふたりが受賞式場でどのような言葉のやりとりをするか興味がある、と書いてありました。僕も興味津々です。たぶんどちらもプライドを持っているはずですから…。
 このように考えていきますと、新しい開発や発明が行われたとき、本当の意味での開発者または発明者を特定するのは難しいものがあるのがわかります。しかし、開発者または発明者になれるかどうかで金銭的な見返りが段違いです。それを考えるなら開発者として認められたいと思うのも理解できます。
 ですが、もっと大きな視点から俯瞰するなら誰が開発者であるかは大きな問題ではありません。大切なのは開発されることです。金銭的な見返りは時代のあだ花でしかないように思います。著作権とか特許権などの大切さを先進国でいいますが、それを作ったのは先進国です。自分たちが有利なルールを作ったに過ぎません。ですから、将来ルールが変わってそうした権利が公的なものにされることも考えられます。
 実は、僕は最近著作権や特許権などといった権利に疑問を感じるようになっています。資本主義の悪い側面のひとつではないかとさえ思っています。ビルさんやバフェットさんはあんなにお金を獲得していったいどうするのでしょう…。
 と、言いながら、そういわれる身分になりたいと願っている僕です。
 ところで…。
 久しぶりの「ところで」ですが、先週今週とコラムの量が少なくなっていますが、それにはちゃんと理由があります。実は僕、今「スタンプ」を作成しているんです。そう、あのLineのスタンプです。それを販売して一儲けしようという魂胆ですが、これが中々簡単ではありません。
 なにしろ僕には絵心というものがありませんので、ひとつの動きをイラストにするのに手間取っています。一応、キャラクターは決まっています。以前、更新していました「ジャーック!」です。ジャーックをキャラクターとして作成しているのですが、思い通りのイラストにならず肩が凝っています。
 そう、ペイントソフトを使うのは肩が凝るのですね。ついでにもう年ですので目も疲れます。目が疲れるから肩が凝るのか、肩が凝るから目が疲れるのか判断に迷うところですが、両方に疲れを感じています。
 簡単にペイントソフトといいますが、このソフトを使いこすためにはやはり勉強が必要です。そして作り方を調べていくうちに新たな注意点も見つかります。例えば、イラストに入れる文字ですが、今までなんの疑問も持たずに使っていたフォントですが、スタンプで使うとなると著作権の問題が大きく前に立ちはだかることを知りました。そうしますと、今度はスタンプで使えるフォントについても調べる必要が出てきます。
 このようにいろいろな問題が噴出してきますので、時間がかかってしまうのです。ですが、せっかく始めたのでなんとか審査に通過して販売までこぎ着けたいと考えています。
 「てな」わけで、著作権という不労所得で一儲けしようとたくらんでいる最近の僕でした。
 じゃ、また。




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