<労働と賃金>

pressココロ上




僕は日曜の朝はフジテレビの「日曜報道 THE PRIME」を見てから、TBSの「サンデーモーニング」にチャンネルを変えるのを常としています。以前は「サンデーモーニング」一辺倒だったのですが、フジテレビ「ぼくらの時代」を見たあとの流れから「日曜報道 THE PRIME」も見るようになり、いつからか少しずつ見る時間が伸びていきました。

一般的に、フジテレビは「保守系」、TBSは「リベラル系」とラベルを貼られていますが、仮にそうであるなら中立を信条としている僕としましては両方を見ることは意義があります。僕がテレビ局に関心を持ったきっかけは1980年代にフジサンケイグループのトップを務めていた鹿内春雄さんという方がNHKの美人アナウンサーと結婚したことです。僕、ミーハーだったもので…。

鹿内春雄さんはフジサンケイグループ創業者の一人である鹿内信隆さんのご長男ですが、マスコミ業界に新風を吹き込む経営者として名を馳せていました。フジテレビでは80年代に「楽しくなければテレビじゃない」を掲げており、その流れで女子アナブームも湧き起こりましたが、そうした流れも鹿内さんの発想が根底にあったように思います。そうしたことが記憶に残っているときに、たまたま春雄さんの御父上・信隆さんの自伝を読んだのですが、波乱万丈な人生に興味を惹かれました。

それはともかく、本日の「日曜報道 THE PRIME」には立憲民主党の代表選に立候補している4人が出演していたのですが、世の中的にどうしても自民党の総裁選に注目が集まりがちな中で、立憲民主党の代表者選について放送したことはとても意義があります。

とは言いつつも、支持率7%はやはり寂しいものがあります。僕の正直な感想としては、今の立憲民主党では政権を担うだけの人材がいるとは思えませんので、政権を取られても困ります。ですが、今の自民党のままでも困りますので、現状での理想は「自公政権の過半数割れ」といったところでしょうか。自民党の好きなように政権を運営されては、政治家のタガが緩み過ぎてしまいます。

タガが緩んでいる最たる例が政治資金に関することですが、総裁選に立候補した今の段階になって、いくら「政治資金の改革」政策を発表したところで、ほとんどの国民は信用してはいないのではないでしょうか。「どうせ、立候補したときだけ…」と思っているはずです。本当に改革をするのなら、国会で過半数を占めている今の状況でとうの昔にできていたのですから。

各候補者がそれぞれいろいろな政策を発表していますが、その中で僕が特に興味を引いたのは「解雇規制緩和」です。この政策を提示している候補者は河野太郎氏や小泉進次郎氏など複数人いますが、そのことも興味深く思いました。

「解雇規制緩和」を文字通り読みますと、経営者が「自由に従業員を解雇できるようにする」ことです。実際、今朝の「日曜報道 THE PRIME」の中で立憲民主党の各候補者が「働く側にプラスはない」と一刀両断していました。今の法律では雇用主は従業員を簡単に解雇できないようになっています。

僕は経験も知識もないままにラーメン店を開業してしまいましたので、従業員を雇用することの大変さを考えずに雇用主になってしまいました。そのような素人の雇用主が一番驚いたのは、やはり「簡単に解雇できない」ことでした。しかし、個人事業主の現場では「解雇」という以前に「採用できない」ことが一番の問題で、どんな人であろうとも「解雇」など考えもしないのが実情でした。

これは体験記に書いていますが、個人のお店が従業員を採用するのは並大抵のことではありません。誤解を恐れずに言いますと、福利厚生などがしっかりとした企業や事業所で採用されない人が最後にたどり着くのが僕がやっていたような個人のお店です。ですので、学生のアルバイトを別にするなら、少しばかり風変わりな人を雇用するようになるのが常でした。

そうした人たちと一緒に働いていた僕がいつも思っていたのは、「仕事ができないのは、その人の責任ではなく教え方が間違っているから」ということでした。どんな人であろうとも戦力にするのが基本と考えていました。ですので、僕のような個人のお店・事業所では「解雇」などあり得ないのです。

そのように考えていた僕ですが、困るというか悩ましかったのは「賃金」に絡むことです。やはり、雇用しているからにはたとえ5円であろうとも毎年昇給を実践しようと考えていましたが、有給休暇などについては考えたこともありませんでした。やはり、個人で営んでいるお店で従業員に有給休暇を与えるのはかなり厳しいものがあります。人員の問題もありますが、もっと苦しいのは有給休暇を与える際に発生する人件費です。

経営する側からしますと、有給休暇は「働かない人に賃金を支払う」ことです。これは正直キツイものがあります。当時はパートさんなどに有給休暇を付与する法律がありませんでしたので悩むこともありませんでしたが、今の時代に個人でお店なり事業所を営んでいる経営者の方々はとても大変だろうと想像します。間違いなく当時の僕の経営能力では対処不可能でした。

立憲民主党は労働組合から支援を受けていますので、総裁選候補者が掲げる「解雇規制緩和」の政策を一刀両断するのもわかります。確かにこの文字だけを読みますと、「労働者が簡単に切り捨てられる」ように思いますが、詳細に読んでいきますとこの政策の先に見ているのは「同一労働同一賃金」のようです。

以前、韓国の経済事情を紹介する記事で印象に残っている記事があります。文在寅政権時代のことですが、「所得主導成長」を掲げる中で急激な最低賃金の引き上げなどにより小商工業者や自営業者の倒産・廃業と増加した、という内容でした。このように単純に労働者賃金を上げるだけで、景気がよくなるわけではありません。公平で平等な労働環境の構築が必要です。

その意味で言いますと、「同一労働同一賃金」は理想の給料システムのように思います。実は、自慢するようで恐縮ですが、僕は2008年に「同一労働同一賃金」のタイトルでコラムを書いています。読み返してみたのですが、今から16年も前にすでに「格差」が問題になっていたようです。世の中が進歩していないことを実感しました。というか、この間政治家はいったいなにをしていたのでしょう。

企業の労働者を大きくわけますと、「指示する人」と「指示を受けて働く人」に分かれます。仮に、前者を管理者、後者を従業員と言い換えますと、管理者と従業員の間に報酬の違いがあるのは多くの人が受け入れると思います。一般社会では責任の重さが違うからです。しかし、今の時代は働き方が多様化した結果、従業員の中でも報酬に違いが出るようになっています。ほぼ同じ仕事内容であるにもかかわらず、雇用契約が違うだけで報酬に差がつけられています。

例えば、教師という職業には「非正規の教員」と「正規の教員」という雇用の契約があるそうです。ある経済誌で読んだ記事ですが、文字通り「非正規の教員」は正規ではありませんので簡単に解雇することができます。つまり、雇用する側は「簡単に解雇できない」ことがネックになり「非正規」を雇用していると思われます。僕が雇用する立場でもそうするでしょう。

こうした事例は教師に限らずあらゆる職業で起きています。そうした状況に鑑みますと「解雇規制緩和」もそう悪い政策ではないように思うのですがどうでしょう。もちろん「悪用」する抜け道をしっかりと押さえておくことは重要ですが、同じ仕事をしていながら立場が違うだけで給料に格差がある状況は解消すべきです。

そうは言っても、「同じ仕事をしている」と言いながら、「同じ仕事をしている」とは限らない人もいるんですよね。だって、国会議員を見ているとわかるじゃないですか。

じゃ、また。




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする