<ボケボケ日記>

pressココロ上




やらかしてしまいました。いやぁ、悔しい。本当に悔しい。同じ本を買ってしまうなんて…。

これが初めてではないんですよね。それが尚一層、悔しい。僕はたまには新刊本を買うこともありますが、基本的にはブックオフで買っています。ご存じのようにブックオフでは買取もやっているのですが、先々月僕はレコードを売りました。きっかけは押し入れを整理したことです。

ある日、ネットを見ていたところ、たまたま「部屋の片づけ」についてアドバイスをしている記事に出会いました。最初に興味を引いたのは「片づけ」で有名な「こんまり」こと近藤麻理恵さんが「片付けやめた」という見出しでした。

へぇ、あれだけ片付けについてアドバイスしていた「こんまり」さんが「片付け」をやめるんだ、と興味を持ったのですが、流し読みしたところ、「小さな子どもがいると、片付けが追いつかない」と書いてありました。「こんまり」さんにはお子さんが3人いらっしゃるそうなのですが、これだけ小さなお子さんがいますと、「片付けばかり」していられない、となったそうで、正しくは「片付けの優先順位を下げた」ことのようです。

小さな子供がおもちゃなどを出しっぱなしにすることは容易に想像できますし、3人もいますといくら「片付けて」と言ったところで、全員が言いつけを守るとは限りません。ですので、「そりゃ、そうだよな」と思ったのですが、たまたまその記事に関連するサイトの紹介欄にありました「ほかの片付けアドバイザー」のサイトが目に留まりました。

そのサイトが冒頭に書きました記事なのですが、そこには僕の心にストンと落ちる片付けの極意が書いてありました。「片付けの一番の極意はモノを床に置かないこと」だそうです。この言葉が僕の心に刺さりました。…なるへそ!、とやけに腑に落ちたのですが、ちなみに「なるへそ」は昭和のおじさんが若い頃に「納得したときなど」に普通に使っていた言葉です。それはともかく、部屋が散らかるそもそもの原因は「床にモノを置くからである」は当然と言えば当然ですが、そのときまで考えたこともない発想でした。

それを読んで以降、僕は床に置きっぱなしにしていた些末なモノ、本当に床とか畳の上とかに置いてあるモノはそこに置いておく意味がないものばかりでした。そうした些末なモノらをすべて箱などに入れてほかの場所に移しました。するとどうでしょう。部屋が一気に広く感じられたのです。これは驚きでした。「床にモノを置かない」ことの一番のメリットは、部屋が広くなることでした。

その流れから家の中の不用品を処分する発想が沸き起こり、その一環として押し入れの中の整理を行いました。そこで見つけたのがレコードでした。実は、このレコード類は数ヶ月前必死になって探したことがあります。これは「片付け」とは違う視点からの行動だったのですが、そのときは「ここにあるはず」と思っていた場所にありませんでした。いつも書いていますが、人間の記憶とは本当にあてにならないもので、どこを探しても見つからなかったので仕方なく諦めていました。そのレコードが出てきたのですから感激しないはずがありません。こんなところにいたのか…、そんな気持ちでした。

「やっと見つけてくれたか」とレコードが出てきたのですが、出てきたのは70年代80年代のLPレコード類です。実はレコードを探した理由はこのLPレコードの中の1枚のジャケットをどうしても見たかったからです。アルバムタイトルは「ガラスの動物園」というのですが、読者の中で知っている人はいないだろうなぁ…。これは甲斐バンドという当時の若者に絶大の人気があったロックバンドのアルバムです。

ネットで「ガラスの動物園」を検索しますと、幾つか出てくるのですが、僕が記憶しているアルバムとはどこか違っているように思っていました。特にこのアルバムの中に入っている「嵐の季節」という楽曲が納得できませんでした。もしアルバムが見つかったなら、僕はレコードプレーヤーを持っていないのですが、なにかしら方法を考えてレコードを聴くことさえ考えていました。

それほど熱望していたアルバムが見つかったのですが、探していたときから時が過ぎ、僕の熱い気持ちも少し冷め、レコードを聴きたいという気持ちはなくなっていました。そこで考えたのが買取業者に「販売する」ことでした。もちろん、ジャケットの確認とアルバムに入っている楽曲についてはメモというか写真に収めてあります。

数年前あたりから「レコードの人気が再燃している」という記事を目にしていましたので、「売るなら今だよな」とも思っていました。早速レコード買取の専門業者などを調べたのですが、どこか胡散臭く信頼性に欠けるような感じを受けました。そこで、高く買い取ってはくれないかもしれないけど、安心と信頼性でブックオフに決めた次第です。そのときは確か21点で4千円くらいになり、まぁまぁの満足感でした。

それから1ヶ月ほど過ぎた頃、僕の片付け発想はとどまることなく続いていたのですが、家の外に置いてあるコンテナの中を整理することにしました。長いこと開けていませんのでいらないものがあふれていそうに思ったからです。

久しぶりに蓋を開け中を見ますと、なんと!またレコードがあるではありませんか。これは本当に予想外でした。押し入れのレコードを見たときに「少しばかり数量が少ないかなぁ」とは思ったのですが、自分の記憶違いと思い込んでいました。ですので、コンテナの中のレコードを見たとき、「ああ、やっぱり」というのが正直な気持ちでした。

僕の予想では、コンテナの中には雑多な道具類などが詰め込まれているはずでした。ところが、予想に反して中にはレコードしか入っていなかったのです。これも驚きでした。しかもレコードもLPだけではなくシングル盤のEPレコードも入っていました。点数だけで言いますと、今回のほうがかなり多いことになります。次にブックオフに行く日に買い取ってもらうことにしました。

結論を書きますと買取金額は約5千円だったのですが、1点あたりの金額としてはあまり高く買ってもらっていません。特にシングルレコードは10円程度でしたので本来ですとさしたる金額にはならなかったはずです。しかし、レコードの中に髙橋真梨子さんという方のLPレコードがあり、それを4千円という高値で買い取ってくれていました。もしそれがなかったなら千円にも満たなかったことになります。ラッキーでした。

いよいよ僕がブックオフでやらかした理由に近づくのですが、ブックオフで買い取ってもらったときにお金と一緒に割引券ももらっていました。5百円というブックオフで使うにはそれなりに価値がある金額でしたが、有効期限が5月末になっていました。つまり今月ということになりますが、僕がその店舗に行くのは月に1度でしたので、なんとしても使わなくてはいけない状況になっていました。

そのブックオフはショッピングモールの中にテナントとして入っているお店でしたので、妻がほかのお店でいろいろ見ている間に僕は本を探すことにしました。5百円を使い切るには5百円以上の本を買う必要があります。いつもは100円~200円コーナーを中心に探すのですが、そのときは5百円の割引券を持っていましたのでついつい気が大きくなっていました。

そうした気持ちでいるときに目に入ってきたのが表紙もきれいな「ケアマネジャーはらはら日記」でした。僕は自分もそうした現場で働いていますので、世の中の末端で働いている人たちが上げる声にとても興味があります。青島刑事ではありませんが、「事件は現場で起きている」と思っています。「ケアマネジャーはらはら日記」はまさに僕好みの本でした。

さらにその隣には「振り回され、労られ 『非正規介護職員 ヨボヨボ日記』という本もありました。題名から察しますと、どちらも似たような内容の本のようです。また、どちらも定価1500円が1000円で販売されていたのですが、2冊を買う余裕はありません。実は、それ以外に自己啓発関連の本を選んでいたからです。

さて、どちらを買おうかと悩んだのですが、「介護職員」よりも「ケアマネージャー」のほうが業界を俯瞰して見ているような感じがしました。迷った末に「ケアマネジャーはらはら日記」を買うことにしました。

翌日早速読み始めたのですが、業界の実態が描かれており興味深く読み進めていました。ところが、4分の3あたりを過ぎたころ、「あれ?」と思うような文章が幾つか出てきました。そのとき初めて「もしかしたら…」と不安な気持ちが襲ってきました。僕はすぐさま本棚に向かいました。

…ありました。

もっと早く気づいてほしかった、と自分自身を責めました。あの無駄な3時間を返せ! あのとき『非正規介護職員 ヨボヨボ日記』を選んでいたなら…。

じゃ、また。




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