<大谷 翔平選手>

pressココロ上




 昨晩は久しぶりに野球をLiveで見ました。僕の年代ですと「Live」という言い方よりも「生」というほうがピン!ときますが、まぁとにかく「リアル」で見ました。「リアル」もおじさん臭いのかな…。
 それはともかく大谷選手が投げる姿を初めて見たのですが、とても22才とは思えない堂々としたマウンド捌きに驚きました。僕がこれまでに見た大谷選手はスポーツニュースでのハイライト場面だけでしたのでマウンド捌きを見るのは初めてでした。
 やはり器が違うとはこのことだと思いました。それを最も強く感じたのはホームランを打たれたときです。そのときの表情や振る舞いが堂々としていたのが印象的でした。
 久しぶりに野球をリアルで見たからでしょうか。大谷選手の投げる姿を見ていて僕は30年以上前の江川投手と大杉選手の対戦を思い出していました。当時は150kmを越える球速を投げられる投手はあまりいませんでした。そんな中、江川投手が試合の重要な場面でヤクルトの4番・大杉選手と対戦しました。
 この球界を代表する投手と打者の対戦はとても魅力的で見ている人を興奮させました。江川投手がツーストライクと追い込んだあと変化球ではなくストレート一本で押し通す姿が記憶に残っています。しかも、投げるたびにどんどんスピードが上がっていくのです。テレビ画面の右下に球速が表示されていたのですが、148kmあたりから150kmを越え、152km、153kmと150km越えを連発するのです。
 対する大杉選手も必死に食らいつき、かろじてかすったファールボールがバッグネットへ突き刺さる映像が今でも記憶に残っています。昭和の名勝負のひとつです。
 次に思い出したのが漫画「巨人の星」でした。「巨人の星」と言いますと、普通すぐに思い出すのは飛雄馬であり、一徹であり、伴宙太であり、花形満であり、左門豊作たちです。しかし、僕はなぜか的場君を思い出したのです。さて、読者の中で的場君を知っている人はなん人くらいいるでしょう。
 的場君は飛雄馬の高校の同窓生で運動系ではなく今でいうオタク系の登場人物です。いつもスケッチブックを持っていて絵を描いているキャラクターでした。飛雄馬との絡みは的場君が飛雄馬の投げる姿をスケッチしていて投球フォームの違いを指摘したことです。その後、的場君は飛雄馬が遭遇する大きな転換点のときに登場する人物として描かれています。
 野球漫画でありながらアーティスト系の分野の人まで登場させて物語を作るところが原作者・梶原さんのすごいところです。常々書いていますが、巨人の星は本当に奥が深いのです。今、流行りのキャッチコピー風にいうなら「人生のことはすべて巨人の星から学んだ」という感じです。
 僕は大谷選手の投げる姿を見ていて的場君を思い出したので、ネットで調べてみることにしました。今の時代は本当に便利です。なんでもネットで調べることができます。
 早速、Yafooで「巨人の星、的場」と検索したのですが、「巨人の星」については検索結果が出るのですが、残念なことに「的場」に関する情報が全く出てこないのです。いくらネットが万能とはいえすべてが調べられるわけではありません。これまでにも検索で調べられないこともありました。ですから、「的場」君はあまりにマニア過ぎて誰も情報を出していないという可能性もあります。
 しかし、やはりなんとなく納得できない部分もあります。「的場」君は全く情報が出ないほど「マニア」とは思えなかったからです。そこで、今度はgoogleで調べることにしました。するとひとつだけ「的場」が出てくるサイトがありました。
 やっぱり、あったんだ…。
 そして、僕はそのサイトで驚くべきことを知りました。なんと「的場」は正解ではなく本当の名前は「牧場」だったのです。飛雄馬の同窓生は「牧場春彦」君でした。しかし、そこで疑問が生じます。なぜ、「『的場』で検索に引っかかったのか?」です。
 その理由は、単行本の一箇所に誤って「的場」と書かれていたからです。その間違いを説明しているサイトがひっかかったのでした。すごいことに、その間違いは次の登場場面では修正されているそうですから、まさにたったの一箇所の間違いだったことになります。そのことが説明されていたことで僕の「的場」の検索に引っかかったのでした。偶然の賜物以外にありません。
 ノーベル賞をもらうような発見をした化学者が「実験を間違って、偶然に発見した」とコメントしていることがありますが、それと同じです。ノーベル賞を引き合いに出すのはおこがましいかな。(^^)ニコ
 そんなことが頭の中を駆け巡りながら野球を見ていたのですが、大谷選手は本当にすごかったです。大谷選手を見るためだけに球場に足を運ばせたりチャンネルを合わせたりさせる価値がある選手です。
 ツーボール、ノーストライクのあとにストレートをド真ん中に投げるのですから並大抵の選手ではありません。自信を持っている証拠です。しかも裏付けのない自信ではありません。ペナントレースでの実績が伴った自信です。
 冒頭にも書きましたが、本当の実力は打たれたあとに表れます。大谷選手はホームランを打たれたあとに全く動じていませんでした。オドオドした雰囲気など全く感じさせず反対に落ち着いていました。しかも、その前にサイン見逃しにより重盗を許してしまったというミスがあったあとです。普通なら試合を壊すような崩れ方をしてもおかしくない状況でした。
 高校を卒業して4年目の選手の振る舞いではありません。やはり器が違います。大リーグに行くのも時間の問題でしょうが、よほどのケガがなければ成功するのは間違いありません。
 大谷選手がプロに入ってから成長している要因のひとつに監督やコーチの存在が上げられます。もちろん大谷選手の素直な性格と頭のよさも大きな要因ですが、大谷選手を育てる側である監督・コーチの存在がとても重要です。その意味で評論家出身ですので根性主義に偏らず一般社会の波にも揉まれた経験のある栗山監督の存在は大きいものがありそうです。また、日本人選手の大リーグへの道を開いた野茂投手と仲が良く大リーグの経験もある吉井コーチの存在も大きなものがあるはずです。
 大リーグに行くにしても、今の日本人メジャー選手の中で若い世代の一番の先輩格はダルビッシュ選手だろうと想像していますが、同選手はいい意味で周りに流されることなく自分の道を突き進むタイプです。またダルビッシュの弟子ともいえそうな田中将大投手も自然体ですし、今年から参入した前田健太選手も同様です。こうした先輩たちが先陣を切っていますので大谷選手にも好影響を与えるように思います。
 若い好選手たち、頑張れ!
 じゃ、また。




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする