<謹賀新年>

pressココロ上




7日も経ってしまいましたが、読者の皆様あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

新年最初のコラムですが、年が明けてから世の中を騒然とさせる事象が連続で起きました。能登地震だけでも驚きでしたが、その翌日には羽田空港で航空機事故が発生しました。あとから報じられた事故時の映像を見ますと、本当に間一髪だったことがわかります。機転を利かせたCAの方の機敏な対応がなければ、もっと悲惨な状況になっていました。日頃の訓練の賜物でしょう。

僕には毎年お正月に電話で1時間ほど近況を伝え合う友人がいます。大学時代の友人ですが、その彼は石川県に住んでいます。いつも年賀状に電話をくれる日にちを書いてよこすのですが、今年は3日になっていました。しかし、1日に地震がありましたのでlineで電話の延期を確認したところ、運よく彼の住んでいるところは被害に遭わず、「大きく揺れただけ」とのことで、予定どおり電話をすることになりました。

しかし、その後のニュースを見ていますと、被害が広がっていることが伝えられていましたし、電話回線なども混雑していると報じられていました。ですので電話はきたのですが、短時間で済ますことにし、後日に再度電話をすることにしました。やはりあれだけの被害が伝えられますと、のんびりと話してなどいられません。

地震の報道がありますと、僕が真っ先に思い浮かぶのは東日本大震災でのマスコミの行状です。震災から数年経った頃にある記事で読んだのですが、当時のマスコミ・取材陣の横暴ぶりが暴露されていました。あえて「暴露」という言葉を使いましたが、あまりに横柄な振る舞いに怒りさえ湧き上がってきたからです。

マスコミの人たちは「自分たちが他社よりも抜きんでた映像を撮影すること」だけに関心が向いていたようです。例えば、勝手に被災者の庭や、酷いときには家の中にまで入ってきてニュースになりそうな「画」を探し回っていたそうです。地元の人がマスコミに不信感を持つのも当然です。そうした記事で読んでいましたので、今回のニュース報道でも、どうしても取材陣の振る舞いを想像しながらニュースを見てしまいます。

以前、このコラムで森達也監督の「A」という映画について書いたことがあります。この作品はオウム真理教を内側からの視点で撮った映画ですが、マスコミの横暴さが映っていました。マスコミは競争ですので、他社よりもニュースになる映像を撮ろうと血眼になって活動しています。しかし、そうした思いにとらわれるがあまり、「真実を伝えること」というよりも、注目を集めそうな刺激的な映像を撮ろうとする意思が働いているように思えます。少なくとも、僕にはそう思えて仕方ありません。

今回の地震でもマスコミ各社が被害状況を伝えていますが、あれだけの取材陣が押しかけますと、「地元の方々が迷惑を被っているのではないか」と不安になります。東日本大震災のときは、マスコミがこぞってやってきたがために、マスコミの車がガソリン不足に輪をかけたそうです。言うまでもありませんが、それでは本末転倒です。被害者を救済するために報道するのが使命であるはずですが、反対の結果になっています。

マスコミも民間企業ですので、競争があるのは理解できますが、地震など緊急の場合は協同で取材に取り組むなど、節度ある取材方法をとってもいいのではないでしょうか。政治の世界では「記者クラブ制度」があるのですから、地震のような緊急の事態でこそ「横並び」のメリットを生かすべきです。今のマスコミの状況を見ていますと、強いものにはおもねり、弱いものには高圧的に対応しているように思えます。

昨年末にも触れましたが、今回の政治資金の裏金疑惑が表に出てきたきっかけはある大学教授の告発です。しかし、本来なら政治担当の記者の案件ですが、「記者クラブ制度」の悪い面があるおかげで、横並びに意識が強く、政治家を追求しようという気概がまったくなかったことになります。そうした姿勢はジャーナリストとして恥じるべきです。僕の好きなジャーナリストに筑紫哲也さんという方がいたのですが、ご病気で73歳という若さで他界されています。その筑紫さんが「記者クラブ制度」の弊害をずっと指摘していたのが今から20年くらい前です。そのときからなにも変わっていないことになりますが、マスコミの凋落が指摘されるのも仕方ないことかもしれません。

僕の好きな経済評論家・山崎元さんの訃報が伝えられました。僕が山崎さんを知ったのは30年くらい前の週刊ダイヤモンドの連載でしたが、金融業界におもねることなく正論を書いていたことに好感していました。山崎さんがメディアに出始めた頃、ウリにしていたのは転職が多いことでした。メディアで生き残るにはなにかしら特徴・肩書・経歴が必要ですが、山崎さんは「転職の多さ」をウリにしていました。

しかし、社会の底辺で生きていた僕からしますと、山崎さんの転職は所詮はエリート階級内での異動としか映っていませんでした。東大出身で金融業界を渡り歩いていたのですが、そうした経歴では「普通の人の参考にはならない」と思っていたからです。ですが、山崎さんが解説する金融業界の問題点はとても納得できるものでした。端的に言いますと、「ボロ儲け」を画策している金融業界について具体的に一つ一つ注意を喚起していました。

ニュースコーナーでも紹介していますが、とても参考になりますのでこちらでも記しておきます
・https://diamond.jp/articles/-/166719
・https://diamond.jp/articles/-/109622

僕は自分のサイトを宣伝するために「X」(旧ツイッター)で1日に2~3回投稿しているのですが、ときたまバズルことがあります。バズルと言いましても、著名人とは数字の桁が違いますが、通常ですと10回~30回の間を行ったり来たりしている数字が千回以上になることがあります。しかし、残念なことにバズルのはいつも偶然の産物で「バズラせる」方法はわかっていません。

それがわかっていたなら、もっと「X」を有効活用できるのでしょうが、そうは問屋が卸さないのが現実です。しかし、推測していることはあります。これまでで一番バズッたのは俳優の高橋一生さんの「心に残る言葉」を紹介したときですが、バズッたツイートに共通しているのはツイート界隈で有名な人の名前を使ったときです。元から見る人が多い名前ですので、自然に見る人が増えることになります。それがわかってからできるだけネットで有名そうな名前の人は使わないようにしました。宣伝を目的にしているツイートですので不思議に思うでしょうが、ひねくれものの僕の反骨心です。

「X」ではなく、youtubeでもバズルときがあるのですが、これは本当に理由がわかっていません。youtubeの投稿は「社会風刺」が基本ですので、そのときの社会の出来事を反映しているのですが、数字が伸びるときと伸びないときがあります。僕のyoutubeのチャンネル名は「ニュースを見ていないと意味が分からない動画」ですが、名前のとおり「ニュースを見ていない」人の多寡が影響しているはず、とは思っています。しかし、それが真実かはわかっていません。不思議です。

つれつれと書いてきましたが、今年も気なることや怒りを感じたことなどを中心に書いていきたいと思います。本年もよろしくお願いいたします。

じゃ、また。




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