<指先入力>

pressココロ上




 スマホを使い始めて1年が過ぎました。購入したのは昨年の8月ですが、本格的に使い始めたのは11月頃です。その間は使い方をいろいろと試す試用期間でした。やはり仕事など重要な場面ではある程度完璧な状態で使えるようになっていたかったからです。もし大切なメモなどを消失することがあっては大変です。なんでもそうですが、初心者のときは思いもかけないトラブルに遭遇し、それを解決することに膨大な時間を要することがあります。下手をすると「使わなかったほうがよかった」ということにもなりかねません。試用期間は大切です。
 本格的に使うようになってから一番のトラブルは画面に1本の線が出ることでした。スマホの基本的な使い方はスワイプですが、指先で画面をなぞったあとに1本の線が残る症状が出たのです。その症状が出たきっかけはスマホのアプリを勉強しはじめたことでした。パソコンで作ったプログラムをスマホで動かすのですが、そのためにはスマホの設定をいろいろと変更する必要がありました。その変更をしていたときに画面に異変が起きたのでした。
 最終的にはリセットすることにしたのですが、リセットすること自体が大変な作業となってしまいました。できるだけそれまでに蓄積してきた内容を引き継がせたいと思ったからです。ネットで情報を集め、本屋さんで参考になりそうな本を立ち読みし、いろいろ試行錯誤しながらリセットを実行に移したのでした。
 そのときに感じたことは、格安スマホとキャリアスマホの違いです。僕は現在スマホ代は月額千円しか使っておらず、そしてこれで十分活用できています。休みの日に妻と遠出するときはgoogleマップをナビとしていますし、1日に1~2回(都合1時間くらい)ネットサーフィンもしています。普通の社会人がそれ以上スマホを使うことはないでしょうから、これで十分スマホのメリットを享受していることになります。
 これだけ使い勝手があって月額千円なのに対してキャリアスマホは平均すると7千円くらいです。この違いはアフターサービスの違いです。先の僕のようなトラブルはキャリアスマホですと店舗に行きますと直してくれます。そのサービス分が6千円の差になっています。
 僕は格安スマホを使っていますので、未だにキャリアスマホを使っている人の気持ちがわかりません。正確にいうなら「キャリアスマホを使っている若い人」の気持ちです。年配の方ですと、ちょっとした使い方や不具合でお店の人に教えてもらいに行くこともあるでしょう。しかし、若い人なら自分でできそうなものです。ですから、若い人でキャリアスマホを使っている人は、僕には大きな損をしているように思えて仕方ありません。
 このようにスマホを満喫している僕ですが、やはり実際に使っていると最初の頃と使い方が変わっていくことに自分でも不思議な気分になります。一番のそれは入力方法です。
 僕は今、メモを頻繁に取る仕事環境にいるのですが、この仕事を始めた当初はビジネスマンが昔から使っているような手帳を使っていました。しかし、書くことがどうしても面倒に思えたのです。それまでの僕の仕事歴であるラーメン屋やコロッケ屋では手帳を使う機会はあまりありませんでした。このような人生を送ってきましたので「書く」という作業が面倒で仕方なかったのです。
 実は、スマホを使うことにした一番の理由はこれでした。メモを書くことをもっと効率よくしたかったのです。
 スマホを使うようになって真っ先にメモ帳のアプリを使い始めました。これで「書く」という作業から解放されました。人差し指を上下左右に動かすだけで文字が打てるのですからこれほどうれしいことはありません。
 ですが、使っているうちに「音声入力」という方法を知りました。スマホに向かって発した声がそのまま文章になるのです。正確にいうなら「音声入力の方法を知りました」ではなく、「音声入力が正しく変換されること」を知ったのです。
 それまでの僕は音声入力が正しく行われないと思い込んでいました。いわゆる誤変換が多いと思っていたのです。ところが、スマホでネットサーフィンをしているときに「最近の音声入力の正確性」を知ったのでした。それで実際に試したところ、ほとんど間違いなく変換するのです。僕の感覚では控えめに言って8割の確率で正しい変換をします。自慢ではありませんが、僕は活舌が悪いので有名です。家族に言わせますと、僕の口調に慣れていない人は「なにを言っているのかわからない」人がほとんどだそうです。スマホはその僕が発している言葉さえきちんと正確に文章に変換してくれるのです。僕はITの進歩の素晴らしさに驚かされました。自分の知らないところでITの世界はどんどん進歩していました。
 このように音声入力の使い勝手の良さを実感していましたので、入力で指を使うことはほとんどなくなっていました。ところが、1ヶ月ほど前のことです。残暑も残っていたその時期に急に寒くなったときがありました。身体の弱い僕は風邪気味になりました。
 朝起きると声の調子が今ひとつでした。ですから、その日僕は音声入力はできるだけ避け指先入力をすることにしました。そして、何回が入力をしているときに気がついたのです。
 音声入力よりも早い!
 そうなのです。指先入力は一文字二文字入力しますと変換候補が出てきますのでそれをタップすることができるのです。ですからトータルで捉えますと時間的に効率よく入力することができたのでした。これは驚きでした。
 というわけで、現在僕は音声入力よりも指先入力で文字を打つほうが多くなっています。音声入力を経験する前の指先入力と音声入力を経験したあとの指先入力では指先入力の素晴らしさに対する実感が違います。人間って、経験することに無駄なことはひとつもありません。
 ところで…。
 先週は英会話への興味の話からスティーブ・ジョブス氏の感動した言葉を紹介しました。同じ流れでブルース・リー氏の言葉(燃えよドラゴン)も知りました。
Don’t think.FEEL!
 じゃ、また。




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする