<青色申告会>

pressココロ上




 毎年この時期になりますと、僕は確定申告に関連するコラムを書いているのですが、今年も書きます。今年もなんとか提出を終え、一息ついているところです。確定申告でなにが困るかと言いますと、やり方を思い出すことです。なにしろ一年ぶりに仕訳やら決算やらをやるのですから大変です。仕事絡みなどで日々経理や簿記に接している人ですと、「思い出す」という作業をする必要はありません。しかし、僕のように確定申告時以外は全く経理関連に触れることがない人間にとっては苦労以外のなにものでもありません。
 これから書くこともなんどか書いていますが、やはり書きます。国税庁のHPにある「確定申告書等作成コーナー」はとても便利です。本当に、画面の指示に従って進めるだけで確定申告書を作成することができます。そうは言いましても、パソコンに慣れていない人には不安を感じる人がいても不思議ではありません。パソコンさえ完ぺきに操作できない人が、ネット上で「確定申告書を作成する」気持ちになるのは不可能に近いことです。
 僕にも経験がありますが、「画面の指示に従って」というのがまた曲者で「画面どおりに従えない」ことがままあります。僕の妻は新婚時代には僕に従っていましたが、年齢を重ねるとともに「従わなくなって」きました。30年を過ぎた今ではほとんど無視です。妻の場合は、人間性が図太くなったことが原因ですが、「確定申告書等作成コーナー」の画面どおりに「従えない」のは別の理由です。
 これは単純に言いますと、説明の仕方が下手くそだからです。「教える」とか「説明する」ことに対する意識が低いからです。僕のポリシーは、「教えられる側ができないのは、教える側に100%責任があります」です。
 「確定申告書等作成コーナー」は国税庁のHPにあり、その国税庁はお役所の中でも最もお役所的なイメージがあるところです。そして、お役所という言葉から連想するのは「お役所仕事」です。「お役所仕事」を辞書で調べますと「形式主義に流れ、不親切で非能率的な役所の仕事振りを非難していう語」と書いてあります。ですから、「確定申告書等作成コーナー」の存在を知っていながらまだ利用していない人は「お役所仕事」というイメージが行動を躊躇させているように思います。そこで、単に「画面の指示に従う」だけではなく、さらにもう一歩進めてもっと具体的にわかりやすく説明しているサイトを「まとめnaver」で紹介することにしました。確定申告がまだの方は是非挑戦してみてください。
簡単!国税庁の確定申告作成コーナーで手早く済ます方法
 ネット上には確定申告で「得をする」方法を紹介しているサイトが数多くありますが、そこに必ず書いてあるのは「青色申告」をすることです。ご存知の方も多いでしょうが、確定申告には「白色申告」と「青色申告」があります。確かに「青色申告」にはメリットがたくさんあります。ですから、手続きや作業などを面倒と思わない人なら「青色申告」にした方が得なのは間違いありません。しかし、「青色申告」にしたからといって審査が甘くなるということはないようです。「ないようです」と曖昧な表現なのは実際にいろいろな人の体験談を聞いてきたからです。
 トランプさんが大統領になってから「偽ニュース」が注目されています。これまでもいわゆる噂話のレベルではいろいろなことが言われていました。噂話を伝える最も大きなメディアは週刊誌です。週刊誌は著名人・有名人のゴシップを報じるのが仕事であり使命ですが、その中には「事実」もあれば「偽」もあります。マスメディアの世界はこれら週刊誌の情報の中から真実性の高いものをテレビや新聞などが報じるという大きな流れがあります。簡単に言ってしまうなら、週刊誌で報じられる記事の中でテレビや新聞が取り上げるものは「事実である」とお墨付きがついたことになります。昨年来、関連本が売れ続けている田中角栄元首相が失脚したきっかけは週刊誌の第一報でした。
 それはともかく確定申告や青色申告に関する情報においても同様で、例えば「青色申告にしていると税務署のチェックがほとんどノーチェックだ」などという話が実しやかに言われたりします。さらに、「青色申告にするだけではなく青色申告会に加入しないとメリットは受けられない」などといった話も伝わってきます。
 おそらくこの真偽はいつまで経ってもはっきりしないはずです。このようなことをはっきりさせてしまっては納税の公平性が失われるからです。しかし、一定の傾向は想像することができます。
 実は僕の父も仕事現役時代は白色ですが確定申告をしていました。世の中には確定申告を言葉は悪いですが「いい加減」にやっている人が少なからずいます。「いい加減」が言い過ぎなら「適当に」がよいでしょうか。どちらにしてもきちんと正確に申告していない人がいることは事実です。あ、「事実」という言葉は不安を与えますので「確かです」に変えます。
 僕の父もその部類に入る人でした。ある日、父は税務署から呼び出しを受けて問題点をいろいろと指摘されかなりの金額の追徴になりそうでした。しかし、父がいろいろとごねて反論をし押し問答になったところ、「青色申告会に加入することを条件に、1万円の追徴だけで済んだ」そうです。父は一年間だけ青色申告会に加入しました。
 僕は似たような話を幾人かから聞いたことがありますが、この話からあることがわかります。それは、「税務署は納税者を青色申告会に加入させたがっている」ことです。
 確か、今年から白色申告者も帳簿付けの義務が発生したように思いますが、昔は白色申告者は帳簿付けをしなくてよかったのです。そうしたこともあり、税務署は白色申告者をより丁寧に審査していたはずです。父はたまたまそれに引っかかったのだと思います。基本的に税務署も人数に余裕があるはずはありませんから、全部を丁寧に調べるのは不可能です。
 この状況は今も変わらないはずですから税務署ができるだけ審査の数量を減らすことを考えても不思議ではありません。その減らす方法が青色申告会の活用です。またおそらく税務署の天下り先にもなっているでしょう。
 僕は申告書の提出はほとんど妻に行ってもらっています。妻には「ただ出すだけでいいから」と言っていますし、実際妻は税金のことは全くわかりません。これまで受け取りを断られたことはないのですが、一度だけ提出した日の夜の7時ころに電話を受けたことがあります。かなり前ですので詳細は忘れましたが、どこかの記入箇所に不備がありその修正の可否でした。
「ここを直しますと、問題なく受け付けてもらえますのでよろしいですか?」
という内容でした。もちろん了承しましたが、このとき感じたことは青色申告会が税務署の代わりに審査をしている可能性でした。
 結論です。青色申告会に加入しているからといって絶対に審査が甘くなるということはありませんが、審査の対象になるリスクがかなり減るのは間違いありません。
 じゃ、また。




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