10年前にも本コラムで糖尿病について書いていますが、僕の糖尿病が発症というか発見されたきっかけは心臓の疾患でした。不整脈で検査をした際の検査で「糖尿病」と診断されたのですが、以来糖尿病と戦っています。健康診断などで、糖尿病を診断する項目を「ヘモグロビンA1c」といいますが、基準目安が「5.5%未満」のところ、そのときの僕の数値は「7.6%」でした。
その後いろいろと自分なりに対策をとった結果、数値は「7.6%」から徐々に改善し、最も良好な数値で「6.0%」まで下がっていきました。しかし、そこからなかなか数値は改善せず、逆に「6.3%」あたりを数年間ウロウロしていたのですが、昨年は「6.7%」と悪化し、今年の健康診断では悲しいことに「7.0%」という結果になっていました。
昨年が「6.7%」でしたので、今年はなんとしてもその前の数値「6.3%」に戻す心意気で健康診断の3ヶ月くらい前から食事の糖質を計算し、ち密に食事コントロールをしていました。しかも、週に3日だけですが、軽い肉体労働もしていますので、今年の数値は「6.3%」、悪くても「6.5%」にはなっている予定でした。
10年前のときは、まだ糖質制限という言葉も知らず、カロリーだけで対策をしていました。そうしたときに比べますと、現在はネットでいろいろな対策を調べることができます。ですので、僕の糖尿病対策も以前とは比べ物にならないほど進歩しているはずでした。そうであるだけに、健康診断の結果で「ヘモグロビンA1c」の数値が「7.0%」だったことは大きなショックでした。
あれほど食事に気を使い肉体運動に気を配り、対処してきたのにもかかわらず悪化していたのです。前にも書きましたが、僕のかかりつけのお医者さんは内科、呼吸器内科など内科関連を専門としています。一応診察科目に「糖尿病」も表示されていますが、それほど専門ではないように感じています。その根拠はヘモグロビンA1cの数値が「7%」になるまでなにも指導してこなかったからです。
ネットで調べますと、開業医はたくさんいますが、「糖尿病」を専門としている「専門医」と認定されている医師がそれほど多くはないことがわかりました。僕の住んでいる地域には一人しかいませんでした。診察科目に「糖尿病」と表示をしている内科のクリニックは多いのですが、「専門医」とは違うようです。僕のかかりつけ医も診察科目に「糖尿病」を表示していますが、「専門医」として認定されている医師ではありません。そうした状況で、患者として悩ましいのは、「かかりつけ医が糖尿病の専門医ではない」からといって、糖尿病だけを専門医に診てもらうわけにもいかないことです。
本来の「ヘモグロビンA1c」の基準目安は「5.5%未満」なのですが、僕の数値はここ数年ずっと「6.3~6.7%」と「6%」を超えていました。それにもかかわらず、かかりつけ医は気にするふうでもなく、反対に「あまり気にすることはありませんよ」と話していたくらいです。ところが、数値が「7.0%」になった今年はこれまでとは違い「血糖値を下げる薬」の処方を提言してきました。
かかりつけ医は健康診断の結果を見ながら「次の診察のときに、薬を出します」と話したのですが、次の診察までの一ヶ月ちょっとの期間がありました。ちなみに、健康診断の結果を僕に伝える際に「薬の処方をしなかった」のは、行政が行う「無料の健康診断の範囲」とは一線を画していたからだと思います。
次の診察まで一ヶ月以上ある中で僕は試したいことがありました。それは「ヘモグロビンA1c」の数値の正確度です。僕は「7.0%」の数値がどうしても信じられませんでした。糖質制限をきっちりと行い、運動もしていました。数値が悪くなる要素がまったくないはずにもかかわらず悪化していたのです。あり得ない!、、、です。
今の時代は本当に便利です。ネットでいろいろな情報に触れることができます。僕は最初に「病院に行かずにヘモグロビンA1cを調べる方法」を検索しました。すると、薬局でも測定できることがわかりましたが、そのやり方に難点を感じました。それは「指に針を刺す」方法だったからです。僕、針が苦手なんです。看護師さんにやってもらう分には耐えられるのですが、薬局で検査するのは「自分で針を指に刺す」方法でした。これで、却下です。
なんとかほかの方法はないものかといろいろ検索をしていたところ、ヘモグロビンA1cを測定するのではなく「血糖値」を測定する器具があることを知りました。しかもヘモグロビンA1cのように「2ヶ月間の平均」を出すのではなく、24時間切れ目なく連続で表示してくれる優れものでした。
しかし、ネットの情報で大切なのは信頼性です。医療という人の命にかかわる分野では特に大切です。以前、「患者よ、がんと闘うな」(文芸春秋,1996)という本がベストセラーになったことがあるのですが、これは近藤誠さんという医師が書いた本です。一般の治療方法とは真逆の主張ですので、医学界では異端児扱いでした。この本の内容を本当にざっくりと言ってしまいますと、「がんは治療せずにほっておけ」ということなのですが、本は売れました。今の時代ですと、「がん」の治療方法も進歩していますので、この本の信頼性は疑問符がつきます。
血糖値が24時間測定できるなら、これほど便利なことはありません。問題は信頼性ですが、ネットで検索しますと、ある現役医師が実際に利用している動画を見つけました。しかも一人ではなくいろいろな医師が実際に利用している動画をアップしていました。信頼性も間違いないようです。しかし、問題が一つありました。それは価格です。
この器具はセンサーを腕につけて、そこで血糖値(正確にはグルコース)をスマホに送信することで24時間測定するのですが、そのセンサーが1つ8千円あまりもします。しかも、センサーが使える期間はたったの2週間です。つまり、2週間で8千円です。高すぎます。
悩みました。悩みました。ですが、辛抱できずに購入しました。
結果、とても満足しています。お風呂に入っても、激しい運動をしてもセンサーがはずれることはなく、常に数値をスマホに送信してくれます。自分の血糖値がリアルタイムでわかるのです。便利です。とても便利です。
そして、その数値を見ていてあることがわかりました。実は健康診断の結果をかかりつけ医から伝えられたとき、僕が「食事コントロールもしているのに不思議です」とつぶやいた際に、医師が言ったのです。検査項目「血清アルブミン」を指さしながら、「この数値が基準以下になっていますが、これは栄養が足りてないことです」。
つまり、僕は食事コントロールを意識するあまり栄養不足に陥っていたそうです。「やり方を間違えていましたね」。かかりつけ医の言葉でした。それを裏づけるように、なんと僕のセンサーの記録を見ますと、僕は寝ている間に低血糖状態になっていたのです。これは驚きでした。かかりつけ医の言葉と合致する数値がセンサーで表示されていたのですから。
寝ている間に低血糖になっていたことも驚きでしたが、もっと驚いたのは僕の血糖値は普通に生活している間は健康な人と同じように「標準内に収まっていること」でした。では、「なぜ、ヘモグロビンA1cの数値が悪化したのか?」。それは「血糖値スパイク」に因るものでした。「血糖値スパイク」とは「食後高血糖」ともいうらしいですが、「食事のあとだけ血糖値が極端に上昇する」状態のことです。
健康な人でも食事のあとは血糖値が上がるのですが、僕のような「血糖値スパイク」の状態の人はその上がり方が極端になっています。そうした状況は血管にダメージを与え、「のちのち心筋梗塞や脳梗塞を発症するリスク」が高くなるそうです。
ということで、かかりつけ医には「センサー」の話や「血糖値スパイク」の話を伝え、食事のあとにだけ血糖値が上がらない薬を処方してもらうことにしました。「血糖値スパイク」の話を伝えたのはとても重要なことで、単に「血糖値を下げる」薬を処方されてしまいますと、僕の場合は通常は正常な血糖値ですので、低血糖状態になるリスクがありました。
自分の健康は自分で守るのが基本です。今回、僕はたまたま「血糖値スパイク」にたどり着きましたのでラッキーでしたが、かかりつけ医が健康診断の結果だけで薬を処方していたなら、原因もわからず低血糖に悩まされるところでした。
どんなことでも、表面上のことだけではわからないことはあります。現在、自民党も立憲民主党も選挙を行っていますが、私たち国民は表面上だけのことだけではなく、その表面上にあらわれるまでの過程についても考えていくことが大切です。
じゃ、また。