<メンテナンス>

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数年前にエアコンを買い替えたのですが、それまで約20年くらい使っていた代物で、そろそろ買い替えの時期と思っていました。正確な日付を保証書で調べますと2018年となっていました。「もう4年も経つんだなぁ」と時間の過ぎる早さに感慨にふけっていたのですが、実は購入依頼ずっと「悩んでいた」というか「困っていた」ことがあります。

それはフィルターの掃除です。

一般的な常識ではエアコンのフィルターは1~2週間、遅くとも1ヵ月に1回くらいの頻度で清掃するのが正しい使い方です。もちろん僕もそう思っていたましたので、購入して1ヵ月ほど経った頃にフィルターを清掃することにしました。これまでの経験上、フィルターを取り出すにはエアコンの前部にあるカバーを開けることからはじまります。ですので、エアコンにはカバーを開けるためのつまみというか、取っ手のようなものがついていなければいけません。

僕は当然、そういう指で持つものがあるものと思い、椅子に上り探しました。しかし、エアコンの前あたりを端から端まで見て探したのですが、それらしきものが見つかりません。そこで、少し力を入れてエアコンのカバーの端っこを掴んで上に開けようとし試みました。しかし、カバーが動く気配が全くしません。あまり無理に力を入れてカバーを壊してしまっては元も子もなくなります。

仕方なく、その年はフィルターの清掃は一度もせずに夏が終わりました。我が家はエアコンを使うのは夏の3ヶ月ほどだけです。冬はエアコンは全く使いません。理由は、エアコンでは部屋が全く暖かくならないからです。冬はガスファンヒーターを使っています。あくまで個人的見解ですが、エアコンとガスファンヒーターでは暖房能力に格段の差があります。暖かくなる感じが断然違います。寒がりの僕からしますとエアコンは暖房器具とは呼べないものです。

結局、1年目はフィルターの掃除を一度もせずに終わったのですが、2年目に入りますと、やはり気になる、というか心配です。どんな家電製品にも当てはまるのですが、その製品の性能・機能を最大限に使う・引き出すには手入れ・メンテナンスがとても重要です。どんなに優れた性能・機能を持っていようが、メンテナンスをおろそかにしていますと、宝の持ち腐れになってしまいます。

そうしたことを実感したのはラーメン店を営んでいるときです。ラーメン店では冷蔵庫を筆頭にいろいろな電気製品を使うのですが、業務で使っていますと、どうしても過酷な環境で使うことになってしまいます。火力を使うのが当たり前ですので、厨房内の温度は通常の場所よりもかなり高温です。そのような環境で使っていますと、自ずと故障する頻度はどうしても高くなります。そうしたときは、修理業者に依頼するのですが、この「修理の依頼」が簡単ではありません。

その一番の理由は業者の選び方にあります。これは今の時代も同じだと思いますが、業者の選定は修理がうまくいくかどうかの最大の要因です。今の時代ですと水回りに関する修理などはポストに投げ込まれているチラシ類があります。今から20~30年前はそうしたチラシ類はなく電話帳で調べるしか方法はありませんでした。電話帳には広告が載っているのですが、その中から業者を選ぶことになります。これはもう、運を天に任せるしか術はありません。ちなみに、ポストに投げ込まれているチラシ類も良心的な業者とは限らないことは肝に銘じておく必要があります。

日ごろからつき合いある、とか知り合いの業者ですと不安な気持ちになりませんが、修理業者は初めて依頼するケースが一般的です。ですから、どのような業者が来るのかは、来てもらうまでわかりません。しかも、依頼をしてからすぐに来るとも限りません。下手をすると到着までに数時間かかることもあります。最悪の場合は、修理代金を「ぼったくられる」」ことさえあります。実際、僕は開業して間もない頃に、そのような修理業者に遭遇した経験があります。

このような残念な経験がありましたので、家にある家電製品においても修理はできるだけ自分にやるようにし、日ごろのメンテナンスにもかなり神経を使っています。そうした僕ですが、新しいエアコンのフィルターを掃除することができません。なにしろ、フィルターを取り出すカバーを開けることができないのですから。

しかし、今の時代はネットでほとんどのことは調べることができます。車のワイパーの交換も車のエアコンのフィルターの交換もすべてネットで調べてすべてうまくいきました。ワイパーや車のエアコンフィルターの交換をガソリンスタンドなどでお願いしますと、アマゾンで部品を購入し自分で交換するのとでは、総額で3~4倍も違ってきます。それがわかっているだけに居間のエアコンフィルターの掃除ができないことがもどかしくて仕方ありませんでした。

すべてはカバーが開けられないことが根源にあります。そうして苦しんでいるときに、突然ある考えが浮かんできました。もしかしたら、このエアコンって「フィルターの掃除はしなくていい機種」ではないか、そんな悪魔のささやき声が聞こえてきたのです。なにしろ、20年ぶりに買い替えたエアコンです。20年前とは性能・機能が数段向上していて不思議ではありません。最新式のエアコンは「フィルターの清掃をしなくてもいいのかも…」。

早速、ネットで調べることにしたのですが、僕が購入した機種はもう既に生産が終了しているようで、いくら検索しても同じ型番の情報が出てきませんでした。そこで、同じメーカーの似た性能の型番で調べますと、ある情報にたどり着くことができました。

その説明書には「自動掃除機能つき」という文言が書かれていました。「そうか! この機種はフィルターまで自動で掃除してくれるんだ」。感激です。科学の進歩を喜ばずにはいられませんでした。その文言を勝手に信用し、感激した僕は、結局その年もフィルターの掃除をしないまま夏を終えることになりました。

そうして迎えた今年の6月2日です。夏を迎える頃になりますと、エアコンのCMが流れるようになります。テレビではもちろんですが、ネットの広告でも目に付くようになりました。あるとき、たまたま画面の右側に出たエアコンのCMを見たときに、ふと思ったのです。

「本当に、我が家のエアコンってフィルターを自動で掃除しているのかな…」

なぜか、わかりませんが、その疑問がフツフツと沸き上がってきました。以前、同じメーカーの似た機種の説明で「自動掃除機能つき」という文言で安心していた僕ですが、そのときはなぜか不安な気持ちの方が強くなっていたのでした。そこで、改めて我が家のエアコンの説明書をネットで調べることにしました。すると、どうでしょう。同じメーカーの全く同じ型番の説明書にたどり着くことができました。

早速、説明書を確認しますと、なんということでしょう。「定期的にフィルターを掃除」することが書かれているではあ~りませんか!

ガガーン!

我が家の「自動掃除機能つき」とはフィルターではなく、「エアコンの内部を乾燥させることにより、カビの発生を抑える機能」のことのようでした。つまり「フィルターは自分で掃除をする」のが正しい使い方だったのです。僕はそれを知らずに4年間なにもしないまま使っていたことになります。

しかし、問題はカバーの開け方です。そもそも最初にカバーがなんの問題もなく開いていたなら、こんな勘違いはしなかったでしょう。そこで、もう一度youtubeで検索しますと、同型の機種の動画は出てきませんでしたが、似たような機種のカバーを開ける動画がありました。それをジーっと見て、それから我が家のエアコンを見ますと、それまでは気がつかなかった小さな突起物がわかりました。

なぜ、なぜ、今まで気がつかなかったのか、、、不思議でなりません。それはともかくその突起物に指をかけゆっくりと動かすと、なんと、なんと、カバーが開いたのでございます。これを感動・感激といわずなんといいましょう。かくして、フィルターを取り出し古い歯ブラシとお風呂のシャワーできれいにきれいにした僕でした。

あー、これで今年の夏は気持ちよくエアコンを使うことができます。メンテナンスをするとしないのでは、効用が全く違うのです。

そして、実は、政治の世界でも定期的にメンテナンスが必要です。どんなに優れた政治家、政党であろうとも、ある程度の年月が経ちますと現実のとの間に齟齬が生まれてくるものです。また、適性に疑問がつくこともあります。そうした状況を改善するためにはメンテナンスが必要です。

そのメンテナンスが来月10日にやってきます。是非とも正しい情報を集めて、正しいメンテナンスをしてほしいと思っています。間違っても、メンテナンスをさぼることがないようにお願いいたします。もしメンテナンスをさぼってしまいますと、政治が、日本が壊れてしまいます。

じゃ、また。




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