<レレレのおじさん>

pressココロ上




 今年も残すところ十日あまりとなってしまいました。毎年のことですが、1年が過ぎるのは本当に早いものです。それでも今年は12月があっという間に過ぎている印象があります。去年は12月に入ってから師走の感覚をもう少し感じていたように思いますが、今年は年末の感覚を全く感じないまま20日を迎えています。これも来年還暦を迎えるという年齢のせいでしょうか。
 実は僕、今、前歯が2本ありません。ですのでとても面白い顔になっています。ちょっとでも笑うと前歯がないのが目立つので面白い顔がバレてしまいます。妻には「笑うな!」と言われています。でも、面白いときにはやはり笑ってしまいます。
 どれだけ面白いかを文章で説明するのは難しいので似ている人を探してみました。強いていいますと「天才バカボン」に出てくる「レレレのおじさん」ですかねぇ…。断っておきますけど、あくまで「強いていえば」ですから。でもイメージは合っていますね。
 では、どうして前歯が2本もなくなったかといいますと、たぶんいわゆる歯槽膿漏だと思います。歯医者さんがその説明をしてくれなかったので確たる理由は定かではありませんが、今の歯医者さんにはもう長いこと通い続けていますのでわざわざ説明する必要性を感じなかったのかもしれません。
 もう少し具体的に説明しますと、歯がグラグラしていたので抜いたのです。またまた「実は」なのですが、グラグラしだしたのはなにを隠そう2年前からです。ですから、考えようによっては「よく2年間ももったな」ということになります。
 「2年間ももった」のに限界を迎えたきっかけはナッツにあります。僕はナッツが大好きなのですが、食べ過ぎてしまいますと必ず鼻のあたりにボッチができます。「ボッチ」の命名者は妻ですが、わかりやすくいいますとニキビみたいなヤツで真ん中にポチと火山の噴火口のようなものがあります。そして日にちが経つとそれが爆発して中から白っぽい膿のようなものが出てきます。これがボッチです。
 僕は長年生きてきた経験からナッツとボッチの関係を把握していました。ですから、決してナッツを食べ過ぎないという戒律を自らに課していました。ところが先月の日曜日のある日、このコラムを書いていましたところ、なんとなく小腹の空腹感を覚えましたのでなにげに横に目をやりますとそこにはナッツのミックス袋がありました。しかも、封は切ってあり四分の三くらいが残っていました。
 繰り返しますが、僕は長年生きてきましのでナッツとボッチの関係を把握しています。ですから、ナッツを食べ過ぎることの効用といいますか悪影響を理解しています。ですが、「わかっちゃいるけど、やめられない」のが人間というものです。その日はどうしたわけかナッツのミックスをすべて平らげてしまいました。本当に人間というのは不思議な生き物です。
 するとなにが起こったか…。
 翌朝起きますと、なんか歯の周りに違和感を感じました。そして、朝ごはんを食べ初めて気づきました。なんと前歯の歯茎の奥のほうで激痛がするのです。その痛さは尋常ではなくご飯を噛むことさえできないほどの重症でした。
 最初は原因がわかりませんでした。しかし、よくよく考えてみますとナッツのボッチの関係が頭をよぎりました。前歯の歯茎の奥は鼻の下に位置しています。たぶん本来は鼻にできるボッチが歯茎のほうに少しずれたのでしょう。それしか思い当たることはありません。その証拠に鼻には全く異常がおきませんでした。
 結局、ご飯を噛めないほどの歯茎の痛さは3日ほど続いたのですが、それをきっかけに前歯のグラグラが一気に進行してしまったのでした。グラグラが進行したあとに歯医者さんに行ったとき(僕は1ヶ月に1回歯垢を取りに通っています)、先生が「歯茎が急に弱くなってますね。おかしいなぁ、おかしいなぁ」と「おかしいなぁ」を連発していました。僕には心当たりがありましたが、もちろん黙っていました。
 若い頃は歯の重要性などこれっぽっちも感じていませんでした。ですから毎日の歯磨きも大雑把というよりもなでただけといった按配でした。しかも30才から3年間くらいは歯磨きをやめていた時期もありました。これは前にも書いたことがありますが、作家の五木寛之氏が「自分は歯を磨く代わりにりんごをかじっている」とラジオで話していたからで、それを真似したのでした。
 僕の記憶では、僕が30代までは歯磨きは歯を磨くことが目的だったように思います。しかし、現在は歯よりも歯茎というか歯と歯茎の間の歯垢を取り除くことが目的です。言い方を変えるなら、虫歯を予防するのではなく歯槽膿漏を予防することが目的です。
 もし、昔から歯槽膿漏についての啓発がしっかりとなされていたなら、僕ももっと歯磨きをしたのに…、思わずにはいられません。すみません。いい訳です。若い皆さんはくれぐれも歯垢をきちんと取ることを心がけてください。
 先ほど書きましたように、僕は1ヶ月に1回歯医者さんに通っていますが、そのほかに かかりつけの内科にも通っています。内科は心臓病と糖尿病のチェックを受けるためです。チェックといいますと大げさですが、心臓の血行をよくする薬と血管を広げる薬と逆流性食道炎を抑える薬を処方してもらうために通っています。
 この通院はかれこれ1年以上続いているのですが、前に一度通院をさぼったことがありました。理由は、通常の生活をしている分には心臓病関連や糖尿病の症状を感じなかったからです。つまりその間は薬を服用していなかったことになります。そして、次に病院に行ったときに「薬がなくなっているのに放っておいた」と先生に叱られたことがありました。僕が思っている以上に薬を服用することは大切なようでした。それからは薬がなくなる前に必ず通院するようにしています。
 つまり僕は1ヶ月に2箇所の病院に通っていることになりますが、これは国民健康保険組合にとってみますと喜ばしいことではありません。どこもそうですが、医療費の増加は地域の財政を圧迫しますので大きな問題となっています。ですから、市町村ではできるだけ適正な医療機関の受診をどのように実施させるか頭を悩ませています。
 そのひとつの対応策として僕の住んでいる地域は病院に頻繁に通っている人を対象に看護師を派遣して健康状態を把握するシステムをとっているようです。健康状態の把握とは言いながら僕の推測ではこのシステムは「無駄な受診をしていないか」とか「重複した薬の服用をしていないか」などをチェックするために行っているようです。お年寄りなどは複数の病院に通院した結果、薬が重複していたりもしますので理に適ったシステムです。
 そして、僕のところにも看護師さんがやってきました。一応の名目は住民の健康管理ということになっていますが、僕は病院に通う頻度が高いほうの部類に入っているのでしょう。話しぶりから、病院での受診が適正かどうかのチェックであることが感じられました。
 僕が今一番注意を払っているのは糖尿病です。実は、糖尿病と心臓疾患と歯槽膿漏は密接に関連しているそうです。ですから、糖尿病にならないことはほかの疾患にも好影響を与えるはずです。
 その意味でも糖尿病の検査のために内科では定期的に検査を受けていますが、現在一応は危険水域を脱しています。その糖尿病の関して、予防のためには筋肉をつけていることが大切だと知りました。ですから最近の僕の日課は体重の管理と筋トレです。
 現在、体重は52.5キログラム前後で腹筋も6つに割れているのがわかるような体型です。もちろん禁煙も継続中です。これで長生きしないはずがない、ですよね。
 ちなみに、レレレのおじさんでいるのは木曜までです。
 じゃ、また。




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