<トマホークTomahawk>

pressココロ上




僕は現在放送されているNHKの朝ドラ「ブギウギ」を毎回楽しく観ているのですが、実は一つ前の「らんまん」がとても面白かったので、その喪失感もありはじまった当初はあまり興味をそそられませんでした。基本的に僕がリアルタイムで朝ドラを観られるのは金曜日だけなのですが、「らんまん」のときはNHKプラスというインターネット放送でほかの曜日も観ていました。そんなことが可能になっている今の時代に感謝感謝ですし、そうまでして観たい気持ちにさせる「らんまん」にも感動していました。

はじまった当初、あまり「面白そう」とも思えなった「ブギウギ」でしたが、たまたま観た放送で一気に「観たい」気持ちになりました。ですので、「ブギウギ」も毎回NHKプラスで毎回観るようになったのですが、観ていて感じるのはストーリー展開が早いことです。

実は「らんまん」のときにも感じていたのですが、民放も含めて今のドラマは昔に比べて相対的にストーリー展開が早くなっているように感じます。昔のドラマは同じようなことを繰り返し、ストーリーがなかなか進まなかったような印象がありますが、時代の移り変わりを感じずにはいられません。

朝ドラの時間が終わりますと、そのまま「あさイチ」も続けて観るのですが、「あさイチ」には僕の好きな博多華丸大吉さんが出ています。前に書いたことがありますが、僕はこのお二人が大好きで、特に大吉さんのトーク力はもちろんその人柄にも惹かれています。その「あさイチ」に先週はユーチューバーのリュウジさんという方が出演していました。

「あさイチ」は情報番組なのですが、金曜日はゲストを招いてトークをする番組編成になっています。毎週いろいろなゲストが出演するのですが、今の時代の旬な方々が出てくることが多く、とても勉強といいますと大げさですが、時代を知る参考にしています。

先週のゲストはリュウジさんという料理研究家の方だったのですが、youtubeの世界ではかなり有名のようでした。僕は年の割にはインターネットを見ているほうだと思いますが、その僕がリュウジさんの存在を全く知りませんでした。如何に自分の知っている世界が狭いかを痛感させられたのですが、裏返しますとネット世界の広さ・深さを思い知らされることでもあります。

いつの時代も料理業界では有名な方が出てきますが、その方々に共通しているのは料理人としての経歴・実績があることです。例えば、有名店で修業をしていたとか、フランスに留学していたとか、料理の世界で長年過ごしていた人たちでした。しかし、リュウジさんは全く違っていたのですが、そうした経歴が人気の秘密かもしれません。

リュウジさんは小さいころから一風変わっていたようで、不登校・引きこもりで学生生活を過ごしていたそうです。就職も料理とは関係のない業界に入り、そうした中でたまたま料理に関心を持ち、独学で調理技術を身に着け今のユーチューバーとしての地位を獲得しています。こうした経歴といいますか、生き様も多くの人から支持を受けられる要因のように思います。

僕がリュウジさんに対して最も感激をしたのは、現在の成功した状況になっても生活ぶりを変えていないところです。これはリュウジさんが語っていたのですが、「もともと物欲もないですし、僕が高級車に乗ったりチャラチャラしたら、今の料理の感性がなくなってしまう」と考えているそうです。ネットの世界でよく見かける自己顕示欲が強く自分を大きく見せたがる人の対極の考え方には感動するものがありました。

ネットの世界の成功者として、格闘家の朝倉未来選手について書いたことがあります。ユーチューバーの申し子と言われているHIKAKINさんとは違う系統での成功者ですが、現在では「break down」という競技会が成功しています。「break down」は不良たちの中での最強者を決める大会ですが、朝倉さんは選手ではなく社長という役職についています。

ご存じの方もいるでしょうが、朝倉さんは暴走族で暴れまくったあと少年刑務所に入所した経験があります。元々は不良少年で、それから格闘技選手になり、そして社長にまで上り詰めたのですから「成功者」以外のなにものでもありません。朝倉さんは不良の人たちのあこがれの存在になっていますが、そうした人がいることは不良になってしまった若者たちの一つの道しるべになっているはずで、決して悪いことではありません。

「break down」に集まってくる若者たちは、普通の大人からは「社会の落ちこぼれ」とみなされますが、その対極の人たちに焦点を当てているyoutubeがあります。「トマホークTomahawk(以下:トマホーク)」というチャンネル名ですが、高学歴の人たちの出身学校や勉強法、就職先といった経歴などを聞く内容になっています。

高学歴をうたうのですから当然の如く東大出身者が多くなるのですが、ときたま学歴とは関係のない人が出演するケースもあります。もしかしますと、高学歴関係だけの内容では限界があり、少しずつ内容を変える方向に向かっているのかもしれません。

僕が最も印象に残っているのは、逮捕される前の「ガーシー」さんなのですが、当時「ガーシー」さんはアラブ首長国連邦のドバイに居住を移していました。理由は俳優の綾野剛さんを脅迫した罪などで逮捕容疑がかかっていたからです。要は海外逃亡をしていたわけですが、トマホークの運営者たちはわざわざドバイまで訪ねて行ってインタビューを行っています。

そのほかに印象に残っているのは、幸福の科学の創設者・大川隆法総裁のご長男・宏洋さんです。宏洋さんは幸福の科学という宗教団体やその創設者であり親でもある隆法さんを公に批判しています。自らもyoutubeのチャンネルを開設して「幸福の科学」や大川隆法総裁の欺瞞性を暴いているのですが、トマホークでもあけすけに批判を展開していました。

このように高学歴とは関係のない人もゲスト出演していますが、基本は「頭がいい人」です。特に、単に「頭のいい人」ではなく「超がつく頭のいい人」の話は僕からしますと、現実離れをしていて、その分興味を引かれます。その一人に田内学さんという方がいるのですが、この方は東大を卒業したあとゴールドマン・サックス証券株式会社に入社し、トレーディングや採用などに従事したあと、現在は退社をしてフリーで活躍しています。

この方のお話がとても面白かったのですが、この方の一番の魅力は「飄々としている」ことでしょうか。だいたいにおいて、頭がいい人はどこか優越感を漂わせるものですが、田内さんはそうした雰囲気が一切ありません。不思議な魅力の持ち主です。最近は執筆活動に主を置いているようですが、視点が少し変わっていて、金融に疎い人に参考になるように思います。

このように「トマホーク」はいろいろな人がゲスト出演することで人気があるのですが、そのほかに僕が魅力的に思うところがあります。それは、ゲスト出演者がレギュラーになるケースがあることです。このチャンネルの運営者は平山任真さんという大学生ですが、ゲストからお話を聞く際は平山さんとほかの2~3人のレギュラーで出演者からお話を聞く構成になっています。

僕が思う「魅力」とは、そのレギュラーの人たちが少しずつ増えていることです。僕は最初から観ていたわけではないので正確なところはわかりせんが、おそらくレギュラーになっていった人たちはチャンネルにゲスト出演したことがきっかけになっているように思います。

例えば、大川宏洋さんや田内学さんなどはゲスト出演した数回後からレギュラー枠で出演しています。僕はこうした光景をとても心地よく感じるのですが、その理由はドラゴンボールを彷彿させるからです。悟空は戦った相手を仲間にしていきました。トマホークでは戦うわけではありませんが、話を聞いたあとに仲間になっています。そうした光景がとても素敵です。おそらく運営者の平山さんの人徳によるところが大きいと思いますが、ゲストとして出演した方々の人望もあるように思います。

人と人が仲良くなっていく様を見ているのはとても気持ちいいものがあります。早くウクライナでもガザでも紛争が終わることを願ってやみません。

じゃ、また。




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